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青灰の地より  作者: 不病真人
第一部 龍と男に焔 第三章 黎明が前の明け星

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第六十九話 心音


「それはお前なんだ。」

「顔が...!何かに掴まれた..!」

「死すらも恋慕になる...」

「虚実だ、構想を現実へと、虚構と実像の狭間だ。」


「はなせ!」


 「無駄だ、無駄無駄、気づいてはいたようだが現実はお前を動かす。どこまで行っても私の計画の中だ。」



「...だったらなぜ邪魔をするといった。あれもお前が支配していたんだろう。」


「...ふっ、思ったりよりも馬鹿にあるようだ。君は。神術の本質すらも知らないのかい?」


「は..?そんなことを聞いてはいない!」


「ふっ」

「そもそも俺の顔から手を離せ!近いんだよ!背中から不意打ちしやがって。」


「黙れ!お前!この私に首を折られたいのか!」

ぎっ


 「...そうだ...話してみよう...お前に私の神術を埋め込むために。」


「聞くか!知ってるんだぞ!お前の神術を聞けば威力が増すんだって!そんぐらい神術を。」


「ふっ...ふーはははは。」


「何を!」


 「愚かな....いいさ教えてもいい。私はお前に嘘をついた。本当にあることで。」


「ここは死んでいる場所だ...外と同じで。」


(やっぱそうか、設計されてきたんだな...ここまでは。)


「勘違いをするな、死んではいるが、操ったとは言っていない。」


「...そう...ただ繰り返しては繰り広げては進んだのさ...歴史が...繰り返される歴史が...」


「オラ!」


 「チッ!無駄な足掻きを!」



「オラァ!」


「逃げるぞぉ!ハルド!リドゥを担げ!」


「旦那っ!さっきから何が塔たちが急に倒れてた

んが!!!!」


 「敵が追ってきた!逃げろぉ!」


「なっ!あいよ!」


「くるならこいよ!教団のあほ!」


「なっ、教団だと...私がいない間にまたか。」


(ん?あいつ教団のやつらじゃないのか?)


「ああ、その顔、困ってはいるな。」


(おお、目がいいなこいつ、ここまで見えるなんて。)

「お前に教えてやろう、真実を」


 「ここはかつて破滅した地だ。帝が教団に縋ってはあった、それでも」


「やっぱりか、もう少し隠すと思っていたが。お前気に入った!最後に殺してやるよ!全部聞いたあと。」



「話はまだだ。」



「襲いかかかる蛮族の鉄蹄もあった。」


「それは傑作だ!」

 「どう抗っても完璧なる終末はなかった、今度もそうだ。お前がそれを邪魔したからだ。」


「...お前!わかったぞ復活とかして国助けるとかだろう!死ねよ!ここごと!」


「言ってくれるではないか、いいだろう気に入った。教えてやろう。私の名を、エバンドルを。」



「あっ、あんたさん!旦那と同名ってことで勘弁を!」


「走れ、ハルド!リドゥを離すな!」


男の声が夜の闇に響き、足音が地面を叩く。

ガルシドュースだ。


(よし何となく掴んだこいつはおそらく国助けたくて変なやつなって今いろいろしてる。つまり....」


「絶対逃げろぉハルド!これ以上は何もできない!」

背後からは、まるで大地そのものが唸るような重い響きが迫ってくる。

「旦那、何だよ!塔がバタバタ倒れて、まるで世界が崩れてんぞ!」

ハルドが肩に担いだリドゥを支えながら叫ぶ。リドゥは意識を失って、ぐったりと揺れている。


「おい!リドゥがなんで寝てるんだぉあ!」

「あっしに担いてろっててっきり知ってるかと。」


「お前の足が速いからだろ!もういいリドゥをこっちに!」


「へい!頭石当たって血出てるんで気をつけを!」

「考えるな!走れ!俺に任せろ!」


(あいつの神術は…やべえんだ!)


 額に汗が滲み、息が荒い。背後から聞こえるのは、歪んだ空気の音と、不気味な幻影の気配だ。

突然、空気が揺らぎ、視界がぼやける。男の周囲に、奇妙な光景が広がり始めた。地面が溶けるように変わり、森が現れ、道が無数の分かれ道に分岐する。


「ハッハ!逃げても無駄だ、小僧!再び記憶に見えっるや気分はどうだ。」

 敵の声がどこからともなく響く。

周囲を見回す。木々が動き出し、枝が鞭のようにしなり、襲いかかってくるように見える。


「おい!転送までは偶然か!」


 「いいや、違う、全ては計画している。」


「まさかッ!」


「お前は私だ!私の体になるように作られた....」


「なっ....」


 「おかしいとは思わないかね...なぜ自分は魔法使いで神術持ちなのに魂が見えないなんて....」


「なぜここまで奇抜なことが襲ってくるなんて....」


「...なぜ記憶があやふやか、それはお前は作られた。


「違うな。お前俺の体を奪うつもりだろう、神術持ち特有の洗脳とかでいろいろやるやつな気がしてきた。」


「...バレたか。だがそれでいい!お前は言ってしまった!体を奪われることを!」


 「なっ!まさか」


「そうだ!魔法が基本すらも忘れたのか!!!」

「いただくぞ!」


(お前の肉体は私に使えるだろう、この体さえあれば受肉するだろう、神術も二つだ。)


(こいつ!声が...!)


(そうだ、魔法使いの素質を持つ神術持ちならば誰でも使える技だが...君はどうやらその力に合わない...本能だけでここまでくるとは..やはり完璧なからだだ!)


「負けるかよ!俺はいつだって勝った!」

そうだ、何の策略でも無理矢理殴って勝った!だから大変にもなった!だけどこれからも変わりはしない。


「つまり俺の勝ちだ!」


「イガイェルウ(血河陣)ッ!!!」


「物質変換だと!そこまでとは!」


 「オラァ!」

周りの血を尖らせては突き刺す、声も引いてはやつは少し後ずさっている。


「尚更だ!そこまで神術が進んでいるとは、体としては完璧だ!我が神術で奪わせてもらうぞ!」


「……ぐッ!」

脳を貫くような眩暈が走った。視界が白く塗り潰され、敵の声が遠のく。


(――やめろ。)


「……なに……だ?」

確かに聞こえた。俺の中から。

頭の中に声が!

危険物みたいに扱うでない。


(立て。まだ渡すな。お前は奪われる器じゃない。)


(……お前……誰だ?)

俺は苦しみの中、途切れそうな声で問いかける。


(いったはずだった。私は千年を生きてきた。そして、ようやく終わりを迎えた。次に目覚める者は、私ではない誰か。私の記憶を持っているだけの、別の誰かだ、お前がその誰かだ。お前は私だ。この声の主人だ。)



 敵の声が割り込む。

なぜすぐに敵と呼ぶかって?

俺の中にそんな考えがあるには驚きだ。こんなやつどうしても敵だろう。

「馬鹿な……なぜ立ち直る!?私の神術は精神の深層にまで侵入したはずだ……抵抗など!夢の中ではっきりと意識を保ったまま...」


 考えろガルシドュース、やつの気を!

「……ハッ。言ったろうが……俺は殴って勝つんだよ。計画も策も全部クソだ!このわしの力に怯えるがいい。」

口元が勝手に歪む。笑っていた。俺なのに、まるで“別の俺”が笑っているように。

まるでそう、魔法使いではない、戦士が一人。


(そうだ。それでいい。お前には“魂”なんて存在しない。だから侵されもしない。)


「……魂が……ない?」


やつの気配がわずかに揺れる。

「……なんだと……!?」

声に動揺が滲んでいた。


(理解したか。お前は元から“空”なんだよ。器だけの存在だ。だから誰も入れないし、奪わせもしない。)


「バカが、言葉だけで神術を持つ体が奪えるか。」


「..ばかな!この地では私がしないがしようが、すでに仕掛けたことで暗黙の認識が影響する...いいやまさか...お前は人ではないのか..?」


「ああ諸君ら、君たちはエバンドルなる存在を勘違いしている。」


「うーおおおお!黙れ!」

「お前もそうだ、私を経験してそれとは心外だ。

そもそも記憶はたくさんある。

普通の人でもそうだ、どれだけあるか忘れてはまた作るか?」


「わかるかい」


 「...さあああああ!きかん!きかん!何も聞かないぞ!」


「たまえたまえ、うまく攻撃もできない今であるから話してもいいじゃないか、まずは私から話してもらうとしよう。」


 「んんむぅ!」

(なっ、なんだとぉ!)


「聞いてほしい。」


むかしむかし、霧深い森の奥、誰も足を踏み入れぬ場所に、フォレデイガという男が住んでおった。


「どうかね!」


「んむううう!」

君よ、耳を貸してくれ。

この男、ただの男と思うなよそう言っては村の者たちは彼を嘘つき、悪魔と囁き、恐れた。

だが、彼は笑ってこう言った。

「お前たちこそ、私を誤解しておる。さあ、聞け。この森で私が何をするか。」


彼の小屋は、黒い木々に囲まれ、夜になると妙な光を放った。

きっと彼は彼は影の織り手。

闇を使って人々を夜中に攫っては明日の朝日を見えなくするんだ。


「ああ可哀想に本当は違うんだよ。」

人の体をほぐし、魂を糸に変え、闇の布を織んでいるけなのに。

残酷? いやいや、フォレデイガはそれを“救い”と呼んだ。

普通はそうするはず。

肌は絹の糸に、血は深紅の染料に、骨は細やかな針に。


諸君、想像してみなさい。

とても綺麗ではないか..?

苦しんだものたちもこうなればいいのに。


なんでかって?違いがなく皆美しく高貴ではないか。


 潰える肉よりもはるか長く生きて方が素晴らしいはずだ。

壁に掛けられた布が、風もないのに揺れ、まるで生きて囁くかのようだ。

これが自然に見えないか?風に揺れる姿のどこが悪いと言う?

君の認識が合わないからか?



(俺はいやだ!苦しいんでたからいきてるだけでいいことになるとは絶対ない!今は気に入っているが!お前が気に入らない!殺す!)


「考えはともかく、君はそういきたいとはどうかね?それも君主観でほかを見ればもしかして。」


(殺す!殺す!殺す!殺す!)


「....」

さぁ、ある冷たい秋の夜、ビレドという少女が小屋の扉を叩いた。髪は枯れ葉の色、目は凍えた湖のよう寂しい。


 まぁ、あくまでは描写さ。



 そんな彼女は村で役立たずと呼ばれ、家族に捨てられた子。

そこで震える声で「助けて」と呟いた。フォレデイガはにっこり笑い、

炉のそばに招き入れた。

「ミラよ、怖がるな。ここは温かい。ほれ、薬草の茶を飲みなさい。僕が助けてあげよう。」

その茶は、心を柔らかくする魔法の匂いがした。

「村で何と言われた?」


フォレデイガは優しく尋ねた。ビレドは涙をこぼし、「使えない子、って。父も母も、誰も私を必要としなかった。」


フォレデイガはそっと手を握り、囁いた。

「そんなことはない。」


彼女は目を丸くした


次の晩、彼はビレドに古い鏡を渡した。

「自分を見てごらん。美しいかい? 村の『使えない』なんて嘘さ。お前の肌は月光より滑らか、血は夜の川より深い。」


 (そう言っては本当は心臓のあたりこじ開けられて殺されたとかだろう!お前のようなゲスの言葉はどうでもいい!)


「時間はもう十分!ハルドも逃げてくれた!」

 「そうさ君の仲間は」


「出会ったばっかのやつにそういうのは望んでいない!しねぇ!」


胸に鋭い衝撃が走った。

あたかも世界の軸が一瞬で裏返るような痛み。

胸の奥、心臓のはずの場所に、氷と炎が同時に突き立てられたような感覚。


「……っ、がはっ……!」


口から鉄の味が溢れ、視界が白と黒に断ち切られる。

突きか...エバンドルの冷たい指先が、自分の胸の奥に潜り込んでいる。

指先どころか、腕そのものが半ば溶け、黒い糸のように脈動しながら自分の血管へ入り込んでくる。


「はは……ようやく……お前の核に……触れたぞ……!その体もらった!」


その声は、勝利の絶叫というよりも、長年の渇望がようやく叶った老人の嗚咽に近かった。


だが、次の瞬間だった。


 胸を貫かれた感覚のはずが、逆に敵の腕が内側から弾け飛んだ。

血ではない、光と影の糸が逆流するように敵の身体へと還っていく。

まるで吸い込むのではなく、吐き出している。

エバンドルが眼を見開いた。


「な、なにを……これは……!!」


声が裏返る。

自分でも理解していないが、胸の奥から別の声が響いていた。

あの“中の声”が、今度は鮮明に、獣の咆哮のように。


(――渡すなと言ったろう、器。今度は“こちら”から奪う番だ。)


「う、わああああああ!!」


敵の指先から黒い糸が逆に引き抜かれ、エバンドルの体内へ戻ると同時に、敵の体表に無数の裂け目が走った。

その裂け目からは、血ではなく、無数の“顔”が覗いている。

過去に奪われた者たちの記憶か、魂か、それとも単なる幻影か。

その全てが、逆流しながら光の欠片となって空に散っていく。


「これは……私の神術が……逆流……?!形がない私が?」


「……っ、ふ、は……はは……!」


自分の口から漏れた笑いは、もう“自分”のものではなかった。

声が二重に響き、胸の奥の“もうひとり”が表層へ顔を出している感覚。


 「残念だったな、核が何かわからないが俺にはない。」



「そうか、そうか!貴様!やはり人ではない!貴様は龍か!ならば理屈も通じる...それだけだ!魂なき生き物に、精神世界を気付き上げては繋げる...お前もとんだ怪物に作られたものだ...」


 「は?」


「もういい、ここで殺す、お前の精神と肉体をつなげてしまったことを後悔したが、私の世界だ。いくらでも隔離はできる!その体はもういらない!」


 「なっ!」


「何..があった。」


「気づけないとはやはり魂がない生き物か...」


 「ん?何がいったい?」


「声だ声。もう聞こえないだろう。君は。」


「はっ!」


 「おそらく、おそらくだ、君は教団に出会ったことがあるようだね。」


「そうだ!どうだ恐れろ!お前の敵だろ俺が」


 「そうか、死んだんお前は、あの怪物は神術で防がない限り触るだけで死ぬ。お前の精神の一つが死んで繋がりが弱くなったんだろう。」


「は?俺は生きている」


 「性格が少し変わった気はしないか?」


「ん!?」


「そうだ、それでいい、もう私の神術に拘っている。これでなおさらではある。」


「死を認識しろ!」


 「死或生往還断無壊劫同空滅無相幻真如死生全如!」


「は!!!?」


トル=ヴァル=レグ=シグル

死と生との往還を断つ

ノグ=ガルム=ゼル=ウナ

劫壊は無く、空とひとしきものシグル=メト=ノグ=ムル

滅びもなく、相もなし

フェル=ドゥル=リス

幻にして真なる如し

トル=ヴァル=トラ=リス

死も生も全て如し





「いやこの声は!」


 「死の贈り物に聞かせてやろう!我が心音を!心鎖に届く、“境”目前の偉業を!」


心音、そうか..!俺の絶牙龍滅と同じこの、なぜかあたりに響くどこからかわからない唱える声は心音なのか!?


「ああああああ!」

考えられない!どうしてだ考えは進むけどどうしていいか全く頭が追いつかない!

これが絶牙龍滅を食らった気分なのか!!!?

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