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一騎打ち

 エルヴィンは、皇帝ヴィルヘルムめがけて白馬を走らせた。


 そして、大剣を引き抜く。


「皇帝ヴィルヘルム! 一騎打ちをせよ! せめてもの情けだ。焼き殺さずに剣で斬り殺してやる」


 エルヴィンが、叫ぶ。


 同時にエルヴィンは炎の巨人の召喚魔法を解除した。


 炎の巨人が消え去る。


「おのれ!」


 皇帝ヴィルヘルムは戦車から飛び降りた。


 そして、大剣を抜き放ち、徒歩でエルヴィンに立ち向かう。


 この後において逃げない勇気は称賛に値した。


 エルヴィンは馬を走らせ、皇帝ヴィルヘルムめがけて大剣を打ち下ろした。


 剣閃が煌めいた。


 エルヴィンの大剣が、皇帝ヴィルヘルムの頭部を脳天から打ち砕いた。 皇帝ヴィルヘルムは頭蓋骨を割られ、脳漿と血を撒き散らした。


 ゲルマニア帝国の皇帝は絶命し、そのまま地面に前のめりに倒れた。



 



エルヴィンは逃亡するゲルマニア帝国兵をあえて追撃しなかった。


 もう既に戦意は喪失している。


 彼らには、逃げた後で、派手に戦場での恐怖を宣伝してもらう必要がある。


 敗残兵である彼らが、


「ゲルマニア帝国の機械化師団が、エルヴィン一人によって壊滅させられた」


 という事実を喧伝すれば、それは後々、役に立つ。


 エルヴィンは大剣を鞘に収めると、自軍の陣地に戻った。


 黒髪紫瞳の少年王が、山頂にいる自軍の前に戻る。


 親衛隊長官ルイズ、宮廷警護隊総帥ソフィア、近衛騎士団団長グレーテル、そして、アストレア女王が、地面に跪いてエルヴィンを迎えた。


 ヴァリス王国兵とアルヴヘイム妖精国兵も、全兵士が地面に片膝をついて拝跪してエルヴィンに最上級の敬意を示す。


 エルヴィンの人知を超える神の如き強さに驚嘆したのだ。


 もはや、人間を超越した存在としか思えない。


ルイズ、ソフィア、グレーテル、アストレア女王、そして3万の兵士がエルヴィンを神の如く崇めたまま跪いて頭を垂れている。


エルヴィンは彼女達の尊崇を白馬に騎乗したまま、当然のように受け入れた。


 そこには世界征服の野望を持つ覇王に相応しい威厳があった。


「ルイズ、ソフィア、グレーテル」


エルヴィンが、美しい臣下たちを呼ぶ。


「「はっ」」

「ゲルマニア帝国の負傷兵を治療せよ。捕虜を虐待してはならぬ」


 エルヴィンが告げると、ルイズたちは命令通りに動き出した。


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