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《故郷》 《サックスを吹く女性》

《故郷》

夜が深くなり、私だけと星だけが

眠れずに、窓は半開き

寒さを恐れる風が木の上を駆け巡り

叫びは別の風に追いやられ、過去のような遠方へ

信江しんこうは静かに、さらに遠く

あいまいな灯りの駅で

入線する列車が出発なのか帰途なのか、わからない

今夜のホームで、誰の涙が戻ってくるのか

誰が去る際に軽く手放したのか

川の祝福を

故郷は、一段のレールの上で遠く近くと


《サックスを吹く女性》

立ち尽くす葉片は、そらされた耳のよう

風は風を忘れ、雲は雲を止めた

陽光が江面を守り、楽譜は長い流れ水

音色の外で私は彼女を見ている

キーを叩く指から、青い精霊たちが飛び出す

ネイルアートを施したその主は、なじみのある面影

注釈や特別な説明がなければ

市場で値切りをした後、あわてて立ち去る背中は

双子の姉妹のようだ

これらすべてが、私をずっと考えさせる

彼女たちがサックスを愛するのは、まるでサックス自身のよう

多彩な生活を手にしたなら、自らを大きな音で奏でるのだろう

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