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鎮圧

 エルヴィンは、反乱軍に関わった貴族を全員処刑した。


 そして、財産と土地、全ての権益を没収した。


 貴族階級以下の反乱軍の兵士達は不問に付した。


 だが、略奪を行った兵士達は、その後、裁判にかけられて刑に服した。 北部の反乱は鎮圧された。


 エルヴィンは王都に帰還した。


 五日後に、東の反乱、七日後に、西の反乱も鎮圧された。


 これによって、反乱軍は掃滅された。


 同時にエルヴィンは、貴族の土地と権力を大幅に削減する命令を出した。


 エルヴィンに逆らう貴族はおらず、ヴァリス王国は全土が国王たるエルヴィンの直轄地となった。


 同時に、エルヴィンの奴隷解放宣言に違反した商人と、不正を犯した役人が一斉に摘発され、処刑ないし、投獄された。

 

  

 



 十三日後。


 王都。


 エルヴィンは、玉座の間に座っていた。


 そして、階下には国内の貴族全員が、整列していた。


 全員が、正装して国王たるエルヴィンに最上の儀礼で答える。


 エルヴィンに先祖伝来の土地と領民を完全に譲渡する為の儀式である。


 これ以後、国内の貴族達は、領国の支配者ではなく、名誉的な地位をもつ官僚となる。


 すなわちエルヴィンの絶対王政の確立であり、ヴァリス王国の近代化への移行である。


「お、お母様、質問、しても……良い?」


 ソフィアが、小声でルイズに尋ねる。


「なんですの?」

「し、式典、をわざわざやる必要が、ある……の?」

「式典や儀礼は重要ですのよ。これをする事により、人間の意識を変革させるのです。目に見える形にしないと人間の群れは納得しないのです」


 ルイズが答えた。


 ルイズとソフィアの会話はエルヴィンにも聞こえていた。


(その通り)


 とエルヴィンも胸中で答える。


 こうして儀式にする事により、貴族と国民にヴァリス王国の変革を自覚させ、認識させるのだ。

 



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