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小学校編‐差別はいけないというけれど?‐

岐阜の片田舎のごく普通の家庭に生まれたごく普通の少年。それが私でした。


成績は特に良くも悪くもなく、運動も飛び抜けて得意というわけでもない。容姿がイケてるわけでもなく、世間でいう陽キャラに属しているわけでもなかった。ごくごく普通の少年。それが私です。

しかしそんな私に一つだけ、他人とは違う特徴がありました。


チック症という神経発達症を抱えていたんです。


始まりは、小学1年の頃。あの時すでに、私の体にチックの症状が現れ始めていました。

ところで、チック症について皆さんはどれだけの知識をお持ちでしょうか?


チック症は発達障害の内の一つに含まれるもので、6~7歳の男児によくみられることが多い神経発達症です。症状は運動チックと音声チックに分かれていて、1年か2年ほどで症状が治まるパターンが多いんですけど、稀に大人になっても症状を引きずることもあるんです。このように、チック症が慢性化、重症化した場合はトゥレット症候群という呼び方をします。


細かい症状については、こうと決まっているわけではなく人によってバラバラであり、しっかりした治療法は確立していません。

原因は、以前は「親のしつけの仕方が悪い」とか「本人の心が弱いせいだ」などと言われていたんですが、決してそうではなく、現在はドーパミン系やセロトニン系といった神経伝達物質に何らかの異常があるからではないかと言われています。


詳しいことは、ネット上にいくらでも情報は転がっているんで、興味が湧いた方はぜひ調べてほしいです!


とにかく前述のとおり、小学校低学年の時点で、私の体に運動チックと音声チックの症状が現れ始めていました。


もちろん、親や学校の先生、同じ学年の友人たちがすぐにそれが「チック症」だと気づくはずもなく、病院で実際にチック症と診断されるまでの間は、私にとって地獄のような日々が続きました。


学校の友人たちからは、病気のことを笑われたり白い目で見られたりしていたかもしれません。あまりしっかりした記憶がないので何とも言えないのですが⋯⋯。親からも「うるさい!」「その変なクセをやめなさい」といったことを何度も言われました。

小学校高学年の頃になると、親にカウンセリングを受けるためにどこかの病院らしきところに連れていかれました。父はきっと、私のこのチックの症状がなかなか治らないのは、私の心に何かしらの異常を抱えているからではないかとでも考えたのでしょう。それか、異常がなくてもその可能性が少しでもあるなら、カウンセリングを私が受けることで状況が改善するのではと思ったのかもしれません。


しかし私は、自分の心には何の異常もないと、確信をもって言うことができました。ですが、たとえ父にそう訴えてもきっと聞く耳を持たないだろうとも考えていました。


そうこうしているうちに、私と親との間には確執といっても大げさではないほどの大きな溝ができ始めていたのです。


〈ここで少し話が変わりますが〉


日本国内には障害を持っている方が、全体の7.3%いらっしゃると言われています。障害とは、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害の4つに分けたもののことを指しています。精神障害の方は増加の一途を辿っていて、隠れた精神障害とされる人たちを加えると、全体の障害者の数は10%を超えると言われています。

そして発達障害に関しては、正確な数は把握できていないです。


今後は高齢化やコロナ禍による自粛生活、ストレス社会、対人関係の疎遠化、人々の心と身体にもたらすストレスの度合いが年々増す一方の今の世界において、障害を持つ人間は増えていくのではないかと私は思います。


その一方で、SNSの発達や交通網の発達で国境が消えていく昨今において、健常者とされる人たちは今後ますます、障害を抱える人たちや難病と日々闘っている人たち、またはLGBTといったマイノリティとされる人たちと関わる機会が増えていくと私は考えています。


そんな社会情勢において、健常者とされる人たちの障害や難病に対する知識の低さは今後致命的になっていきます。

知識とは決して医学的、専門的な知識のことを指すのではなく、彼らのような立場、境遇の人間がいるという事実を知っているだけでも、知らない人間、知ろうとしない人間に比べれば価値観や世界観は格段に広がると思います。


今世の中に広がっている差別や偏見、そして恐怖という感情は、分からないが故に起こる感情です。

相手のことを十分に知らないから、差別や偏見という名の誤解が生まれてしまうんです。


私のチック症についても同様のことが言えます。チックのおかげで、今まで何度も周囲から差別的な目で見られてきました。例えば、電車に乗っているときや学校にいるとき、映画館にいるときや床屋に行ったときなど。私の被害妄想に過ぎないと言えばそれで終わりですが、実際に世間では、障害の有無や性に対する価値観の違いで様々な問題が起きているのも事実です。


そんな人類の欠点を私は放っておくことができません。


皆さん、障害についてもっと知りましょう!差別や偏見を無くしましょう!



〈⋯⋯と言いたいところですが〉


世界中で今唱えられている「ポリティカルコレクトネス」。

差別はいけないというこの思想は、本当に正しいのでしょうか?


ポリティカルコレクトネスを推し進める一方で、一部の国や地域では、本来「差別はいけない」と言うべきマイノリティ側の人たちによって、「ポリコレ反対」と叫ばれているという現象が起きているんです。

彼らは、一般の人々が抱える問題や生活レベルの改善を無視した、度が過ぎたリベラル的政策に対して抗議の声を上げているんです。


大切なのは、人々の良心を利用して、争いを煽っている勢力がいるということです。


私たちはその勢力の思惑に惑わされず、マジョリティ・マイノリティ問わず、相手に自分の価値観や思想を押し付けないことが大切だと私は思います。


長々とお読みいただき、ありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。

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