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執事の予想

これ以前の話しを再度確認、修正しておりますので、よろしければご覧ください。

 取り乱す明希葉にユウはゆっくりと語り出した。


「これはあくまで私の推理に過ぎないのですが、おそらく貴方が見た人形はこの人の協力者のものだと思います。しかし、もう一つ、極めて低いですが、可能性があります。それは、この人が複数の能力を所持しているということです」


「複数の能力?そんな事が可能なの?」


「ええ、まあ、理論上は、というかもはや都市伝説レベルの話ではありますが。ただ、この人は私との戦闘中にあの植物の能力しか使用していなかったんです。それも加味すると可能性は低いですが」


そこまで話して、ユウは背後から迫る気配に、風の性質を付与した短刀を作り、それを下から上に振るいながら振り返る。何かを弾く感覚。


「糸?」


真っ直ぐ、窓からユウ目掛けて伸びる糸。糸は、向かいのビルから伸びている。気付いた瞬間、左手で掴んでいた少女の手首を離し、頚椎に手刀を打ち込み気絶させ、雷の性質を持たせた弓を具現、糸に沿って矢を放つ。二発、三発と、間髪入れずに放たれる矢は、本物のいかづち同様、目にも止まらぬ速度で轟音と共にビルに飛来する。しかし、そのことごとくが、糸の先、それを出す者に触れる事なく消えていく。正確には何かにぶつかり矢としての効力を失っている。それは、空き缶。それは、鉄板。それは、廃材。そこらにあったであろう物がまるで意志を持ったかの様に飛び回り、矢を防ぐ。七発目を放った瞬間、背後から明希葉になを呼ばれ振り返り、驚愕する。先程気絶させた少女がナイフを手にしているのだ。そして、ユウが駆け出すよりも早く、少女が自らの首をそのナイフで掻き切る。


「えっ?」


あまりに間抜けな声が明希葉の口から漏れる。既に駆け出していたユウは、少女の首に手を当て、陽の性質を自分の手に付与し、少女の傷を塞いでいく。その間もユウの思考は止まらない。何故、気絶させた直後にこの子は動けた?先程の糸は一体、それより何故自分の首を、そこまで考えて気付く。あの糸はどんなモノも無条件で自分の支配下に置く、そんな能力なら?そして、気付く。これは、揺動だと。しかしユウは焦らず、安堵する。ならば、大丈夫だと。


「相手の目的は分かりました。一緒に行きましょう」


そう言うと、ユウは答えを待たず、犯人と明希葉を脇に抱え向かいのビルへと飛び移りそのまま身体を目的地に向ける。目的地は月神 舞、彼女の通う高校だ。

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