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タイムネメシス~二度目の人生は二つの入れモノde~  作者: あすか良一
エグザイル編
92/119

第91話 『余興』

ある意味タイトル通り前半は余興かと。

※実際は次の内容にかかっていたんですがこっちの方がいいかと変えさせて頂きました。

後半は説明が多いですが、ここは必要だと思いましたので追加させてもらってます。

第91話


『余興』



『んっ⁉何あれ?』


エルザは走っていると、道の脇に氷の彫像を見つけた。

臭いは感じられないが、その見た目から人の様な形をしている。

近付くとそれは緑色の肌をした魔物が閉じ込められている様な感じだった。

エルザは魔物自体はあまり怖くない。

今まで魔物と暮らしていたからだろうが、人間よりも魔物の方が警戒心は薄くなっている様だ。

実際町で受けた印象は魔物よりも人の方が怖かったからだ。


ジロジロとそれを見るが、臭いも感じられず動かないモノにはあまり興味が出ず。

それよりも今はエンリお姉ちゃんだと思い、再び走り出す。


【グレンside】


『マジかよ!!』

俺は今走っている。

それもかなり全速力で今は既に村長の家のすぐ近くだ。門からダッシュして一直線だ。

多分こちらから門へと向かった時の半分の時間もかかっていない。


『あんな事してる暇無かったな!くそっ!!』

『自業自得だよね』

『うるせえ!お前だって注意しなかっただろ!!』


~グレン回想~


リルルを背負い歩きながら、俺たちは村の門へと到着した。


ドンドンと軽く門を叩くが反応が無い。

声を掛けるか迷ったが、めんどくさいので蹴り破ろうかと思い、足を上げた。


「『ちょ、ちょっとグレン何してるの』よ!」

レンとミスティに同時に止められた。


「何だ?パンチの方が良かったか?」


「『いや、そういう事じゃないだろ』でしょ!!」

息ピッタリだな…


「仕方が無いだろ、返事も無いしリルルも背負ってるんだから飛んで入るのは遠慮したんだぞ。」

『こんな壁軽くジャンプすれば飛び越えられるが、なるべく揺らさないと言った手前遠慮したというのに全く』


『いや、揺れるより門壊す方が問題でしょ全く!!』

レンから入ったツッコミ…恐らく口に出してたら同じツッコミ来ただろうな…


「す、すみません、私はもう大丈夫なので降ろして下さい。」

リルルが降りようとして身を起こす。


「馬鹿、そんな事気にするな、ちゃんと村の中に入ってから降ろす。しっかり横になれる場所じゃなきゃ降ろさないからな。」

俺はリルルを背負い直す。

「それじゃ、ミスティが声を掛けてみてくれ。それでダメなら蹴破るから…」


「お願いしまーす!!門を開けてくださーい!!戻りました!!もう魔物は来ませーん!!早く開けないと門が壊されまーす!!」

ミスティはかなりの声量で矢継ぎ早に声を掛け始めた。


『頑張れミスティ!!』

頭の中でレンが応援していた。

『最後の方、前後で言ってる事矛盾してねーか?』


すると反応があった。

「あんたがフォアの言ってた人か!?」

門の中から声が聞こえた。


「そうでーす!!」

ミスティがやった!!と俺を見て握り拳を作った。


だが門は開かない…


「んじゃまそういう事で…」

俺が再び足を上げると、


「おおっ!!あんたか!!今門を開ける!!」

門の上から声が聞こえた。

『おお、あいつか』

声は覚えてなかったが顔は何となく覚えていた村人だ。


そして門が開かれた。

中へと入るとそこにはかなりの村人たちが集まっていた。

「おい!!本当に魔物はこないのか!!」

「こっちは大丈夫なの?」

「あんたたち魔物に襲われたのか!?」

「魔物はどこに行ったの!?」

と一斉に群がる様にして俺たちの所へやって来る。


「安心しろ!!こっちに来てた魔物は蹴散らした。あれで全部かどうかは分からんが今はとりあえず大丈夫なはずだ!!」

『多分』


「ほ、本当なのか!?」

「あんたたちでやっつけたのか!?」

「本当に!?」

「そんな事信じられねえよ…」

「最後自信満々に()()って言ってたし…」


『はあ、仕方ねえな』


俺は辺りを見回してから、

『あれでいいか』

「リルル、馬車でちょっと休んでてもらっていいか?」


「あっ、はい勿論。」


「ちょっと待ってろ!!」

俺は群がる村人を押し退ける様にして近くに置いてあった馬車へと向かう。

「ミスティ、リルルを見ててくれるか。」


「う、うん!!」


俺は馬車の荷台へとリルルを寝かし、

「無理するなよ。」

と声を掛けた。

「はい、()()()も無理しないで下さいね。」

笑顔でそれに答えた。


「ああ、それじゃミスティ頼んだ。」


「う、うん…」

ミスティは何だか俺とリルルをチラチラ見ていた。


『何だ?』

俺はよく分からないがそのまま荷台から降りて、さっき門を開けてくれた男が村人たちに詰め寄られている所へと向かった。


「おい、俺が魔物を倒したのが信じられないのか?」


「あっ、はい、俺はその信じてはいるんですがみんなが…」


「あんたがあの冒険者たちをやっつけたって聞いたがそれも実はグルだったんじゃないのか!!」

「また俺達から金を巻き上げようとしてるとか?」

「信じたくても流石にさっきの子達とあんただけで魔物を倒したとは信じられないのよ…」

「囮くらいなら信じられるが倒したってのはちょっとな…」


「分かった、分かった、それじゃちょっと見ててくれるか。」

俺は門の近くにある木に向かった。


そこでおもむろに右の刀を抜いた。


村人たちは何をするんだ?と俺に視線を向ける。


『一度やってみたかったんだよな』


俺は刀を手にしたまま、右足で木を蹴った。

すると木の葉が空を…

舞わずにそのままミシミシと音をたてて後ろへと倒れた…


『なっ!?』

「えっ!?」

村人は唖然とした。

「おい!!今の見たか!?」

「蹴っただけであんな太い木をへし折ったぞ!!」

「マジか!?木が腐ってたんじゃないか!?」

「事前に仕込んでたとか?」

「でも何で刀を抜いたんだ?」


『いや違う!!コレじゃ無い!!』


改めて俺は一番太い木に向かった。

木は青々と繁っており、その枝には緑の葉が一杯に付いている。

そして俺は今度はかなり手加減をして蹴った。


木が大きく震えた…すると今度こそ多くの木の葉が舞散った。

そして俺は刀を振るう。


曲芸の様にして落ちてくる葉を次々と切っていく。

周りから見たら恐らく視認出来ない程のスピードだったかもしれない。

最近ようやく加減が分かってきたつもりなのだが、俺も徐々にこの身体に慣れつつある。

慣れてくれば当然パワーやスピードの出力も上がる。

さっきのも言い訳させてもらうとほんの数日前よりもパワーやスピードが増していたからだ。

そう、俺が思っているよりも俺の地の力は強くなっていた。

ただ当然鍛えているわけではないのだが体の強度も少しだけ上がった様だ。

流石にまだ剣や矢を防ぐ事は出来ないだろうが石くらいなら当てられても大丈夫だと思う。

無論好き好んで試す気は無いが…


真っ二つに斬られた葉が次々と地面に落ちて行く。


チン


刀を鞘へと納めた音が小さく響く。

そしてドヤ顔の俺が村人を見る。


一斉に歓声が…沸かない…


皆一様にポカンと口を開けている。


『アレッ!?おかしいな』


俺はインパクトが足らなかったかと思い、もう一度木を蹴った。

先程同様手加減をして。

同じく葉が上から舞落ちる。


今度もその葉に向けて刀を振るう。

ただし今度はうっすらと刀に魔力を込めて。

すると斬られた葉が即座に燃え上がり、燃え墜ちてゆく。さながらそれは火の玉のようにして突然燃えては消えていった。


チン


再び鞘へと刀を納めた。


俺は目を閉じて判定を待つが歓声は来ない。

『これもダメか…』

と思ったその時…


「うわぁ!!凄い!!凄い!!あれどうなってるの!!」

一人の子供がはしゃぐようにして声を上げた。

するとそれを皮切りに、皆、(せき)を切ったかの様に一斉に歓声を上げた。

「スゲー何だよあれマジかよ!!」

「驚きすぎて声が出なかったわ!!」

「何だ今の!!魔法か!?」

『今の一体どうやったの?』

「俺あんなの見たことねえよ!!」


俺は逆に少し恥ずかしくなった。

『違う意味でやりすぎた』と。


『ねえ、グレン今度僕にも教えてよ今の!』

『気が向いたらな…』

『ええぇー』


それから暫くまた別の意味で群がられたが、俺はそれよりも気になってる事があった。

無論エンリたちの事も気にはなっていたのだが、魔物の件を信じてもらえないとたとえ冒険者を捕まえたとしても自作自演に思われるのは面倒だと感じたからだ。

森で死体を見せれば一発かもしれないが、それよりはこっちの方が手っ取り早いかと思ったのだが、

「何で村人がここに集まってるんだ?」

と男に訪ねる。


「えっ!?ご存じ無かったんですか!?あっち側からも魔物が襲ってきてるらしいです。」


「知らねえよ!!」



『あれじゃただの見世物だったな…』

『ねえグレンあれ!!』


俺の前に現れた村長の家は依然来た時よりもかなり

黒ずんで見えた。

そうまるで燃えた後の様に…


『何があった!?』

家の側に人の姿が見える。


5人が何かを囲むようにして集まっていた。

「おい、どうしたんだ!!」

見覚えのあるその集団に声を掛ける。


「お兄ちゃん!!」

「兄貴!!」

「グレンさん!!」

「「キャプテン!!」」


最後の二人はともかく、

「どうしたんだ一体?」

俺は皆が見ていた所を見ると一人のローブ姿の男が倒れていた。

頭のすぐ横には大きめの石が落ちている。

見たことの無い顔だ。

「こいつが家を燃やしたのか?」


「分かりません、俺たちが来た時にはここに倒れてて。」

「そうなんです、俺が見た時には既に打ち取られた後で。」

さっき俺の事をキャプテンとか呼んだコイツらはスルーするとして…


『んっ!?』

「おい、ここに女の子がいなかったか!?」


「いえ、見てません。」

ショートが答える。

「僕も見てないよ。」

「ごめん兄貴、俺も見てない…」

レフト、ライトが続けて答えた。

「「キャプテン!!」」

二人が宣誓でもするかの様に手を上げる。


「見たのか!?」


「見てません!!」


「お前らは口を開くな!!」

「そうだ!!フォアも来てないのか!?」


「フォアさんはその…」

ショートが少し言いづらそうにした。


『まさか!?』

俺の脳裏に不吉な予感が走る。


「用を足しに行ったよ。」

「う○こに行ったよ。」

ライト兄弟がほぼ同時に答えた…


『クソ!!』

とりあえず時間が無い、要点だけ素早く確認した。


村人が逃げ遅れてないか家を見て回ったゲツとツーがここに来た時には既に家はこの有り様で、そこにはフォアとここで倒れた男がいた。

兄弟と村長たちが来た時には既にゲツたちもいて、その後すぐにフォアがトイレに行ったという事だった。

因みに村長は家を見て愕然として、あまりの衝撃に手にしていた杖ならぬ、おかしな像を思わず落としてから、呆然自失状態でフラフラと家に入ろうとした所を危ないからと皆で止めて、今はあちらにとりあえず寝かせてあるそうだ。

見ると確かにあちらに横になっていた。

動かなかったので全く気付かなかったが。


こちらも一応事情は説明した。

門の外に来た魔物たちは殲滅したから一応は大丈夫だと。

フォアに連れの女の子をこの家に連れて行ってもらう様に言っておいた事。


「流石兄貴!!」

「凄いお兄ちゃん!!」

「惚れ直したぜキャプテン!!」

「流石は俺らのエースだぜ!!」

俺の話の前半だけ聞いて即座に反応する兄弟と馬鹿二人。


「それにしても心配ですね、その子。」

ショートが俯いた。


「ああ、それで魔物は…」


そこへ、後ろの茂みからガサガサと音が聞こえた。


『魔物か!?』

俺はその音がした茂みへと瞬時に走り、刀を抜いた。


「ひっ!?」

刀を突き付けた相手はフォアだった。


フォアから聞いた話は、

エルザに倒れていたローブの男を見張ってくれと頼まれた。

エルザはその後走って向こうへと行ってしまった。

緊張感から解放されて便意に耐えられなかった。

だった。


「何で止めなかった!!」


「す、すみません!!あのお嬢ちゃんがお姉ちゃんを助けに行くからって聞かなくて…」


『お姉ちゃん…』

「おい!!エンリはどこに行った!?」


「それが、魔物を食い止める為に…」


~回想終了~


俺は今地上1メートルほどの所を飛んでいる、低空だがかなりのスピードで。

あの後ショートから何故そうなったのかの経緯を聞いて、俺は焼けた村長の家の前から一目散に走り出し、いてもたってもいられずにこうして飛んでいる。


俺が理解したのはこうだ。

恐らくあの家を焼いたのはボナーロたちの仲間。

俺の読みではあのローブ姿のロン毛が怪しい。

あれで顔がイケメンだったら決定的だったのだが、顔は今一つだったので決め手には欠けた。

だが、エルザの勘なら信用できる。

やはりサラサラロン毛は俺の中では信用ならないという警告は当たりだな。


そいつは死んでいない様だったので叩き起こして吐かせるのもありだったが、今はその時間すら惜しかった。

結局今の所は何があったのかは分からないが、仲間割れでもあったのかもしれない。

一応は家を燃やしたのがあの鳥では無いと信じたい。

いや、俺の知ってる()()()ならば普通にやりかねないのだから、今はひとまずその事は置いておこう。

今大事なのは、

別の仲間の男3人を蹴散らしたエンリが、その後襲ってきた魔物へと向かって行った事。

そしてそれをエルザが追って行ってしまったのだという事だ。


『スーそっちの方は上手くやれよ!!』


【スーside】


エンリの目の前に現れたのは元の鳥。

先程までの禍々(まがまが)しく神々(こうごう)しくすらも見えたあの鳥は何処へやら…

今はすっかり炎も消えた、ただの赤い鳥にしか見えない。

そうエンリの知っているスーだった。


「きゅいー」

アチャーみたいなポーズで浮かぶ一匹の鳥。

『しまっただわさ』

本当はもう1発分くらいは残して攻撃するつもりだったのにとスーは失敗した事を後悔する。

『でも()()は仕方が無いだわさ』


スーも一度は我慢したのだ。

魔力が一気に膨れた時に行くかどうかも迷ったのだがローブの方が気になって行けなかった。

だがエンリが肩口を斬られたのを見てちょっとだけ慌てた。

『あれ位かわせないなんてだらしないだわさ』

でも動かなかった。


しかし流石に今のは動かざるを得なかった。

そして出るのが僅かに遅れた分その対応も雑になってしまった。

そして今の結果だ。


相手が動いた時に軽く仕掛けて、あの魔物を足止めした後にエンリに任せてからローブに渾身の一撃をぶちこむのが良かったかと…

スーも別に馬鹿では無い、いやあの状態で、こと戦闘においては非常に優秀だ。

力任せな部分もあるが、守る対象によっては、そして守る必要が無く己の身だけであれば十二分に守れただろう。

ただしこの場合は『魔力がもっとあれば』と注釈も付く。

スーは馬鹿では無いが、まだこの体になってから魔力配分を十全に行える程の経験はしていない。

そして今回は油断もあったのは事実だ。


だがイレギュラーなローブの存在に対して後手に回ってしまったのがスーの『アレ』だ。

ローブと1対1ならもっと戦えたのにエンリを守りながら他の魔物を相手取る魔力が今のスーには無かったのだと。


エンリは魔物が飛ばされた方向を見る。

その視線の先は丁度、家と家との間に空いた空間で木が何本も生えている場所だ。

それが一直線になぎ倒されたかの様にして何本も倒されている。

普通の魔物ならば間違いなく倒しているはずだ…

しかしエンリは警戒する。

あの魔物はあれでもやられていないかもしれないと。

目の前で燃え尽きてくれていれば安心したが、先程同様に衝撃だけでは倒せていないのではないかと。


しかし目の前のスーはそちらの魔物に目を向けず今はローブの男をじっと見るようにして宙に浮かんでいる。


『スーちゃん…』

エンリもそちらへと目をやる。

『仮に今まだあの魔物が残っていてもあのローブの方もそのままには出来ない、今はどちらも私がやるしかないのよ』

肩に受けた傷はそこまで深くない。

体もまだ動く。

しかし魔力はエンリも心許なかった。

しかしこの後に及んでそんな事は言ってられない。


エンリは手にしているレイピアを強く握り、目の前のローブを見る。


そこでローブ姿の人影はこちらに近付いて来た。


「キュイ!!」

スーが一声上げるがエンリにはその意味は分からない。

焦って呼び止められている様にも聞こえたがエンリもそれで退く訳にはいかない。


ローブは更にこちらへと近付いて来ている。

しかし歩いてでは無い、スーとまるで浮いてきているかの様にして音も立てずに近付いて来ていた。


『風系の魔法は使ってない!?』

エンリの中で何かが閃いた。

何かの足りなかったピースがカッチリ一つハマったような感覚だ。


『嘘でしょ、まさかゴースト!?』

エンリも知識では知っていたが、それを実際には見たことが無かった。

アンデッド系のモンスターは他にも様々いる。

スケルトンやゾンビを筆頭に魔物や人種を媒体にしたものは多種多用だ。

そう言ったモンスターであればエンリもこれまで何度か遭遇して撃退した事はある。

しかしエンリが驚いたのには、いくつか理由がある。

初めてゴーストに会った事も無論その一つではあるが、大部分はその先入観からきている、その内の大きな二つとして挙げると、まずはその棲息地。

基本アンデッド系のモンスターは暗闇の時に現れる事が()()。これにも多聞に例外はあるのだがエンリはこの時は例外についてはあまり考えていない。それを考えだしたらキリが無いからだ。

アンデッドがいそうな場所。そこは地下迷宮や洞窟内等の昼間でも環境にあまり影響されない様な場所、ゴーストやゾンビの一部は屋内に限らず屋外で発見される事も間々あるが、原則としては日の光があまり当たらない場所であるという先入観。

先入観の例を挙げれば、ゾンビやゴーストが墓地にいてもあまり不思議では無い。

だが町中にいたらどうだろう。それも明るい内にだ。

別に夜行性の生き物だから昼間に動けないという訳でも無い。

ゴーストに限っては1日中活動可能だ。

ただアンデッドは陽の光に弱いモノだと認識されている。

実際それは間違っておらず、捕まえたアンデットを日の光に晒したら個体によっては干からびたり、弱っていったり、スケルトンにおいては灰と化したと報告もされている。

だがその常識と言われるものから(のっと)れば、こんな村にこんな時間に堂々とこうしてやって来るというのはおかしいと考えても不思議ではあるまい。

そしてもう一つ、ゴーストが他のアンデッド系のモンスターと大きく違う点が一つある。

その倒し方である。

まず炎が効かない。急所と呼ばれる部位が無い。純粋な打撃だけでは倒せない。

すなわちそれは討伐方法が限られているという点だ。

ゴーストに有効とされているのはまず光魔法系統の一部。主に神職系の単一系魔法が効果的。

次に聖水。ただこれらは効果的なだけであって絶対的では無い。

かつてゴーストを退治するために聖水を大量に持った聖職者の一団がゴースト一匹に滅ぼされたと言う話を聞いた事がある。

これらの先入観からエンリは焦りを感じていた。


『もしそうなのだとしたら…納得せざるを得ないものね…』

エンリには光の精霊の魔法は無い。

そして聖水も今は持ってい無い。


『なら今はこれしか無いわね』

そしてエンリは一つの先入観に賭けた。


『風の精霊よ!』















『アンデット』では無く『アンデッド』だという事にこの文章を書いてて初めて気付きましたΣ(・ω・ノ)ノ!

恐らくこの後間違えてしまうかもしれません。

既に間違えていたらすみません。気が付いたら修正しますのでm(__)m

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