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日常の中の非日常探偵  作者: ライティスマン
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序章 日常生活

ライティスマンです。

俳優志望で演劇大好きです。

台本を書く練習も兼ねて、ここで書いていきますので

よろしくお願いします <(_ _)>

一応受験生ですので、更新はかなり不定期です。

あと駄作・駄文なところもあると思います、スミマセン・・・。

俺は、薄暗い荒地に立っていた。

周りにあるのは、腐敗してしまった木のみ。

空は黒い雲で覆われており、魔物が……

そう、魔物が飛んでいる。

俺はどうしてこんな所に居るのか?

順を追って説明したいところだが、気が付けばこんなところにいたので何も説明できない。

ははは……俺はどうやってこんなところに来たんだ?


「見つけたぞ!!」


不意に後ろから声がする。

後ろを振り返ると、武装をした魔物達がこっちに向かってくる。

おいおい、俺が何をしたって言うんだ?


「助けてください、勇者様!!」


勇者?そんな人がいるなら助けて欲しい。

声は後ろから聞こえてきた。先ほどまでは居なかったはずだが、

ゲームから出てきた様な格好をしたお姫様が俺の背中に隠れていた。

……ふむ、なかなか可愛い。

だがどういうわけか、顔の特徴がうまく表現できない。

こっちをじっと見つめてくるお姫様。

おいおい、俺じゃなくてその勇者様の方を見た方がいいんじゃないのか?

……ああ、そうか、勇者様というのはどうやら俺のことのようだ。

何故か、そう直感した。

そして驚くことに、俺は自分の意思とは無関係に


「任せてくださいお姫様!あなたは俺が、必ず守り通します!」


と言った。

背筋が寒くなるセリフだな、と自分でも思ったが、勝手に出てきた言葉だ。訂正することもできない。


「かかってこい、勇者よ!!」


目の前の魔物が叫び、武器を構える。

俺は覚悟を決め、その魔物に向かっていき-そして俺はー



「おい、緒方(おがた)、起きろコラ」


その声で目が覚めた。


「うん?」


俺は机に伏せていた頭を上げた。周りのみんながクスクス笑っている。

ああ、そうか、ようやく納得がいった。つまり、さっきまでのファンタジーな世界は俺の夢の中の話であって、実際の事件とは一切関係のない・・・


「お姫様を守って幸せだったか?うん?」


数学担当の熊田(くまだ)先生がそう言ってきた。

熊田先生は、白いジャージを着ていて、年齢は20代後半・・・ぽい。

数学担当だが、体育の先生と言っても疑われなさそうな体格。眼鏡はかけておらず、髪の毛はスポーツ刈り。正直、顔はなかなかかっこいい。

と言っても熱血教師ではなく、人当たりがよくて、授業もわかりやすい。

生徒からの人気が結構高い先生だ。


「・・・なんのことでしょうか先生。僕は寝てただけですよ」

「開き直るな、馬鹿者。しかも寝るだけじゃなく、あんな大きな寝言を言うとは・・・」

熊田先生は、呆れたと言わんばかりにため息をつく。

「え?寝言?そ、そんなじゃあ」

「任せてくださいお姫様、とか言ってたぞ」

「ぎゃあああああああ!!!!」


何ということだ!恥ずかしくて仕方がない!

クラスのみんなが大爆笑している。さっき笑ってたのはこういうことか!


「緒方、先生一回言ってみたかったセリフがあるんだが、言ってもいいか?廊下に立ってろ」

またみんながドッと笑う。熊田先生が本気で怒っていたらこんなに楽しい雰囲気なわけがないので、そんなに怒ってないということだろう・・・たぶん。だから、廊下に立ってろというのも冗談のはずだ。


「えっと先生・・・冗談ですよね?」

「本気だと思っていたのか?」


熊田先生が可笑しそうに笑う。とりあえず安心してよさそうだ。


「ちゃんと寝ずに聞いとけよ緒方。テスト直しは大切なんだからな」

「以後気をつけますよ」


そして俺は姿勢を正して座りなおす。先生もそれを見て納得したのか、すぐに解説を始めた。


「いいかー、この問3の問題は正答率が特に低かった。ここはな・・・」



そう、現実はあんなスリルのある世界なわけがない。俺の目の前にあるのは、ごく普通の、ごく日常的な世界だけだ。よく言えば平和、悪く言えば退屈。いくら想像を膨らませようと、可愛いお姫様など目の前にいないし魔物なんかいるわけもない。

じゃあ何故あんな夢を見たのかって?

夢はその人の願望を写すとか言われているが・・・別にあんな世界を望んでいるわけではない。だが、完全には否定できないのも事実だ。神様というものが本当にいるのならば、ぜひとも言いたい。この現実に、少しは刺激のあるものを加えてくれ。

そんなことを心の中に思いながら、俺は残りの授業を受けた。

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