授業はいいぞ。将来は暗いぞ!
14話です。
結局あの後はひたすらマイルとの言葉のプロレスが続いてしまって解散の時間になってしまった。
折角の初絡みでいろんな人と仲良くなろうと思ってたのにまさか一人ともまともに話せないなんて思ってなかった。
ただ全体的に見た場合今日の私の収穫は黒字も黒字の大儲けだったと思う。初日からミルナ先生との繋がりが出来たし一応、マイルという伝手が出来たりもした。
当初の懸念材料だった友達ができるかどうかに関しては全く進展がなかったことに関しては少し、というか大分不安ではあるんだけど学校生活っていう面で困ることはなさそう。
結局これからしばらくは特筆するようなイベントはなかった。付け加えるなら私に友人が増えるというイベントも発生することはなかった。解せぬ。
因みに今受けている授業はかねてより私に一番足りなかった常識力を磨く所謂社会の授業だ。結構な厚さの教科書をぺらぺらめくりながら話を聞いてるけどこれがなかなかに大変で。
なにせ前世での常識が私の思考パターンと結びついちゃってるからそれを上手いことほぐしながら新しい知識と絡めていく必要があるわけで。入学前に粗方暗記はしたわけだけど歴史の授業受けたからって当時にタイムスリップしても普通に暮らしてくなんてできないのと同じで知識をきれいに常識のレベルに落とし込んでいかなきゃらならない。
え?お前はそっちの世界で何年も生きてるわけだから多少は常識わかってくるだろって?実際言葉のわかる海外に行ったとしてそこに何年も住んでれば普通多かれ少なかれ常識が身につくはずなんだよ。なんなら私もつい最近まで無知だけど常識ぐらいはわかってると思ってたわけなんだけど。
たださ、そうじゃなかったみたいなんだよね。クラスの人と話すたび自分が世間からずれてるって感じる。この前マイルが言ってたお茶会みたいに私が経験してないようなことが色々出てくる。
なんでなのかは全くわからないんだけど私の家、相当特殊みたい。母上が私が貴族社会の中心に飲まれないように気遣ってくれてることは何となく感じられるんだけどそれだけじゃないよね?
相も変わらず私の将来設計は安定した生活を思い描いてるわけだけれどもこの世界は多少の違いがあれども基本的にテンプレな異世界像を映し出したような世界なわけで、学力を認めてもらえない場合はその将来設計は簡単に崩れ去る。
前世よりも圧倒的に職場へのアクセスの方法が少ないこの世界では家族間や近所付き合いから雇用が生まれがちで新規のよそ者が簡単に働ける場所というものはそう多くない。
因みにみんな大好き冒険者はその多くない例の内の一つだ。もっとも何でも屋のような働きをすることはなくどちらかというとハンターの活動をする。雑務のような仕事に関してはそれこそ何でも屋のようなものが地域ごとに別にあり清掃員のような仕事を日雇いで行っている。ここから正規雇用になる例もあるけれどこういうルートを辿って職を探そうと思う人は少ないだろう。
残念ながらそっちも違う方向での実力が必要なのは言うまでもないことでその実力が私にあるかといわれると微妙なところだ。
正直私、自分の体に過度な負担与えないと戦えないとかいう少年漫画の主人公みたいな状況になってるからもしも学校の恩恵に預かれなかった時のために自己防衛以上の力がほしいような感じもする。
話がそれたけどとにかく私のこれからのためにはやっぱり世間一般の常識に詳しくならなきゃってことですよ。なんで本来庶民側の貴族なはずの私の方が貴族の人よりも世間に疎いのか、そう疑問を呈すると堂々巡りになりかねないからやめにするけどもこう分かりやすく自分が周りと違っている(悪い意味で)って感じるのも結構堪えたものだ。
まあね。今の私はある程度の常識を身につけた常識のあるフレイアさんだから。この世界の三歳児くらいのモラル感とおんなじくらいの理解度しかないような気もするけど。
いや、でも向こうが三年かけて学んできた事をこの短時間でマスターしたと考えたら凄く聞こえがいい。お前の方がこの世界でも年上だろとか三歳児の一生を全部モラル形成のために使ってるわけないだろとかいうつっこみが聞こえてくるようだけど。
ああ、また話が違う方向へそれようとしてる。結局私が今言いたいことは授業頑張ってるよ、の一言に集約されちゃうけど、それを言ったら元も子もないから授業風景についてもう少し喋ろうか。
今教壇に立っているのはミルナ先生ではない。本人も言ってた通り彼女の専門は魔法学だから小学校みたいに担任の教師が全部教えるみたいなことはない。
因みにそんな人かというとルーローの三角形の一点を下に向けたみたいな顔の形をした男の人だ。名前はナンナ先生。悪い人じゃないんだろうなっていうオーラが全身から立ち上っているタイプの人で色々事細かに教えてくれている。
例えばこんな感じに・・・。
もろもろのストレスで発狂していたので投稿遅くなってしまいました。
感想等頂けましたら幸いです。
では、またお会いしましょう。骨董品でした。