表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

《彼に激しい嵐を》 《おじいさん》

《彼に激しい嵐を》


彼に果てない小道を

足音に秘めた悲喜を受け入れよう、あるいは忘れさせよう

彼に濃い木陰と鳥のさえずりを

青い着に落ちるように

彼に江に面した高閣を

過ぎ去った影が川の流れにのって絶え間なく流れるように

彼に眠れない夜を

自分自身と語り合えるように

彼に激しい嵐を

ぐらつきながら涙に濡れた瞬間を収めさせよう



《おじいさん》


毛筆はまるでもう一人のあなたで、

細やかな体に、白ひげの頭髪。

春の門聯も、葬式の門聯も、結婚の門聯も、招待状も書くあなたは、

近所の人々の形にならない祝福と悼みを定め、

会ったことのない人々のために招待と訪問をかたちにする。

春風も、細雨も、如意も、平安も書くあなたは、

清め、ならし、田字の格子に折った赤い紙の上で、

自分の運命を書く。

大雪が押し寄せる時、干からびたあなたの手は一本の枝のようだ。

もう書かない。あなたは墨によって次第に書き終わらされ、

白い色は黒い骨を持っている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ