1・転生しました
暗い暗い洞窟の中で、一匹の小さな蛇が誕生した
それは、とても極小の確率で、この世界へと来た元人間である
本来は死んで、魂のみが次元の狭間に迷い込んでしまったら、『無』に中てられ消滅するのが普通だが、この魂は取り分け頑丈だった故に、消滅を逃れ、異世界で発生した一匹の魔物に憑依したのだ
まぁ、ここからが彼?彼女?蛇だから性別不明?の物語の始まりと言えるだろう
さて、読者の皆様方、存分にお楽しみくださいませ―――
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シューシューと音が聞こえる
何の音だ?耳元で聞こえるな
はぁ・・・眠いが起きるか・・・
(え・・・なんで暗いの?)
俺は目を開けたが、そこは見慣れた部屋の天井ではなく、真っ暗な部屋の中にいた
(どゆこと?寝てる間に誘拐された?俺ん家貧乏なのに?)
そう、俺の家は貧乏で、高校に行けてるのが不思議な程の貧乏なのだ
つまり、俺を誘拐した所で身代金は到底払えるわけがない
(現状が分かんないんだよなぁ~、俺を誘拐したって、さっきまで考えてた通り、身代金は払えないし・・・俺を誘拐した目的は?てか、本当に誘拐されたのか?普通は監視とかいるんじゃね?その割には縛られてもないし、自由に動けるぞ・・・?)
その時、俺はある違和感に気付いた
そもそもの自分の体の感覚がおかしいと―――
(ちょっと待って?俺って人間の形してなくね?さっきからずっと聞こえてる、シューシューって、音もなんか自分が発してる気がするんだが?この音って蛇の鳴き声じゃね?えっ・・・もしかして、俺って蛇になっちゃった・・・⁉)
えー・・・どういうこと?もしかして俺死んじゃった?でも死んだときの記憶ないしなぁ・・・
もしかして、これってあれか?異世界転生か?クラスメイトがなんかそんな話してた記憶があるけど・・・
えー、でもさ普通こういうのって神様が出てきて、「お主を転生させてやろう」って言われるんじゃないの?
俺ってどう死んだのかすら分からねぇだよな~、なんで転生したかも分からねぇし・・・
(こんな時ってどうすればいいんだ?貧乏だから、本買える余裕なかったし、こんな状況でどうすればいいんだ?確かクラスメイトの話だと、ステータス?ってのを確認すれば良かったよな?でも、ステータスってどう確認するんだ?ん~、ステータスオープン?)
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名前:なし 種族:ベビースネーク ランク:G⁻
Lv:1/5
HP:10/10 MP:10/10
攻撃:5 防御:5
特攻:5 特防:5
俊敏:5
【固有スキル】
《暴食》《無限収納》《案内人》
【通常スキル】
《毒牙:Lv.1》《毒尾:Lv.1》《突進:Lv.1》《威嚇:Lv.1》
【耐性スキル】
《精神攻撃無効:Lv.-》
【称号】
《憑依転生者》《次元の狭間を渡りし者》《大罪を司る者》
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(・・・これって強いのかな?基準が分からねぇから、判断できねぇぞ?)
俺は何も知らないから、どうすればいいのか戸惑っていた・・・
すると、どこからともなく声が聞こえてきたのだった―――
今回はこれで終わり