だいろくわ ねんぐのおさめどき
ぜんかいまでのあらすじ:
0ポイント0ブクマをひゃくれんぱつくらいしている、ていへんさくしゃのTくん。
もうやめちゃおうかとかんがえてたら、おへやに<ようかいブクマはがし>があらわれた!
『ブクマをよこさないと、しぬよりひどいめにあわせるぞ』『あすまでに、なにかいちぎょうでもかかないと(いかりゃく)』と、<ブクマはがし>はTくんをおどしていった!
よくじつ、Tくんはようじで、でんしゃにのってでかけました。
かえりはおそくなり、かえりのでんしゃにのるころには、ひがくれていました。
さあ、はやくかえらなきゃ。そして……
でも、ちょっと。ちょっとだけ、きばらししたい。
Tくんはおりるえきをとおりすぎ、ぜんぜんべつのえきでおりていました。
≪うわあ、こってこての死亡フラグや……≫
ちょっと、ちょっとだけだ。
ちょっとさんぽしたら、ぎゃくほうこうのでんしゃにのって、もどればいいんだ。
てきとうにあるいて、たどりついたのはおおきなこうえんでした。
Tくんは、しばふにこしかけます。
そうなると、やっぱりきになってきます。
ああ、ぶんしょう、どうしよう。
やっぱ、あんなのじゃ、ダメダメだし。
てにしたスマホには、いつものメモちょうアプリがきどうされています。
その、まっしろいがめんをじっとみつめて……
いつのまにかTくんは、そのばでよこになり、ねていました。
きらきらとしたこもれびのしたで、だれかが、やさしくひざまくらをしてくれている。
そんなすてきな、ゆめをみました。
うーん、なんか、ほんとにあったかくて、きもちいい。
≪そして、こってこてのおねぼうさん!≫
それでも、ふっとめがさめました。
ねぼけたままのTくんのめに、なんだかみおぼえのあるものがみえます。
くろかみ、あかいめ。きりっとととのったそのおかお。
Tくんのねむけがふっとびました。
そう、それは、<ようかいブクマはがし>のかおでした!
「うわあもがもがもがもがっ!!」
おもわずさけびごえをあげれば、あわててくちをふさがれます。
「おちつけ、おちつけT!
とってくいにきたわけじゃないから!」
「うそだ! じゃあなんで、ここにいるんだよ!」
「オレはただ……その……おまえがかえってこないから、その、……
ち、ちがうんだからねっ! お、おまえはオレにとって、そのっ……
そう! メシのたねだから!
へ、へんなとこでしなれたり、ケガしたらって、しんぱいに……あわわ、そのっ……」
≪こってこての つんでれだった
なぜだろう ショックがとまらない≫
あわてる<ブクマはがし>のようすに、Tくんはきょとんとしました。
「えっと、ぼくを、つかまえにきたんじゃないの?
いちぎょうも、かけてないからって……」
「みてないのにわかるかよ。
そうか、かけてないのか、おまえ……」
しまった、じぶんからいっちゃった!
Tくんのかおから、ちのけがひきます。
「っていうかおまえ、ほんっとに、いちぎょうもかけてないのか?」
<ブクマはがし>が、Tくんのスマホをのぞきこみます。
Tくんは、ぎゅっとめをとじました。
ああ、もう、にげられそうもない。
そう、ぼくはにげようとしてたんだ。だから、こんなしらないところまできた。
でも、そんなことしてるから、こうなったんだ。
だから、ぼくは……
<ブクマはがし>のひざのうえ、Tくんはかくごをきめます。
でも、きこえてきたのは、いがいなこえです。
「なんだよ、かけてるじゃないか」
えっ?
Tくんはぱっとめをあけます。
ほら、と<ブクマはがし>がみせてくるがめんには、こんなぶんしょうがひょうじされていました。
だいいちわ ていへんさくしゃTくんと、なぞのしょうねん
むかしむかし、ある『しょうせつとうこうさいと』に、
ブックマーク0、ひょうかポイント0をれんぱつする、ていへんさくしゃがおりました。