さいしゅうわ だいだんえん
ぜんかいまでのあらすじ:
<ようかいブクマはがし>ブッくんのきょうりょくで……
Tくんは、なげだしていた『だいひょうさく』を、かんせいさせた!
さらにブッくんは、Tくんをあこがれのさくしゃ『ソラ』さんとめぐりあわせてくれた。
けれどブッくんは、きえてしまった……
ブッくんにあいたい、そう思ったふたりがとった、さくせんは……。
――それからぼくは、このものがたりをかきあげたんだ。
ねえ、よんでる、ブッくん?
きみがつっこみいれたくなるような、おばかなボケもいれといたよ。
きみが、これはないだろ! ていうくらい、はなしをもったところもある。
だから、つっこみいれてくれないかな?
つっこみいれにきてくれないかな?
そしたら、ぼくのブクマ、ぜんぶあげてもいい。
もういちど、きみにあいたいんだ。
ソラさんとあえたのは、すっごくうれしい。
にっかんいちいとかとれて、みんながすごいねっていってくれたのも、すごくうれしい。
でも、ぼくはないてたんだ。
だってそこには、きみがいないんだもの。
このことをいちばんよろこんでくれるはずの、きみが。
おねがいです、ブッくん。
ぼくのところに、もどってきてください。
どんなかたちでもいいです。
ソラさんも、あいたいっていってくれてます。
ぼくのだいすきな、だれよりもだれよりもだいすきなきみに
≪おいちょっとまてこれ童話だったよな?!≫
Tくんが、そこまでかきあげたときです。
あたまに、はたかれたようなしょうげきがはしり、
ななめうしろから、ききおぼえのあるこえがしました。
ふりかえればそこには、みおぼえのあるしょうねんがひとり。
Tくんのむねあたりのたかさに、ぷかぷかとうかんで、あぐらをかいております。
まるで、くろねこのようなしょうねんです。
さっぱりといまふうにカットされた、つややかなくろかみ。
きりっとするどいあかのひとみ。
かおだちはすっきりとととのって、からだつきもしなやかなほそまっちょ。
チャームポイントは、みぎだけおおきな、まっしろなやえば。
ひとことでいえば、Tくんをいくつかとししたにして、ちょーりそうかしたようなびしょうねんです。
シンプルなくろのタンクトップと、てきどにやぶれたダメージジーンズ。
あしもとは、しろとこんのスニーカー……じゃなくって、はだし。
むなもとにゆれる、ぎんのドッグタグがちょっぴり、おもわせぶり。
ちょっとわいるどで、そこはかとなくせくしー。
Tくんじゃなくても、おもわずドキドキしちゃうような、
いかにもしゅじんこうっぽい、いけめんでした。
そう、それは――
「ブッくん!!」
Tくんのめのまえが、ぶわっとあつく、くもります。
Tくんはブッくんにだきついて、こえをあげてないていました。
「おそいよ! おそいよでてくるの!
ブッくんのおかげで、いっぱいブクマゲットできたんだよ?
なのにきみは、ぜんぜんたべにこないじゃん!
もう、しょうせつなんかやめちゃおうかっておもったよ!!
それでも、ソラさんにさとされて、このはなしかきはじめたのにさ!
きみがぜんぜんつっこみいれにこないから、もっともっとあぶないはなしにしようかってかんがえちゃったよ!!」
「やめておねがいっ!!
いまのだんかいで、もうじゅうぶんやばいから!!
レーティング、このまんまじゃむりだから!!
100パーセント、うんえいさんからけいこくされるから!!」
「そうなの?」
「そうなの!!」
「どうして?」
「そんなのいえるか!!!」
ブッくんのおかおは、まっかです。
「とにかく! これはいちどくしゃとしての、つっこみ!
せめて、ボ……ではじまるあれに、チェックいれといて!
ほけんですって、かいといてもいいから!!」
「ボ……って……!」
Tくんのおかおも、まっかになりました。
ボッ、とおとをたてるいきおいで、まっかになりました。
ていへんさくしゃだったTくんと、ようかいブクマはがしだったブッくん。
そしてソラさんのふしぎなおはなしは、これでおしまいです。
さんにんの『ごじつだん』をちょっとだけ、おはなしすると……
いろいろあってブッくんは、ソラさんちのこになりました。
でも、ほとんどまいにち、Tくんのおうちにあそびにきてます。
ソラさんもしょっちゅう、あそびにきます。
さんにんはきょうも、しょうせつをかいてみせあったり、ゲームをしたり、いっしょにおでかけしたりして、まいにちなかよく、たのしくすごしているということです。
おしまい




