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メイドの開戦
話数短くしました。
ユウ達が屋敷を後にし、一人何をしようかと考えながら庭をぶらつく命。しかしそんな思考は次いだ警報音に掻き消された。音の鳴る先である門に駆け寄るとそこには人影が一つ。命がその存在に気づくと人影は大袈裟に腕を広げ、叫ぶ。
「俺の名は本宮 龍斗、‘教会’の幹部である。この屋敷の主人とその執事に会いにきた!」
そう言った龍斗は真っ直ぐ命を見つめる。龍斗は眼鏡をかけており髪は男性にしては長く、手入れをしていないようで軽く荒れていた。命はすぐさま戦闘態勢をとり、
「主人も上司も生憎、今は別の仕事で出払っておりますので、一度お引き取りください」
「そうか、なら君にあいてをしてもらおうか。」
龍斗は顔から笑みを消し、静かに腰の剣を抜き、強く握る。そして龍斗は命へと走り始めた。手慣れた動きで命は手袋をはめる。そして手袋をはめ終え、手首を横に振るうと、直後、龍斗の頬が浅く切れる。その瞬間、龍斗の目に映ったのは微かな光のみであった。