表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

沈黙する町

作者: motimoti

最初に音が消えたのは、時計の針だった。

次に、水道の滴り。風の音。犬の鳴き声。

最後に、人々の声が消えた。




この町には、もう音が存在しない。

音が聞こえないのではない。発生しないのだ。


それでも人々は普通に生活していた。口を動かし、笑い、怒り、泣いている「ふり」をしていた。

町の規則では、「音がないことについて話してはいけない」ことになっている。もっとも、話しても伝わらないが。


主人公・スミは15歳。ある日、町のはずれにある“音の残響がある場所”を見つける。廃屋の床に落ちていたのは、古びたカセットテープ。再生すると、音がした。

それは誰かの声だった。


「これを聞いてるあなたへ。この町の音は、誰かがすべて“預かった”。

音には感情が宿るから。それがあまりに危険だったから。

わたしが代わりに、全部、受け取った。」


スミは毎晩、その声を聞く。毎晩すこしずつ、記憶のような風景が再生される。母の笑い声、踏切の警報、誰かの歌。


しかし同時に、スミの中から何かが抜けていく。自分の声、自分の感情、自分の記憶が薄れていく。


ある夜、彼女は気づく。

あのテープは**音の“保管庫”**ではなかった。**音の“感染源”**だった。


それは感情を伴う音の集積体で、誰かに聞かれるのを待っていた。宿主を探していた。


スミは最後のテープを再生する。


「ありがとう。これで、あなたがわたしになる。

町のみんなが沈黙した意味、わかるでしょう?」


その瞬間、彼女の中にすべての声が戻ってきた。


けれど、もうスミという個人はどこにもいなかった。




次の日、町に一人の少女が現れた。誰も知らない顔だった。

だが、その声に、町中の人間が思わず振り向いた。懐かしさと恐怖に震えながら。


少女は言った。

「あなたたちは、まだ、聞こえたままでいたいの?」



自分でも書いててよくわかんなくなったので、ボツりましたがせっかくなので、投稿しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ