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夢みる令嬢の悪あがき  作者: 夕鈴
10歳編

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第二十話後編 お騒がせ貴族

エクリ公爵令嬢の突然の訪問の翌日、お父様と朝食をすませ訪問着を着て、出かけようとすると駄目でした。

この国は先触れという習慣がありませんの…。

目の前にいる人物に泣きたくなりました。


「レトラ嬢、クレアに何を言った!?」

「ごきげんよう。第二王子殿下」

「友達を作ると元気よく出ていったのに部屋でふさぎこんでるんだか、説明してくれないか」

「私、そんなこと存じません。お友達になりたいなど言われてません」

「わかるだろ!?」


わかりませんよ。お友達は自国の令嬢から探してください。

どうして第二王子殿下に文句を言われないといけませんの。


「公爵に私と過ごせば勉強はお休みと言われたとおっしゃられてましたが」

「察してやれ」

「子供に求めないでくださいませ。令嬢として対応しましたら拒まれました。私には高度すぎてお相手できません。力不足で申し訳ありません」

「クレアとどんな話を」

「令嬢同士のお話を殿方に話すのはよくありませんわ」

「命令だ」


この王子・・。私は貴方の民じゃありません。従う道理はありませんが、他国の王子の命令に逆らうのは厄介です。上位の方の命令は絶対なのですけど。


「婚約破棄の相談を受けましたが、お断りしましたわ」

「やっぱりか。なにが嫌なのか」


この話に付き合うことも命令なんでしょうか?


「一番になりたいそうですよ。」

「一番、まだそんなことを」

「もうよろしいでしょう?」

「知りたくないのか?」

「はい。全く興味ありません。私、失礼してもよろしいでしょうか」

「何か予定があったのか」


この訪問着を見て察してください。


「はい。」

「クレアの友達にならないか?」


この方も私の言葉を聞こえないんですね。

予定があるから解放してって遠回しにずっと言ってますのに。なんで予定の確認したんでしょう。解放したくれないなら聞かなければいいのに。


「友達は頼まれてなるものではありません。私に頼まなくてもふさわしい令嬢がいるでしょう」


公爵令嬢なんて取り巻きがいくらでも寄ってきますよ。しかも第二王子殿下の婚約者。後ろ盾はばっちりです。


「合わないみたいなんだよ。」


子供に求めないでほしい。

合わないって。


「私には余計に難しいです」

「取引をしないか」

「取引ですか?」

「レトラ嬢がクレアと友達になって俺達の仲を取り持つなら願いを叶えてやる」

「願いですか?」

「ああ。俺にできる範囲だが」

「本気ですか?」

「望むなら誓約書も書くよ。」


必死・・。この婚約に第二王子殿下は乗り気なんですわね。

第二王子殿下の後ろ盾は悪くはない。でもこの国への不安は拭えません。亡命の候補先はたくさんあるほうが便利ですよね。


「私、将来、亡命先がほしいんです。亡命したら、私とお友達を受け入れて後見についてくださいますか?」

「は?」

「本気です。もしもの保険です。罪を犯すことはありません。人数は何人になるかわかりません。お金は自分でなんとかしますので、」

「亡命するなら、受け入れるが、そんなことでいいのか?」


殿下にとってはそんなことなんですね…。


「はい。そしたら、取引に応じましょう。殿下は口説き文句でも考えてくださいませ。殿下が一番をあげればまるくおさまります。必ず口説き文句に一番をいれてください」

「口説く!?」

「当然です。婚約者の心を手に入れたいなら努力してください。そしてエクリ公爵令嬢の情報をください。」

「クレアは、いくつになっても無邪気なんだ。令嬢の仮面もかぶらず、お世辞も言わない。いつも素で誰とでも」


本気?それ良いところのように話してますが、欠点ですよ。


「殿下、それ貴族の令嬢として失格では?」

「いいんだよ。兄上や父上は忠実な第二王子夫妻を望んでいる。兄上の地位を揺るすことがないように。王家に忠実で扱いやすい」

「将来、社交は望まないんですか?」

「最低限でいい。あとは家で好きに過ごしてくれれば」


公爵家の教育が生ぬるいはずがない。でもクレア公爵令嬢が貴族令嬢としてらしくないのは・・。


「最初からお飾りの第二王子殿下の妃候補」

「察しがいいな。」

「うちの国に亡命しますか?」

「は?いや、許されない。兄上の治世に邪魔になると判断されれば殺される」


この国の王家の内情は調べてないからわかりません。ただ第二王子殿下はそんなに力がない?

後ろ盾としていまいちですわ。でもないよりマシ。話を聞く限り、私はエクリ公爵令嬢とお友達は難しいでしょう。あの方、鋭いところもありそうですもの。私の社交用のお世辞も切り捨てましたし・・。何より私は言葉の通じない方は苦手です。

第二王子殿下の一番の望みは、


「わかりました。貴方のためにお姫様を説得しましょう。お友達になれるかは怪しいですが」

「は?」

「二心を持って近づく限りお友達にはなれません。」

「君にとって友人とは?」


真っ先に思い浮かぶのはオリビア。


「誰よりも幸せになってほしい大好きで大事な存在です。亡命の件は私の働きで判断してください。私がもし本当に彼女のお友達になれば、貴方との婚約破棄に協力します。それでは本末転倒でしょう?」

「侯爵令嬢だよな?」

「令嬢間でもちゃんと友情はございます。ただレトラ侯爵令嬢のお友達とリリアとしてのお友達は違いますので。レトラ侯爵令嬢としてお友達は殿下の望むお友達ではないでしょう?大事な婚約者を傷つけて良いなら騙しますよ?」

「やめろ」

「殿下、私はいずれこの国を去る者です。お姫様のお心をむける協力をすればよろしいでしょうか?」

「末恐ろしいな。わかった。」

「他にご用件は?」

「それだけだ」

「ではお気をつけてお帰りくださいませ」

「変わってるよな。わかった。クレアを泣かすなよ」


あなたに言われたくありません。

第二王子殿下は婚約者に夢中ですか。

正直に一番愛してるとかおっしゃればいいと思うんですが。

どこも王家は問題を抱えてるんでしょうね。どこかに安穏な王家はないのかしら。

オリビアや王太子殿下は大丈夫でしょうか・・。


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