だいにわ <ようかいブクマはがし>あらわる?
ぜんかいまでのあらすじ:
0ポイント0ブクマをひゃくれんぱつくらいしている、ていへんさくしゃのTくん。
ついにおもいあまって、いせかいてんせいをかんがえはじめたとき……
Tくんをいくつか(※プライバシーほごのために、くわしいすうじはふせておきます)とししたにして、ちょーりそうかしたようなびしょうねんがとつぜん、おへやにあらわれた!
なぞのしょうねんは、こほんとせきばらいをすると、Tくんにいいました。
「さっそくだが、本題に入ろうか。
T。おまえに七日間だけ、時間をやる。
そのあいだに、おまえの作品にひとつでも、ブクマをつけさせろ。
そして、そいつをオレに献上するんだ。
もし、できなければ……」
にやりとわらったしょうねんの、みぎだけおおきなやえばがキラリとひかります。
Tくんは、さっきとはべつのいみでドキドキしはじめました。
≪なにこのてんかい……まさか≫
「で、できなければ?」
「そうだなあ。
おまえの大切なものを、ひとつずつ奪っていってやろう。
……まずは、そのいのちだ」
「いのちうばってなにがのこるのっ?!」
≪いのちうばってなにがのこるのっ?!≫
「つぎに作者アカウント」
「ひぇっ」
≪お、おう……≫
「さいごに、ひみつのおたからフォルダのなかみだ!!」
「うぎゃあもがもがもがもが!!」
≪やめたげてぇぇぇぇぇっ!!≫
そう、さくしゃにとってアカウントは、いのちよりだいじなもの。
たとえそれが、ドがつくていへんさくしゃでも、です。
そして、ひみつのおたからフォルダのなかみは、だれにとっても、
しんでもないしょにしたいものなのです。
(ちいさなおともだちへ:
これをよんでいるきみが、もうすこしおおきくなって、
じぶんのパソコンで、インターネットをみられるようになったら、
きっと、わかるようになるはずです。)
Tくんは、ぜっきょうします。
いや、しそうになって、しょうねんにくちをふさがれます。
「ちょっ、おちつけ、ごきんじょめいわく!!」
「……スンマセン」
なぞのしょうねん、いがいと、じょうしきてきのようです。
Tくんも、しんこきゅうしていったん、おちつきます。
そして、そこそこのこえで、しょうねんをといつめます。
「な、なんでそんなひどいことするんだよっ!
おまえ、それでも人間かっ?!」
「オレは、妖怪だからなぁ」
しょうねんは、にやりとわらいます。
ルビーのようなひとみが、ふきつにかがやきます。
そしてしょうねんは、じぶんのむねのまえにてをもってきて、まるで執事さんのようにおじぎをしました。
「はじめまして、T。
うわさの<妖怪ブクマはがし>とは、このオレのこと。
以後、お見知りおきを」
Tくんはおもいました。
なんだ、かっこいいな、こいつ。
でも、やばいやつだ。
こんなぶっこわれたやつに、あんなことやこんなこと、されたくないや。
ぶっこわれてなかったら、ちょっとだけ、かんがえちゃうけど。
≪それでいいのか?! いいのかTッ?!≫
そうときまれば、110ばんです。
といってもきょうは、ほかのかぞくがだれも、うちにいません。
Tくんはじぶんでかけようと、つくえのうえのスマホにてをのばしました。
……が、なんてことでしょう。
スマホはすでに、しょうねんのてのなかでした!
しょうねんはTくんにスマホをみせびらかすと、おかしそうにわらっていいます。
「おまえ、そんなことをしたら、どうなるか……わかってるよな?」
「つ、つぎのひがいしゃをださないためだっ!
ぼ……おれは、りょうしきあるしみんとして、ゆうきをもってこうどうするぞっ!」
なぞのしょうねんにおどされて、Tくんのこころにひがつきます。
Tくんはほんらい、うちきでやさしい、はずかしがりやです。
それでも、やるときはやるのです。
そう、たとえドのつくていへんさくしゃだって――
0ポイント0ブクマを、ひゃくれんぱつくらいしてたって――
ひととしてたいせつなものが、うしなわれたわけではないのです!
≪ココロ痛いけどいきなりクライマックス?!≫
しかし、Tくんのゆうきはたちまち、ぺしゃんこになってしまいました。
「オレがみえるのは、おまえにだけだ。
そもそも、妖怪なんてものをだれが信じるとおもう?
110ばんになんかデンワしてみろ。
アタマおかしくなったと思われて、しばらくパソコンスマホ禁止だろうな」
しょうねんはそういって、ぽいっ、とスマホをTくんにほうりなげます。
Tくんはスマホをだきしめて、もうなみだめです。
「そんなことになったらしんじゃう!!」
「それがいやなら、書け。
オレさまに、いきる糧をよこすんだ。
いいな。しぬ気でやれよ。
あした、このくらいの時間。また、ここにくるからな!」
しょうねんは、いっぽうてきにそういうと、まどをあけてとびだしていきました。
「ちょっ、ここ、5かい!!」
Tくんはあわててまどにかけより、したをのぞきこみました。
でも、あのしょうねんのすがたはもう、どこにもありませんでした。
のこりじかん あと 7か




