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炎の記憶、あるいは渇望

初めて魔法を使った日のことをよく覚えている。

キラキラと金色の魔力の粉が舞い、赤い火がぽつりと空中に浮いていた。

その火は、とても小さくて、弱々しくてすぐに消えてしまったけれども目に焼き付いて離れなかった。


ただ、それだけだった。


それからは、毎日その火のことだけを考えた。

どうやったらもっと長く出せるのか考え、本を読み漁る日もあれば、倒れるまで魔力を出し続けた日もあった。


このままじゃまともに魔法がつかえないと体力もつけた。

だから、嫌いなトマトだって頑張って食べた。

そんな日を何日も、何年も続けた先に魔法は精度をましその火は、大きく煌めく炎と呼べるほどのものになった。


ただ、大きな火を見たかった。

そうしたら、こっちを向いてくれるはずだと、信じていた。


ほんとうに、

ほんとうに、()()それだけだったんだ。



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