女盛り
「ようやく仕事が終わりか……」
エルヴィンは吐息を出した。
肩を揉み、椅子から立ち上がり、部屋の中央でストレッチをする。
やれやれだ。
ゲルマニア帝国を併呑した後、官僚機構を整備しよう。
そうすれば、俺の仕事も少しは減る。
黒髪紫瞳の少年王は、ストレッチを終えると呼び鈴を鳴らした。
銀で作られた古風な鈴を鳴らす。
エルフの侍女が部屋に入ってきた。
アルヴヘイム妖精国の女王の侍女の一人だ。
アストレア女王が、差配してくれたのだ。
「湯浴みをする」
「はい」
エルフの侍女は丁寧に頭を下げるとエルヴィンを浴室に案内した。
エルヴィンは、浴室でエルフの侍女達に身体を洗わせて、マッサージをしてもらった。
疲労した肉体がスッキリと回復する。
黒髪紫瞳の少年王が、寝室に入る。
すると、エルヴィンの寝室のベッドの上に、アストレア女王が寝そべっていた。
褐色の肌と、金桃色の髪と桃色の瞳をした美女は、エルヴィンに微笑を向けた。
「エルヴィン陛下、お待ちしていたのでございますよ」
「アストレア女王、なぜ貴女がここに?」
エルヴィンは女王の来訪の目的を分かっていたが、儀礼として問うた。
「いわなくても分かっているのでございましょう?」
アストレア女王は、官能的な肉体を見せつけるように動いた。
褐色の肌のエルフは、娼婦のような扇情的なネグリジェをまとっていた。
爆乳とも言えるスイカのような胸。
細い腰。
美しい太もも、足首。
匂うような成熟した肉体が、エルヴィンの紫瞳に映り込む。
アストレア女王は、外見年齢が28歳ほど。
女盛りの熟女の肉体は蠱惑的な魅力を発散していた。
(良い身体だ)
とエルヴィンは感歎した。
ソフィアや、宰相セシリアのような若い肉体の女性にはない大人の肉体の魅力である。