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タイムネメシス~二度目の人生は二つの入れモノde~  作者: あすか良一
第一章 【異世界での旅立ち】
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第6話 『はじめての魔法』

第6話

『初めての魔法』



【レンside】



「さてと、やるか」

俺は剣を片手に切って切って切りまくった。


右から左へと踊り出てくる魔物に剣を突き入れては横凪ぎにし、返す形で

次から次へと群がってくる魔物たちを

手当たり次第に切って捨てた。

だが切りまくっている割にはそれほど減っていない。


いや、一時的には減ってはいるのだが…


頭を飛ばし、身体を切り裂き絶命させても暫くすると

その遺体が影に飲まれ、新しくまた魔物が現れている。


しかし数十体の魔物を切ってみて分かった事がいくつかある。


まず俺は魔物を切る事に抵抗が無い。

一応人型なのでもっとグロテスクに感じるかと思ったが

全く忌避感は無く、むしろ奥底から湧き上がる衝動で

楽しくすら感じてしまっている。

魔物の身体を縦に横に切り裂き、肉を切る感触を味わって

さらにテンションがおかしな方向に上がってきている。

某ゲームの無双乱舞の様な…


別にグロテスクなのが好きなのでは無く、

自分が戦える事が楽しいというか…


あともう一つ、俺は湧き上がる力を制御していく内に

何でも出来そうな気がしてきている。

今も湧き上がるこの力で色んな事を試してみたくて

うずうずしているのだ。

正直その衝動が抑えられそうにない。


そして最後にもう一つ。

この影から出てきている魔物たちは

少しづつだが力が弱まってきている。

数体ほどまとめて切り伏せた後、

再び影から現れた魔物を見た時

若干他の影が薄くなった。


加えて今、最初魔物が現れた時より、

倒した後に再度出現する速度が遅くなっている。

わずかではあるのだが…


このまま切り伏せて行けば

いずれは倒せそうな気はするが

面倒だと感じたのと、正直歯応えが無いので

まとめて倒したくなってきた。

一撃で…


何か良い手はないものかと思案する事数秒、

その間も剣をふるっていたが

剣の切れ味が鈍くなっていた。

スパッといった感じでは無く、

鈍い感触で叩き切っていた。

感覚的には斧に近い使い方な気がした。


まだ戦い慣れていない部分が影響しているのか

試行錯誤しながら戦っている感じだ。

身体の動き自体に問題は無いが、

動かし方がな…


そんな事を考えていたら、


「危ない!」


呆然としていたミスティが

俺の斜め後ろから現れた魔物を見て叫んだ。

今まで俺の動きを見て

唖然としていたミスティだったが、

意識が戻ってきて思わず叫んだのだろう。


でも問題無い。魔物は全て見えているし、

今新たに現れた魔物も

俺にとっては全く脅威に成り得ない。

俺はすぐさま後ろの魔物を切り捨て

次にそのまま前に踏み込んだ。

そうミスティの方へ。


ミスティのすぐ後ろにも影が見えたので、

俺は現れた瞬間にその魔物の頭部を吹っ飛ばした。

パンチで。


「えっ!?」


ミスティは驚きながら俺を見た。

頭部を殴られた魔物は

他の魔物の方に向かって飛んで行った。

これ剣無くてもいけるのか、とも思ったが…



「ミスティ、あいつら一発で殲滅したいんだけど

何か良い手ないか。」


俺は剣を肩にポンポンしながら訊ねた。


「あなた…本当にレンなの?」


ミスティは怯えた表情になり、

俺を見る目が変わっていた。


『そりゃまぁ、そうなるか…』

化物を見るとまではいかないまでも

知らない人を見るような、

確かに俺に今までこれほどの力は無かっただろう。

今も湧き上がる力からして

数分前の俺とすら違って来ているのだから。


まるでスーパーサ○ヤ人になった気分か…


「俺はレン、

レン・マクラーレンだ。それ以上でもそれ以下でもない」

そう言って俺はミスティの頭をポンポンした。


「とりあえずここを殲滅して広場に向かうから、

ミスティは一旦そいつらと一緒に高台の神殿に向かってくれ」

怯えてオロオロとしている村人の方を

視界の端に見ながら言った。


それを聞いたミスティは少し怯えた顔から、

少し口を開けてポーっとなってたが、


「えっ!?レンは一緒に行かないの?」

すぐさま表情を戻し聞き返してきた。

若干頬は赤くなっている。

『もう、立て直してきたか、やるなミスティ』


「俺はこいつらに少し用があるから、なっ!と」

再度背後から現れた魔物を切り捨てる。


『やはり確実に現れる速度が遅くなってるな。』


未だ周りにいた魔物たちがこちらに向かって来てはいたが

一斉に襲いかかろうとはしてこなくなった。

ジリジリとこちらの隙を窺っている様子がある。

そこまでの知能がある様にも見えないが…


『ふむ、どうするか』


『何か必殺技みたいなものがあればイケるか…』


そう思った瞬間、俺の中で閃いた。

そしてソレが閃いた瞬間、俺の中で何かが弾けた。


ドクン!


力がこたえる様なそんな感じがした。


「ミスティ早く行け」


俺は知らずと笑みを浮かべ口にしていた。


次の瞬間、俺は

ミスティの側から様子を窺っていたであろう

魔物の群れへと、一気に駆け出した。

口元には相変わらず薄らとした笑みを浮かべながら…


前方に魔物の群れを見ながら俺は心の中で意識した。


『俺魔法発動』


『重力制御魔法起動』


そして、立ち止まり俺は右手を大きく上に掲げて


「我が前にひれ伏せ、そして砕け散れ!

『ブラスト・ディメイション』!!」


叫んだ。

それはもう、凄いドヤ顔で…

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