表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢みる令嬢の悪あがき  作者: 夕鈴
14歳編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/174

第四十五話 再会後

なぜか殺されかけた私はニコラスと再会しました。

私はニコラスに馬に乗せてもらって家に帰ってきました。

ニコラスもライリー・グラ侯爵令嬢とブラッド・スペ公爵令息の結婚式に参列していたそうです。全然気づきませんでした。

久々に姿をみせたニコラスはご友人に捕まって帰る途中でディーンを見つけたそうです。

ニコラスはディーンより強いんでしょうか。


お母様が笑顔でニコラスを迎えました。昔からお母様はニコラスがお気に入りです。


「ニコラス、帰ったのね。また明日から来るの?」

「はい。レトラ侯爵夫人。またお世話になります」

「貴方の部屋も作ったからいつでも泊まりなさい。今日は泊まる?」


なぜかお姉様の部屋と一緒にニコラスの部屋もお母様が用意しました。

お兄様がいらないというのにお母様は聞きませんでした。お母様はうちで一番強いんです。


「いえ、今日は帰ります。」

「そう?残念ね。もしあれを見るなら心してみなさい。」

「はい?」

「色んな意味で衝撃的だから。」


お母様とニコラスの会話の意味がわかりません。


「リリア、また明日」

「うん、おやすみなさい」


お母様が私を残念そうに見ているのはなんででしょうか。

私を襲った賊はディーンが詰め所に突き出してくれたそうです。ディーンに任せれば問題ありません。


翌日、目の下にクマをつくったニコラスが来ました。


「レトラ侯爵夫人、俺、今日からここでお世話になってもいいですか」

「見たのね?」

「はい。リリアの護衛は俺がやります。ほかの奴には任せられません」

「イラ侯爵夫妻は?」

「快く。リリアを守れと」

「いいわ。いずれ婿にくるんだもの。」

「よろしくお願いします」


お母様とニコラスのお話の意味がよくわかりません。

お母様は本当にニコラスを気に入っていますよね・・。私よりもニコラスが気に入られてる気がするのは気のせいだと思いたいです。


「リリア、これからは外出は全部俺が付き合うよ」

「市も?」

「ああ。荷物持ってやる。昨日みたいことがあれば危ないから」

「ディーンがいます」

「ディーンは父上と訓練するから当分休み」


ディーンのほうが動きやすいんだけど。でもこの真剣な顔をしたニコラスは譲ってくれません。頑固ですから。きっと飽きたらいなくなるでしょう。


「わかりました。そうだ、ニコラス、セノンです。飼っていいって。可愛いでしょ?」


セノンをニコラスの目線まで持ち上げます。ニコラスに相談したいことがありました。


「これがセノンか・・」

「うん。ヤギのミルクはお気にめさないの。ただ牛のミルクは手に入らなくて。でもセノンはプリンは食べるの。シロもプリン食べますか?」

「シロは生の野菜や果物だよ」

「セノンはまだ小さいから固い物は難しい。ゼリーは駄目でした。でもプリンだけだと栄養が心配。犬って育てたことがないからわかりません」

「かわいいな。一緒に育ててやるから安心しろ」

「ありがとうございます。セノン、ニコラスは動物を育てるの得意だから安心してね」


セノンを見たニコラスの顔が崩れました。私のセノンはニコラスもメロメロにしますのね。すごいですわ。


「義母様、リリアは無自覚なんですね」

「ええ。残念ながら。ニコラスに申しわけないわ」

「ニコラスの視線がセノンではなくリリアなのに」

「あの子、鈍いのよ」

「リリアはセノンを本当に仔犬と思い込んでますね」

「ニコラスに任せれば大丈夫よ。あの子、リリアに振り回されてるけど、その気になれば操縦できるから」

「毛も落ちない、トイレにもいかない、不思議なことばかりなのに全く気付かないんですね。余計なことを言えば病気と心配しますよね」

「ええ。時々思い込みが激しいから。ニコラスの好意も洗脳とか。手のかかる妹と弟でごめんなさい」

「見ていて楽しいのでかまいません。ノエル様があの仲の良さに妬いてるんですね。邪魔させないように気をつけます」

「貴方が嫁いでくれて助かるわ。うちの男はリリアに甘いのよ。うちの男は見せなくていいって言うんだけどどう思う?」

「隣国のクレア達の結婚式の招待状ですか・・」

「リリアは行きたいって言うと思うのよ。ただセノンも是非って」

「思惑がありそうと」

「ええ。あとでニコラスをも呼んで相談しましょう。まだ先の話ですもの」


お母様とお姉様はなにか大事な話をしているみたいです。視線を感じるのは気のせいでしょうか・・。

目の下にクマをつくっているニコラスに治癒魔法をかけます。


「ニコラス、しっかり休まないと駄目ですよ」

「眠れなくて」

「セノンを貸してあげましょうか?」

「それより、リリアの膝を貸してよ」

「セノンと一緒にお話をしてあげます」


右腕を捕まれますが、なんですか?

なんでそんなに真剣な目で見るんですか。


「ニコラス?」


右腕の袖をあげて、私の腕を見てもなにもおこりません。


「ニコラス、どうしました?」

「悪い。腕、痛くないか?」

「ニコラス?痛くありませんよ。どうしました?」

「助けてやれなくてごめんな」

「具合悪いんですか?人の腕を睨むのやめてください、聞こえてます?セノン、ニコラスのところにいってあげて。ここはセノンの出番ですよ。そんな興味なさそうな顔しないでください。ニコラス、どうしたの?イラ侯爵夫妻に一緒に謝ってあげるから、そんなに落ち込まないでください」


ニコラスの頬に手を当てて精神異常の魔法をかけますかね。


「リリア、魔法はいらない。」


戻ってきましたね。


「授業が終わったらイラ侯爵夫妻に一緒に謝ってあげます」

「怒られてないから。リリアに余力があったら魔法を見てやるよ」

「私、治癒魔法が上手くなりました。解毒魔法は上級まで詠唱無しでいけますわ」

「結界をもう少し極めようか。」

「頑張りますわ」


授業が終わってニコラスに新しい結界魔法を教わりました。この結界は攻撃を跳ね返せるそうです。

ただ維持が難しいので当分練習が必要です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ