表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

癒着

今日は雨、議員宿舎から国会議事堂まではタクシーを利用している。

朝9時からまたまた道路関係の会議が始まった。


「吉岡議員、過去のあなたの選挙区の高速道路建設の受注先について調べましたが、あなたのお父さんは何か言っていませんでした?」


「質問の意図が良く分かりません。」


「ですから、毎回同じ業者を使用しているんです。建設の公募には毎回10何社も応募があるのに、毎回同じ、しかも予算比99.9%での受注です。」


「質問の意図が良く分かりませんが、父が談合に参加していたとおっしゃりたいのでしょうか?」


「そうは言ってませんが、ただ吉岡議員はこの事実を把握されていましたか?」


・・・・私は知っていた・・。


請負先の業者の社長が博のお父さんだってことは知っていた。


ただ受け入れられていなかった。



私の父の任期中にはこのことが明るみ出ることはなかった。今思えば父の引退はこれを恐れてのものだったのかも知れない。



その疑念が確信へと変わり、目の前が真っ暗になった。




「高速道路は不要です。以上」





私はこの一言を発し、会議室から飛び出した。


溢れる涙が止まらない。どこに向かえばいいのかも分からない。


故郷には帰れない。実家にも帰りたくない。誰も信用できない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ