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現代兵器で無双します!  作者: 狼噛 ウルフ
第二章 王都貴族学園編 1年生
39/44

第37話 親友と共に

「嘘・・・」


「これでも、やりきれないのか…」


「今のは流石のお姉さんも危なかったわぁ」


 サキュバスも無傷では無かったが、それでもまだ立っていた。

 左腕の爪が砕け、腕自体もズタズタになっている。

 カナデの剣が当たる寸前に爪を割り込ませ、軌道を逸らすことで致命傷を避けたのだ。


 全身全霊を込めても届かない。

 それ故に相手は強者だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 バンッ!バンッ!


 レイとメリアも未だに戦闘を続けていた。


「【道具創造】【ハイドミラージュ】【サイコキネシス】!!!」


 本来詠唱の必要のないそれを叫びながら無我夢中に魔法を、スキルを発動させる。

 同時に現れる銃や剣が一瞬で消え、不可視の手によって振り回される。

 それはまさしく不可視の嵐だ。


「すごいすごい! でも私を堕とすには足りないわ」


 その不可視の嵐をさも見えているかのように一つ一つ対処される。

 飛来した剣を、斧を爪で弾き落とし、隙間を縫うようにして絶妙なタイミングで飛来した氷の槍を、弾丸を体をひねることで回避した。


「クソ…」


「ごめん、レイ」


「いや、しょうがない」


 お互いに魔力の消耗も激しくなってきた。

 このままじゃジリ貧だ、何か…何かないか…


「今度は何を見せてくれるの?」


 そう言いながら飛び込んでくるサキュバスの攻撃をメリアが障壁を貼り、レイがタワーシールドで受け止めることでなんとか凌ぐ。


 アレを使うか…?

 いや、しかし…


 道具創造の力で戦車を呼び出せば威力も防御力も得られるかもしれない。

 ただ、小回りが効かないから警戒されれば動きの遅い戦車ではまず追いつけないし、破壊されない保証も無かった。


 今一番俺達の脅威になってるのは相当の硬さを誇る爪だ。

 爪と言っても、肘から先が膨張し、膨張した部分全てが同じように硬さを誇っている。

 さらに身体能力や動体視力も相当高いのが伺え、その防御と攻撃を両立する爪さえ崩せれば勝機はあるかもしれない。


「レイ」


「…?」


 そう考えているとメリアに声をかけられる。


「時間稼ぎをお願いしてもいいかな」


「……わかった」


 短く、そう返した。

 何かをする気なのはわかるが、何をする気なのかはわからない。

 でも、この状況を変えるかもしれない何かなのは、その顔を見たらわかる。


 そのために引き受けた仕事はこなそう。


「はぁ!」


 銃を、剣を、C4を次々に取り出し、多方面から攻撃を仕掛ける。


 一気に飛び込みながら銃を撃つが簡単に弾かれた。

 銃を捨て、剣を握る。

 全力で振り降ろすが爪に阻まれる。

 その瞬間剣を手放し銃を持ち相手の腹目掛けて連射する。


 バンバンバンバン!!!


 鮮血が舞い、返り血がレイの頬を紅く染めた。


 瞬間、振るわれた爪によりレイは血を振りまきながら弧を描いて吹き飛ぶ。


 その間、魔力を込め集中していたメリアの作戦を阻止するためにサキュバスは飛び込もうとする。

 しかし、寸前で仕掛けられていたC4による爆発に妨害され、爆炎を振り払い再度飛び込もうとしたところを今度は大口径の弾丸が再度足を食い千切った。


「行かせない! お前の相手は俺だ!」


 叫びながら跳躍、相手に回復の時間を与えないよう、メリアには手を出させないよう連続して攻撃を仕掛けつつ、相手の攻撃を最小限の被害に抑える。

 そのせいで生々しく痛々しい傷がそこかしこに生まれるが、その痛みに耐えメリアの信頼に応える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 レイが決死の時間稼ぎを遂行する中、メリアもまた全幅の信頼をレイに預け魔力を高め、魔法の発動を準備していた。


 メリアは幼い頃から魔法の才覚を表していた。

 言い方を変えると想像力がとても豊かだったと言える。

 その上で親が戦闘経験豊富な元ハンター、講師に王国随一の魔法使いが就いたこともありその才能は12歳にして全属性を扱うことができるほどだった。

 しかし、あるとき謎の少女と出会った。

 その少女は彼女と同じように全属性を扱うことができるという。

 それなのに、騎士の報告に魔法を使ったというものはなく、変わりに見たことのない武器を使っていたという。

 興味が湧き、仲良くなりたいと純粋に思った。

 そんな日に誘拐にあった。

 手当たり次第に魔法を使ったのに全く歯がたたず、魔力を使いすぎて意識を失った。

 そこからの記憶は朧げだが、会ったばかりの少女…レイが助けてくれたということがわかった。

 それからは一緒にハンターをしてくれた。

 レイはその銃と言う武器だけじゃなく、剣も、魔法も人並み以上に使える。

 魔法に関してはすぐに自分なりの魔法を編み出すし、どれも有用なものばかりだ。

 一緒に稽古をしたら私も魔法の扱いはレイにも負けないくらいになったけど、それでもレイは強い。

 今も私のために必死に時間を稼いでくれてる。

 そんなレイの隣にいたいから、驚かせたくて私ももっと強くなろうって思える。


 そうして、新しく考えたとっておきの魔法を全力で放つ準備をする。


 本当は、最初にレイに使って稽古で勝とうと思ってたんだけどな。


「レイ! 行くよ!」


 そう、親友にむけて叫んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「レイ! 行くよ!」


 そう聞こえた瞬間次に行動を移す。

 剣を一閃、受け止められる。

 その瞬間剣を手放して銃を構える。


 サキュバスは二度も同じ手にかかるかともう片方の手を射線に被せた。


「【テレポート】」


 その瞬間を狙ったフェイント。

 ついさっき同じ手でやられたからこそサキュバスは引っかかる。

 銃を出したとき同時に出現させた、()()()()()()()()()()()()()()()()()()が炸裂する。


 そして最後にダメ押しのヘカート。

 聴覚と視覚を使えなくなったサキュバスの右肩に大口径の弾丸が突き刺さる。

 それだけで右腕は簡単に千切れ飛んでいく。


 最大限以上の仕事はこなした。

 あとは親友に任せよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 レイがサキュバスの右腕を吹き飛ばしたのを確認したメリアは叫んだ。


「【エレクトロブラスター】!!!!」


 閃光。

 辺り一帯を白く染めた雷光がサキュバスに飛来し、その身体を轟音と共に破壊する。


 その余波は辺りの瓦礫を簡単に吹き飛ばし、レイも、発動者であるメリアもそれに巻き込まれた。


 少しして、レイはなんとか起き上がり辺りを見回す。


 動かす腕が痛い、多分肩が外れてる。

 右腕をだらりと垂らし、肩を抑えながら歩く。


 サキュバスのいた辺りを見ればそこにはあちこちが黒焦げになり、絶命したサキュバスの遺体が倒れていた。

 サキュバスは悲鳴を叫ぶ間もなく倒されたのだ。


 それを確認するとまた少し歩く。

 瓦礫の中からメリアを見つける。

 後に引きずりそうな怪我も無さそうだった。


「サキュバスは倒せた…?」


「うん、バッチリ」


「レイは大丈夫…?」


「大丈……夫…」


 そう言いながら倒れ込む。


「レ、レイ!?」


「駄目だ…頭がふらふらする」


 多分血が足りてない。

 メリアがなんとか起き上がってこっちによってくるが寸前で倒れ、レイの横に寝る形になった。


「ごめん…これ以上動けないや。

 魔力が無くなっちゃった」


「あとは任せて休もうか」


「そうだね…カナデたちは大丈夫かな」


「大丈夫、二人ならきっと勝てるよ」


「そうだね、私達の仲間だもん」


「さっきの魔法すごかった」


「あーあ…最初はレイに向けて撃ちたかったのになー」


「さ、流石に死んじゃうよ?」


「そーかな?」


 場に似合わず軽く談笑する。

 まだ辺りで戦いは続いているが、もう二人は動けない。


「それじゃあ、おやすみなさい」


「うん、おやすみ」


 二人はそこで意識を失った。

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