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第9話 その先へ

お久しぶりです、ご覧いただきありがとうございます。最近寒くなってきましたが、いかがお過ごしですか?暖かくしてくださいね、春海はとうとうヒートテックを出しました。それではお楽しみください!

朝日が差し込み、人々が慌ただしく駅を行き交う時間帯。私は電車に揺られていた。自分の正体に気が付かれないよう、つけたマスクと帽子が若干暑苦しい。私は自由を許される前から、探しに行きたい場所があった。今向かっている場所――それはかつて両親と愛花と4人で過ごした実家だった。理由という理由はなく、ただこの場所に来ればまた会えるような、何かが変わる気がしていた。電車を3回乗り継いで、窓から見える地元の景色に懐かしさを覚える。都心から特別に離れているわけではないが、都会とも田舎とも言い難いこの場所に、4人で過ごした当たり前だと思っていたかつての日常が、暖かくて酷く優しい。最寄り駅で降りて、実家の方へ歩いていく。平日のせいか人通りは少なく、かつて自分が過ごした時とは違った風景を見せる街に目移りする。夜になるとお化けが出ると噂のコインランドリーはコンビニに変わっていて、毎年誕生日ケーキを買っていた洋菓子店の入口には、かつてあった歪な猫の置物の隣にカメレオンが追加されていた。

「……どうせ来るなら、」

思わずそう声が零れる。この場所を歩くなら、例え会話がなくても愛花と2人で肩を並べたかった。愛花はこの街にいるのだろうか。愛花は今の街を見て何を思うだろう。両親が死んでから愛花に抱いていた嫌悪感が今となってはとても恋しい。そう考えながら歩いていると、実家についた。両親が亡くなった後、私たちは親戚に引き取られたため、元々住んでいた実家は売りに出された。家の形そのものは変わっていないが、知らない人の表札がかけられ、子供用の自転車が家の敷地に置かれている。私達の日常が他の誰かに上書きされている様子は、想像してたよりも私の心を締め付けた。家の近くを散策してみても、愛花らしい人影の姿はない。そう簡単に見つかるわけはないとは思ってはいたが、その通りだ。現実は甘くない。目的地であった実家に着いてしまった以上、あとはどこを探そうか。そう考えてた矢先、突然背後から声をかけられた。

「…あの、もしかして…。」

その声がする方に振り返るとそこには――

ここまでお読みいただきありがとうございました。

いかがでしょうか?

美花が会ったのは一体誰なのか…。

次回もお楽しみに!ご感想等お待ちしております。

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