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炎の巨人

 エルヴィンは白馬で戦場を駆けた。


 ゲルマニア帝国の機械化師団の真ん中を突っ切る。


 焼け焦げた戦車と死体の間を、疾風のようにエルヴィンは馬でかける。


 ゲルマニア帝国の機械化師団は、パニックを起こした。


 刹那の間に、6割の戦車と兵士が絶命したのだ。


 指揮系統が混乱し、恐怖で兵士達の闘争心が消滅していく。


 ゲルマニアの機械化師団に一人で馬を走らせるエルヴィンを誰も攻撃しようとしない。


 狼狽し過ぎて、攻撃する事など誰も考えられないのだ。


 エルヴィンは無詠唱で、


【炎の巨人】


 の召喚魔法を発動した。


 巨大な【炎の巨人】が顕現する。


 炎の巨人は、体長30メートルを超えている。


 ゲルマニア帝国兵から、恐怖の声が漏れた。


 炎の巨人は、煉獄の炎をまとい、雄叫びをあげた。


 そして、ゲルマニア帝国の機械化師団に向かって突き進む。


 炎の巨人が、肉体から煉獄の炎を火炎放射器のように発射した。


 地獄の業火が、ゲルマニア帝国の機械化師団を襲う。


 一瞬で戦車も歩兵も焼き尽くされる。


 戦車の中にいる搭乗員も、例外なく熱波と火炎で焼き殺された。


「ぎゃああああ!」

「熱い! 助けてくれ!」


 炎の巨人が放つ、熱波と煉獄の炎に焼かれた人間が悲鳴を上げる。


 次々に戦車の鉄が溶けて融解し、爆発していく。


 爆発光と火炎が、ゲルマニア帝国の機械化師団を覆い尽くす。 


 ゲルマニア帝国兵は、為す術もく焼き殺されていく。


 時折、兵士がパニックになり、戦車砲を撃つが、見当違いの方向に飛んで行く。


 戦場は既に火炎地獄となり、一方的にゲルマニア帝国兵が虐殺されるだけの処刑場と化した。


 ゲルマニア帝国兵の士気が崩壊した。


 ゲルマニア帝国兵は我先にと逃げ出した。


 戦車が、炎の巨人から逃れる為に皇帝ヴィルヘルムを置いて遁走し出す。


「に、逃げるな! 貴様ら、皇帝たる俺をおいて逃げるつもりか!」


 皇帝ヴィルヘルムが、叫び狂った。


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