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全速力のご都合展開

2話です。

魔力循環の練習を始めてからはや3年、私も無事3歳になっていた。


これまでの生活で分かったことがたくさんある。例えば私の立場とか。私は有力貴族のシルドレア伯爵の娘という立場に当たる。これだけなら格好の貴族社会の餌なのだけれどここで問題になってくるのはどの立場の母親か、と何番目の子供なのかってとこなんだけど。


答えを言うならば私は二番目の妻の子供で三女。更に私の母上には男の子供はおらず本妻には男の子が二人女の子が一人いる。


その上、父上は前世の価値観を持っている私からみてもそこそこまともな人であった。


これが何を意味するか。それは、小説やゲームでありがちな屑な家族に囲まれてボロボロの幼少期を送る必要がない上に貴族の猫かぶり選手権に出場する必要がないということになる。


勝った!第三部完!


やたら母上と使用人の方の距離感が近かったのはここがシルドレア伯爵の別邸であり母上が暮らしやすいように整備されているからだった。


因みに私はよちよち歩いてちょっとなら会話も出きる一般的な3歳です。二人の姉はそれぞれ7歳と6歳になり麗しのご令嬢になってる。かわいい。


義兄二人は8歳と6歳で義姉妹は同い年。このメンツには別居してる関係上滅多に会わないんだけど少し前にこっちに来てた時には義兄二人はキラキラしたイケメンに育ってた。義姉妹には会えなかったけどこのパターンからしてきっとかわいいでしょうよ。


え?私はって?聞いて驚け。同世代からするとちょっと小柄だけどふわふわした服装が似合うかわいい系美少女なのだ!髪の色はシルバーというよりかはグレーな感じで目の色は透き通ったスカイブルー。自分の顔ってあんまり見ないから実感はないんだけどね。


というかこの世界の人たち美形多くないですか?よく聞く話ではあるけどほんとに美人がいっぱい。母上や父上はもちろんのことメイドさんや執事さんもみんなおきれいなんですよ。庶民の方もそうだったりするのかしら。


因みに現在のお部屋は一人部屋。時刻はおやすみ前となっております。部屋にはランプっぽいものがあるんだけど明らかに電気とかで動いてる感じじゃないのよね。それがほんのり暖かみのある光を放ってリラックスすると同時に眠気も誘われる感じになってる。


ベッドはちょっと大きいけど私のためにこしらえてもらったものだと思う。・・・私そんなに成長しなかったかしら。


いやいや、そんなことない!きっと、これから成長するから!私、まだ3歳だからさ。伸び代ですね!


えーと、他に話すことは。


そうそう、肝心の私の魔力の成長具合ですが・・・。


ひとつだけ問題が発生しましたよ、ついに。


率直に言ってしまうと魔力動かすだけじゃ体の中の魔力(これからMPと呼ぶ)を使いきることが出来なくなってしまったのです!


一体どうしよう。テンプレに沿うならMPは使いきらなきゃ増えてはいかないんだよね?動かすだけじゃ駄目なら外部に出力すればいいってことはわかってるんだけど、肝心の出し方を知らないのよね。


いくら頼み込んでも書庫には行かせてくれないし一回だけ魔道書庫っぽい本を盗み見たことはあるんだけど今の私には読めないような字とか多分固有名詞なんだろうけど知らない言葉がたくさん出てきてわからなかったの。


となるとこれはあれだよね。心優しい妖精さんに助けてもらうか自己流の方法を編み出すかどっちかだよね。


う~ん。


・・・なんかギュッってやったら物体になったりしないかな?


ほらどこかの誰かも握力だけで炭をダイヤにしてたしきっと出きるって!むしろそれくらいしか思い付かないよ。出し方わかんないんだもん!


と、いうわけで思い立ったら即行動。右手を握りこんでそっちの方に魔力を持っていって、全力で力を込める!


なんか出ろなんか出ろなんか出ろなんか出ろなんか出ろ!


うおおおおおおおおおぉぉお?


何か視界がクラクラして・・・。


そんで私の意識は途切れた。



―――――――



う、う~ん。一体何が・・・?確か私はMPを使い切ろうとして・・・。


あ、そうだ。一体どうなったんだろうか、ってうん?右手になんか小っちゃいものを握ってるような感覚があるんだけど。


これってもしかしたりする?何か出ちゃってたりする?ではでは。オープンザプライス!


開いた掌の中には小さな半透明の水晶のような石がポツンと、それこそ砂場にあるちょっと綺麗な小石くらいのサイズ感で握られていた。


これ、何?いや、間違いなく私が作ったんだと思うんだけどほんとに石が出来ちゃったの?魔力を圧縮、圧縮ゥ!したら何か出来るんじゃね?ほら、力入れたら魔力出るかもしれないし。みたいな雑な考えのアイデアが成功しちゃうの?


あー、ってことは意識失ったのはほんとに魔力を使いきったからか。今まではこれで限界!ってところで使いきったことにしてたけど本当の枯渇ってのは気絶までいくんだね。


気絶は流石に体に悪いかなぁ。寝る癖が付かないで一生気絶じゃないと眠れないとか嫌だし。それにイメージを実現するためとはいえ意識まで持っていかれちゃうのはちょっと問題だよね。


よし!気絶しないギリギリまでを使いきる練習も重ねてやろう。効果としてはMPの残量を感覚で正確に理解することが出きるようになるかもしれない。


と、なると毎日このちっちゃな小石が出来上がるわけだけどどうしようか。普通に綺麗だからどっかに保存しておきたいなぁ。

小物入れか何かをもらえるか母上にでも相談してみようか。


使用人の方でもいいんだけど母上、若くして実質隠居状態だし子供のお世話に手をやきたいみたいだし。ん?二人の姉はって?

あの二人はまだ家の本流に飲み込まれる可能性があったからあんまり母上も好き勝手にすることは出来なかったみたいよ。いいこには育ってるけど。


では、母上の所までレッツゴー!と、言いたいんだけど。扉一人じゃ開けられないから使用人さんカモーン。


ベッドの横についてるナースコールみたいなスイッチをポチッと押すと・・・。


「お嬢様、いかがなされましたか。」


すぐ来てくれる。超便利。因みに今入ってきたのは私のお世話係?のミナ。スマートな美人メイドさんなのである!断じて冥土さんなどではない!


「ちょっとははうえのところまでいきたいの。つれていってくれない?」


「承知いたしました。抱えていきましょうか?」


「いえ、いいわ。じぶんであるく。」


ふふん。どうよこの完璧な令嬢感!ミナが開けてくれた扉からよちよち歩いて母上の部屋へ向かう。もちろんミナもついてきてくれてるよ?こうやって歩いてると少人数ではあるけど人がザッと道を開けてくれるのがモーゼかなにかになったように錯覚しそうね。


そうしてようやくたどり着いた母上の部屋。まあ一つ隣の部屋なんだけど。


私が入ろうと思った完璧なタイミングで扉を開けてくれるミナ。これって使用人の必須技能なのかしら。超人的な技術に思えるのだけれど家の人皆出来るのよね。そんな簡単に人の心って読めるもの?


「あら、どうしたの?フレイア」


あ、そうだ。完全に言い忘れてました。私、フレイア・シルドレアと申します。かっこいいよね!いかにも高貴で麗しい感じだよね!


「ははうえ。じつはおねがいがあって、こものいれみたいなものがほしいの」


「小物入れね、わかったわ!でも、一体何を入れるの?」


実は、と言いながら見せるのは実は起きてから結局一度も手放してない魔力の小石。


「・・・きれいな石ね。せっかくだしロケットペンダントなんかに入れてみるのはどうかしら?もちろん、小物入れも用意するけどね。」


「わぁ!それ、すてき!おねがいしていいの?」


「任せておきなさい!そうと決まったら早速取り掛かるかしら。フレイア、どんなデザインがいい?」


つい聞いちゃったけど母上の顔見たらまず断らないというかむしろ私自身よりも乗り気の顔してるわ。


このあとめちゃくちゃ語り合った。


あとがきって毎回書くの大変ですね。まだ二回目ですが。


ブクマ、評価などしてもらえるとぴょんぴょんはねながらすぐ投稿します。基本的には三日に一度のペースになるかと。


では、またお会いしましょう。骨董品でした。

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