表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイムネメシス~二度目の人生は二つの入れモノde~  作者: あすか良一
第一章 【異世界での旅立ち】
3/119

第2話 『襲撃』

第2話

『襲撃』


突然の爆発音に俺は思わず飛び上がりそうに

なったが、上体を起こそうとした瞬間、


ピキっ


腰が音を立てた為、起き上がれなかった。


「レン、お前はそのままそこで待っていろ!

俺が様子を見てくる!!」


おじさんは慌てながらも扉の前で僕に向かって

そう言ってダッシュで去って行った。


僕は何か嫌な感じがして、

ベットを降りようとするがうまく体が動かず、

足に布団が引っ掛かり…


ビターン!!

という音と共に床にダイブしてしまった。

顔面から…

なぜか最近床へのダイブが多い気がする。

大丈夫かな僕の顔面…




『ここは一体どこだろう?』

僕は暗い部屋の中にいた…部屋なのかどうかも

分からないが寒くもないし暑くもない。

風もないし、視界はないが不安ではない。



「くそう、どうなってやがる」

ドランクは腰にさした剣の柄を握りながら

忌々しげに睨みつける。


家を出て音のした方向にやって来てみれば、


その先はさっきの爆発があったであろう村の広場の一角だ。

クレーター状に見える上に大きな1匹の魔物の姿があった。

更にその周りには多くの黒い影の様なものの中から

何かが這い出てきていた。


1匹の魔物は上半身が女の身体で

頭には2本の角のようなものが生えており、

下半身は蛇の様なかっこをしている。

目はハ虫類の様で金色の瞳の部分が妖しく光っている。


周りの影から出てきた何かは

やがて姿を現わした。

ゴブリンの様なカッコをしているが

ドランクの知っているものより一回りほど身体が大きく、

オーク未満ゴブリン以上といった所か。

こちらも頭部には角のようなものが生えており、

手には棍棒のようなものを持っている。


その魔物たちの周りでは

村の者たちが慌てて逃げて行っているのが見える。


「やりな」

女の魔物がそう言うと、

周りの魔物たちが村人たちを襲い始めた。


「キキ―!」

と叫びながら周りの魔物たちが村人に襲いかかった。


襲いかかられた子供をその母親であろう女性が

かばおうとした時、


「アクアウォール」


広場の端から声が聞こえた。

杖をかざしたフリージアだった。


襲われた親子の前に振り下ろされた棍棒は

水の障壁に跳ね返された。

あたり一面に水の壁が現れ、

逃げ遅れた村人たちは慌ててその内側に逃げ込んだ。


「ちっ!めんどうだねぇ」

女の魔物は心底めんどくさそうに呟いた。


「フリージア!!」

ドランクはその魔物の反対側から叫んだ。


「ドランク!こっちは何とかするから

そっちでも何とかしてくれる!」

お互い昔、パーティーを組んでいた事もあってか

それだけで意思疎通出来たようで、

フリージアは村人の守り、

ドランクは相手の魔物への攻撃と役割を決めていた。


「おい、そこの魔物!一体何だって襲ってきやがった!!」


通常魔物は喋れない、魔物でも意思疎通可能なモノはいるが

基本言葉は発しない。

喋れるという事はある程度知識があるという事で

目的があるかもしれない。

恐らくこの村を襲ったのにも理由があるはずだと思い

ドランクは問いかけた。


だがいきなり襲ってくるような相手に

交渉の余地があるかと言えば難しいが…


何よりドランクが気になったのは

喋れる魔物という事は、

『魔族』である可能性が高いという事だった。

ただ実際、『魔族』は『獣人』などと違い

滅多に人前には姿を現さない。


この世界には

『人族』『獣族』『ドワーフ族』『エルフ族』『魔族』

といった人種が存在する。

ただ圧倒的に『人族』『獣族』が多い。

次いで多いのは混血種、

『ドワーフ』と『エルフ』でさえ

滅多に人前に姿を現さない。

一部交易上、人族や獣族と関わりを持つ者たちもいるが

基本不干渉の関係である。


この大陸には大きく分けて3つの大陸がある。

一つは人間族の多くが住む『エスカ大陸』

緑も多く、水源も豊富で豊かな土地が多い。

三大陸中最も広い敷地を持つ。


次いで獣人族の多く住む『シュミット大陸』

森や山が多く、動物も多く住むが気候の変化が激しい。


そして魔族が住むといわれる『フォルケン大陸』

3つの大陸と言われているが、実際にそれぞれが

明確に分かれているわけではなく

便宜上そう呼ばれているだけというのが正しい。


なぜなら、『エスカ大陸』と『シュミット大陸』は

地続きであり、大陸間を海を挟まず

行き来することが出来る。

昔は離れていたはずの陸地が

今は繋がっているからだとされている。

ただ『フォルケン大陸』はこの2つの陸とは離れ、

どちらから行くとしても海を渡らなければならず、

現在交流と呼べるものは一切ない。


かつて魔族が攻め入って来た事もあるらしいが

詳しい文献は残されておらず、

こちら側から攻め入った事は無いとされる。

その理由としては、攻め入るメリットがないからである。


魔族の住む『フォルケン大陸』…

この大陸は他の大陸に比べ、圧倒的に住みづらいのである。

環境は悪く、人族ではすぐに死んでしまう、

人よりも頑強な体を持つ獣族でさえ辛い状況であると。


事実渡って帰って来なかった者が大半である。

だが、渡って帰って来たものは口を揃えて、

地獄だったという。


この世界の現在、知られている情勢は

人族と獣族が争い、魔族がこれまでは不干渉。


エルフとドワーフは仲が悪い

というのが通説である。


エルフやドワーフは元々数が少ない為

遭遇率が低いのだが、

魔族に関してはそのほとんどが情報不足により

ハッキリとしていない。


大まかに知られているのが、

『魔族』は

・言葉を解する

・見た目は魔物

・魔力が桁違い

と言ったアバウトなものが主であり、

ハッキリとこれが魔物!といった定義は知られていない。

しいてあげれば

『人語を操る恐ろしい化け物』といった認識だ。



女の魔物は忌々しげにドランクを一瞥し、

「そっちはあんたらに任せるよ」


その言葉に反応し、

周りの魔物たちはドランクの方を向き、


「キキキー」

百体ほどいた周りの魔物たちの内、半分ほどが

棍棒を振り上げ、ドランクに襲いかかる。


ドランクは「ちっ」と舌打ちをしながら剣を抜いた。


地名を良く間違えてる事に気付きました。

位置関係は把握しているのですが地名を覚えられないリアルな自分がいます…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ