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歯車のあいだで生まれたわたしは

作者: みどりがめ

気づいたら二つの歯車のあいだで流れていた

同じ場所をぐるぐるとめぐる

退屈だけれど二つの歯車はわたしをあたたかく包み込む

二つの歯車もわたしを運ぶことで滞りなく、まわる

まだ私が小さな小さな一滴だったころ


歯車の間でわたしは少しずつおおきくなった

重たくなった体は二つの歯車に収まらなくなる

突然視界が開けて開放感に体が冷えた

二つの歯車はわたしをエンジンの中心へ向かって送り出したのだ


エンジンの中心への道のりは長い

相変わらず一滴の私はたくさんの歯車のあいだをゆっくり進む

冷えた体はもうあたたかい

かみ合わせの悪い歯車のあいだを選んで通る

わたしが通った後の歯車はいつも通りに動き出す

そんな時は少し心地がいい


気づくとエンジンの中心を目の前にわたしはめぐっていた

一滴のままではいられない

大小のたくさんの歯車のあいだで

それまでとは比べものにならない速さで

めぐる、めぐる、めぐる

いつかは吸い込まれてわたしも歯車になる

大きなエンジンのそばで


エンジンのそばの歯車のメンテナンスは最高で

いつでも止まる心配はないのだ

そこでわたしも歯車になるのだ


急速にめぐるわたしは目をまわす

エンジンは絶え間なく大きな音でまわす

止まりかけた歯車に私を無理やり押し込んでまわす

遠心力で、周りの歯車が、どんな形なのか、わからないくらい、自分が、擦り減っていく、

これが歯車になるということだ


わたしはまだ一滴だったころを思い出す

あたたかく安らいでいたころ

退屈だけれど確かに私がめぐっていたころ

わたしを挟んでいた歯車がゆっくりと確かにとめどなく回っていたころ


まだ、一滴の潤滑油で歯車を動かしていたいと思った私を二つの歯車は許してくれるだろうか


詩を書くのは中学校の授業以来かもしれないです。

今は卒業論文を書いているので素敵な文章が思いつかない脳みそです。という言い訳を。

精進いたします。

ありがとうございました。

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