表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイムネメシス~二度目の人生は二つの入れモノde~  作者: あすか良一
第一章 【異世界での旅立ち】
5/119

第4話 『ドランクとフリージア』

連続投稿です。

相変わらず読みづらかったらすみません。

第4話

『ドランクとフリージア』




「キキー」

「キキキキィー」


ドランクは正面から来る魔物向けて

剣を振り下ろした。

振り下ろした直後、右から迫って来た魔物も

同様に下から切り上げた。

いずれも魔物は一撃で

胸元を切り裂かれてやられた。


次から次へと群がってくる魔物を

同時に相手取るのは厳しいと考え、

ドランクは下がりつつも開けた広場から

後退しつつ剣をふるっていた。

押されて後退するというよりは

相手を誘導して引きつけている感じだった。


この村にも自警団の様なものは一応ある。


それほど村民は多くはないが、

村人の中にはかつて冒険者だった者も

数名いたが怪我をして続けられなくなったり、

年老いて戻って来た者、

中には多少腕っ節が強いと思っている者。

そういった者たちが有志を募り、

自警団を作っていた。

だが、所詮は有志であり、元冒険者といっても

ほとんどが挫折したり実力が無かった

者たちであり、

強者と呼べる者はほとんどいなかった。


それが『ほとんど』なのは、

ドランクがいたからだ。


自警団は有志とはいえ

村人を守ることが仕事であり、

有事の際には身の危険も充分有り得る。

もちろん少ないながらも給金的なものも貰える。

大半は食料や衣服などだったが、

生活していくには村の中のものは

ある程度融通してもらえた。


ドランクはたまに動物を狩ったり、

レンに内緒で仕事に出かけたりしていたので

自警団としての仕事は行っていたが

給金らしきものは貰っていなかった…


これまでこの村でそこまで大きな事件も無く、

低級の冒険者くずれや少し腕に自信のある程度

でもそれなりになんとかなっていた。


だが、今は違う。


今回、自警団の半分近くは既に逃げ出しており、

村人を守り、避難させるはずの者たちが

ある意味真っ先に逃げ出している。

当然家族や知り合いを守る名目でだが…



残りの者たちは神殿がある森の高台に続く道がある

村の入り口へと村人を誘導すべく向かっていた。


この村はスフィア山と呼ばれる山の中腹にあり、

東は崖、西は岩壁、南は森が広がり、

北には神殿に続く

森の高台への道と山の麓に繋がる道がある。



この広場に残っている自警団の者は

ドランク含めわずか3人。

他にも数人逃げている者の中にいたのだが…


今戦っているのはドランクだけだった。


「おい、ガルシア!そっちから

ミーシャと一緒に援護してくれ!!」


残りの自警団と思しき2人の男に

剣を振り回しながらドランクは叫ぶ。

一人は片手に斧を持ったがっしりとした

筋肉質の男ガルシア。

樵では無く、元冒険者で片腕は失っている。

年は大体ドランクと同じくらい。


もう一人のミーシャと呼ばれた男は

弓を持っており、腰には一応剣をさしているが

こちらは元冒険者では無く、

少し弓矢に覚えがある程度で、

魔物では無く普通の動物を

何度か撃った事がある程度だ。

年は若く今年で20歳。

口癖は『狙い撃つぜぇ』らしい…


二人は腕に覚えがあるから残った

という訳では無い。

勿論、全く自信が無かったわけではないが、

この村を守るんだという正義感から残った

という方が正しい。

実際ミーシャの方は足がかなり震えている。


「このゴブリンもどきがぁ!」


ガルシアは斧を振り上げ、

ドランクの後ろに回り込もうとした魔物に向かって

突っ込んだ。


斧で魔物を切り裂くと、

さらに反対側から跳んできた魔物が

棍棒でガルシアの頭を殴りつけようとしたが、

今度はそれをミーシャが狙い撃つ…

が、頭を狙ったはずの矢は魔物の足にあたり

なんとか足止めは出来たものの

仕留めるにはいたらなかった。


「当った!ハハ…俺だってやれば出来るんだ!!」


狙いとは違ったが当った事に

足を震わせながらも喜んでいるミーシャ…


ガルシアもミーシャもあてにはならない。

ドランクは分かっていたが

正直この場に残ってくれているだけでも

嬉しかった。


「このままじゃヤバいな」

額に汗を垂らしながら口に出したドランクは

チラリとフリージアの方を見た。


なんとか抑えてはいるものの

全力を出せないドランクは

自らの不甲斐なさに歯軋りを抑えられなかった。


かつてドランクはこの程度の相手なら

数分で片づける自信があった。

また今でも1対1なら絶対に負けない自信はある。

なぜ多対一に弱いのか…


ドランクは実は病にかかっている。


かつて冒険者として一流の腕を持ちながら、

病にかかってからは衰えて行くだけ。

今は技でかろうじて戦えてはいるが、

正直あと数分もすれば戦えなくなるだろう。


それが分かっていてもやらざるを得ないのだ。


ドランクのかかっている病は

『放熱病』…体温の上昇が抑えられず、

長時間体を動かし過ぎると

身体の各所が動かなくなってくる。

体内の熱は時間が立てば放出されて

身体の動きも戻る。

早期の内に無理をしなければ悪化はしないが、

悪化すると命にかかわる事もある。


生活するだけならそれほど影響は無く、

ある一定の負担をかけ続けなければ命の危険は

無いとされているが

ドランクはそれを隠し続け無茶を繰り返した。

今でもリハビリと称して動物を狩ったり、

レンには内緒の仕事をしていた。


正直ドランクは一撃、もしくは数度の切り合いなら

なんとかなる。

また元々パワータイプで技に拘らなかった為、

相手を切り伏せる意味での強さには

自信があった。


この病を境に技を磨いたが、

訓練や練習といったものも長時間出来ない上、

病の進行により

今はピーク時の2割程度の力しか出せない。

しかもわずかな間だけ…



その事に『不甲斐ない…』と思いつつも

今は目の前の魔物をなんとかしようと剣をふるった。




フリージアはドランクに向かった魔物を見ながら、

泣きそうな顔で杖を握った。

『ごめん、ドランク』


アクアウォールを維持しながら

村人の親子の近くまで駆け寄ると、


「ありがとうフリージア先生」

女の子が嬉しそうにフリージアに声をかけた。


「早く行って」

フリージアはいつもなら少女を気にかけて

優しい言葉を掛けていただろう。

ただ今は全く余裕が無い。

早くドランクを助けたい一心で、

あの女の魔物を退かせたいからだ。


村人を逃がしたらフリージアは真っ先に

ドランクを助けるはずだった。

フリージアはドランクの病の事は知っている。

フリージアはドランクの病を治したいが為に

医学を身に付けたのだから。

フリージアは治癒系の魔法が苦手で

魔法使いではあるが防御系ではなく、

どちらかといえば攻撃系の魔法が得意であった。


この世界の魔法は原則、『火』『水』『風』『土』『光』『闇』の

大きく分けて6つに分類される。

そして魔力量は魔族→人族→獣族の順に多いとされており、

一般的には人族は一人につき大体が

1属性の魔法を使えるとされている。

勿論、例外もあり複数属性を持つ者もいるが

基本は1属性使えるか、

全く使えないかの2択となる。

その一部の例外として

魔力量にもよるが自身の魔力量を半分とし、

使える属性を増やす方法がある。

特殊な儀式を用いて自らの属性を分ける形だ。


ただしこれには相性があり、『火』と『水』、

『光』と『闇』といった相反する属性は

持てない。また、魔族は『光』を持てず、

人族は『闇』を持てないとされている。


獣族に関しては魔力量が少ない為、

元来魔法が使える者が少ないとされているが

獣族にはそれを補ってあまりある

身体能力があるとされる。



そしてこの魔法の分割による一番の問題は、

『大幅に魔法のレベルを引き下げる』という事だ。


元来使えていた魔法の属性が著しく

低下するのである。

例えば全く同じ魔法を使っても、

使用者のレベルにより魔法の効果に差が出る。

その場合、魔力の量や質、

魔法陣や魔道具による補助などが挙げられるが

一番はその魔法および

その属性への適性が関係している。

すなわち使える属性を増やすという事は

使える属性の魔法適性が下がる形になる。


フリージアは元来『風』の魔法を得意としていた。

医術的に見ると水の魔法がどうしても欲しかった

フリージアは『風』の属性を捨ててでも

『水』の治療魔法を覚えたかったのである。



「やれやれ、その程度の魔法で

あたしを抑えられると思ってるのかねぇ」


女の魔物が口元に笑みを浮かべながら近付いて来た。

まさにニヤリと擬音がつきそうな不敵な笑みだった。


フリージアには一定の実力があり、

相手の魔物が強い事は分かった。

だが引けない、退いてはいられない。


「エアウィンドゥ」


言葉と共に見えない空気の刃が生じる。

杖を持たない手を横なぎに振り払うと

風の刃でアクアウォールに群がる

ゴブリンもどきを切りつける。


「キキィー」

何匹かのゴブリンもどきは後ろに下がった。


そこにすかさず後ろにいたはずの

女の魔物が爪を一振り。

腕を軽く振るっただけで

アクアウォールによって出来た水の壁は

切り裂かれた。


「もろい、脆いねぇ」

魔物はその笑みを歪めながらクックックッと笑った。


「エアウィンドゥ」

「アクアカッター」

連続して二つの刃を繰り出したフリージア。


風の刃はまたもゴブリンもどきを

切り裂き後退させたが、

水の刃はあっさりと女の魔物によって

軽く切り裂かれた。


「ふーん、同時詠昌に連続発動ねぇ。

人族にしてはやるじゃない。

でも威力がこれじゃあねぇ」


元来、同時詠昌や連続発動は難しい部類に入る。

しかも別々の属性の魔法を維持したり、

連続で発動するにはそれ以上の技術が必要とされる。


昔のフリージアであれば風の魔法は

より強固で上級魔法とされているものも扱えた。

だが今では…


「あなたたちは私が抑えてみせるわ」


虚勢とは分かっていても言わざるを得なかった。

ドランクを助けたいフリージアは

今はこちらに魔物の意識を向けさせなければならない。

特にこの女の魔物だけは。


『早くしないとドランクが…

どうにかして魔法を練る時間を稼げれば…』


「あたしたちを抑える?

笑わせるねぇ、そもそもあんたたちここにいるのが

全部だと思ってるのかい?」


『えっ?』


フリージアは一瞬何を言われたか分からなかったが、

自分の顔から血の気が引いて行くのが分かった。


「この村の者たちをそう簡単に逃がすと思うのかえ?

わたしはそんなに甘くないよ。

今頃恐怖に怯えているころじゃないかねぇ。」

またもクックックッと笑いを上げて

女の魔物はいやらしくフリージアを見た。




丁度フリージアとドランクが広場で魔物と戦い始めた頃、

レンはミスティと一緒に家を出た頃だった。


「とりあえずどっちに行くか。」

俺はそう言って広場のある南に出るか、

神殿のある北に行くか考えた。


「レン、早く行きましょうよ!」

ミスティは俺の手をひっぱり

神殿のある高台の方へ行こうとする。


俺の家は村の北側にある。

北の入り口と南の広場との中間的なポジションだ。

当然逃げるならば北に行くべきなのだが

一つ気になった事がある。


「フリージアさんやドランクおじさんは逃げたのか?」

ミスティに確認する。


「フリージアさんは分からないけど…

ドランクおじさんは多分広場の方に…」

ミスティは少し俯いたあと、


「でもドランクおじさんならきっと大丈夫だよ。

おじさん強いし…」

ミスティがそういって俺の手を握った時、



「キキィー」

それは現れた。


なんか変な影の中から変な頭の形をした人型の何かが…

手に棍棒を持って見えた。

しかも続々と北の方面から…


そこへ村人の何人かが走って来ていた。

後ろの人たちには見覚えがあったが

先頭で剣を持った2人はあまり見覚えが無い。

恐らく自警団の人だとは思ったが名前は覚えてない。


そう言えば最近この村に来た元冒険者だかで

自警団に来てドランクおじさんと

何か言い争っていたというのを聞いた記憶がある。


先頭を走っていた男の一人が目の前に現れたソレに驚き、


「なんでこっちにも魔物があらわれやがるんだよ!

ふざけんなよ!!」

と魔物の群れの方を見て立ち止まり剣を構えた。


もう一人の男はそれを見て、

「お前らとっとと先に行け!

お前らがあいつらの注意を惹いている間に

俺たちが倒してやる!!」


うしろであとを追いかけていた村人たちに向かって

声を張り上げた。

うしろの村人たちは震えながら首を左右に振っている。


「ふざけやがって」

俺は胸糞悪くなり、ミスティの手を離し

そちらに向かって行った。



「クソッ!こんなことなら金目のモンだけかっさらって

早めにトンずらしとくべきだったぜ」

剣を構えた男が舌打ちと共に後ろに下がりながら言った。


「全くだ!ドランクとかいうクソおやじのせいで

手間取っちまったからな」

もう片方の男はうしろの村人たちに唾を吐いてから

剣を抜いて男の隣に立った。


「とりあえずこのうしろの奴らを囮になんとかしねぇとな」


「こんなところで死ぬなんてまっぴらごめんだからな」


お互いに自分たちが逃げる為だと言って左右に分かれた。

後ろにいた村人の前をあけて…


魔物たちは当然、素手の村人を襲うだろうと、

その隙に一気に駆け出して

突破しようとする算段だったのだろう…


しかしそのアテは外れた…

左に行った男に真っ先に白羽の矢がたった。


男は突然横に現れた魔物に対処できず、

手にした棍棒を振り下ろされ頭部を見事に粉砕された。


右に行った男はソレを見て『ひぃいい』と

声をあげたかと思うと腰を抜かして

その場に座り込んだ。

下半身からは水を滴らせている…


魔物たちにすれば得物があろうがなかろうが関係なかった。

結局は皆殺しにするのだから、

武器があってもなくても襲いかかっただろう。



魔物は村人めがけて襲いかかろうと

棍棒を持って近付いた。


村人たちは元の来た道を戻ろうとして

慌てて走ろうとするが

そのうちの一人が足がもつれてうまく走れずに

コケた。


魔物の棍棒が

その村人の頭部に振り下ろされそうになった時、


「グギャ」


魔物が真横に吹っ飛んだ…

それはもうキレイに真横へと。


スタッと俺は村人の前に降り立った。

俺の飛び蹴りが見事にクリーンヒットしたのだ。


村人はポカンとした表情で俺を見ている。

俺は村人に構わずに魔物の群れを見る。


腰を抜かして足元に水溜りを作っている男を一瞥し、

「雑魚がっ」

と口にした。


俺は沸々と体から湧き上がる力と共に

感情がどうしようもなく高ぶっているのを実感していた。

おまけに自分では信じられないくらい体が動くし、

その動かし方が分かる。

普通、自分の身体でもこんな動きは出来ないはずなのに

今は自分で思う以上に体が動く。


【以下回想】

別の身体なら、慣れない為に、

イメージ通りに体を動かす事は出来ないだろう。

しかも反射速度や思考能力が格段に上がったとしても

脳の認識がついていかないはずだ。


前から疑問に思っていたが、

よくアニメの主人公やキャラクターで

突然パワーアップしたり、転生したりして

一気に強くなったりするが、

実際いきなり身体能力がアップしても持て余すか、

ついていけないはずだと…


修行や訓練で慣らす事は出来るのかもしれないが、

基本、脳にはリミッターがあり、

そのリミッターは身体の制御上必要なもので

仮にMAXで使ったら相当な負荷がかかるはずだ…

よく人間は10%程度しか脳を使っていない

などと言われるが、部分的には

100%使われているらしいと何かで読んだ事がある。

ただ肉体を制御するのはともかく、

急に判断力や認識速度が変わったら

色々と大変な事になるのではないかと思った。


つまり…

身体はF1マシンでもそれを操る脳が

ペーパードライバーだったら宝の持ち腐れだろう。


でも一つ分かった気がした。

凄まじい速度で森を走っていても

木にぶつからないとしたら

反射速度というか認識速度も格段に

上がっているからだろう。

0コンマ何秒の内に色々考えられるとか

行動を取れるのも走馬灯やゾーンの様な状態に

入った時の事を考えれば理解出来るのかもしれない。

【自問自答終了】



股間を濡らした男が『うわぁぁ』と喚きながら

剣を振り回していたので、


トンッ


すばやく背後に駆け寄り首元に手刀を叩きこんでやった。


正直あまり近寄りたくも無かったし、

思いっきり後頭部あたりを蹴り飛ばしてやっても

良かったのだが、目ざわりだったのでとりあえず黙らせた。


こんな雑魚は殺すより気絶させといた方がいいだろう。

さっきコイツ、ドランクおじさんの事をなんか言ってたし。

一応生きてたら事情を吐かせてみてもいいだろう。

まぁ、絶対吐かせるが。


ただ力加減が分からずに殺してしまうのも

何かイヤだったので

滅茶苦茶軽く、

下手したら俺的には寸止めした位だったのに

暗殺者バリの手際の良さだったな。


男は…まぁ、自分の作った水溜りに

顔をつけて口から泡出してるけど…

うん、問題無いだろう。


俺は手刀を繰り出した直後に男が落とした剣を

すばやく手に取りながら視線を魔物の方向へと向けた。


直後に目の前に数匹の魔物が躍り出てきたが、

出てきた瞬間切り捨てた。

数匹の魔物の首がまとめて飛び、

周りの魔物も一瞬怯んだが、

すぐさま次々と魔物が襲ってきた。


「さてと、やるか」


俺は1回首をポキッと慣らして身構えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ