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《晩春、山の麓そば》 《名もなき島》

《晩春、山の麓そば》


春に属さない雨

重複を削ぎ取った後

ただ蒼白が残る

鈍い朝色の中

私は、待ち続けることを選ぶ

純潔が野花と川を白く染め上げる

夜の夢を想起する

しかし記憶の中には

来た道がない

日の出の前に誰が知るだろう

流れ水の中に

私の眼差しの倒影が



《名もなき島》


情報の海の時代、眼をやる先

すべて島だ。無名の、有名な、声を発さない島々

自分を投げ出す瞬間に同時に投げ出される

一つの島が最も貴重な存在、砂と石

海流は優しく島の隙間を埋める

それらが元の姿を失うまで

人々はじめて称賛する

最高の建築資材がこうして生まれる

しかし、家と島はもはや関連なく

島はもはや唯一の陸地ではない

送られた手紙が生命を育むこともなく

運び去れない島は、次の波の中で彷徨う

ほとんどの訪れる者は本当に島に足を踏み入れない

まるで天辺の別の惑星のように

衝突も出会いも確率に淪落し、ロマンスではなくなったなら

島の浮き沈みは秘密となる ——

私たちは海の天気を語り

明日どのような雨が降るかを推測する

しかし、島のことにもう好奇心を持たない

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