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タイムネメシス~二度目の人生は二つの入れモノde~  作者: あすか良一
第一章 【異世界での旅立ち】
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第15話 『襲撃再び』

書ける内にバンバン投稿していきます。

更新途絶えない様頑張ります。

第15話


『襲撃再び』



とりあえず俺の頭の上でまったりしてる鳥は

置いといて…

「おい、これってどうゆうことだ」


ロックベルに聞いてみる。


「わ、分からん。それよりも大丈夫なのかね君は。」


特に何かされたわけでないし、

差しあたって何か起きそうな気配も無い。

しいて挙げれば『頭の上で粗相とかしないよな』

と心配になったくらいだ。


「ああ、特に問題は無い。」


割れた宝玉はそのまま割れた卵みたいになっている…

やっぱコレ卵だったんじゃないかと思いつつ、

頭の上の鳥を指さして聞いた。


「こいつが力の源って事でいいのか?」


「文献にはその事について載っていなかったし、

 聞いたことも無いので分からんが…」

ジロジロと俺の頭の上を見ながらロックベルは答えた。


「そうか…」


重さはあまり無く頭の上に乗っているのも

あまり気にはならないのだが、

なんだかよく見えないのでとりあえず何かされる前に

両手でガッチリキャッチし、目の前に持ってきて見る。


すると、

『キュイキュイキュイー』

と鳴いて何かアピってきている。


『うん、分からん』と思いつつも

俺はとりあえずこの鳥?をどうするべきか考えた。


一応害はなさそうに見えるが、

これが力の源だとしてどうすべきか…


そう思っていると、ロックベルが…

『アレッ?』と言った感じで眉を顰めていた。


「どうした?」


「いや、それがマリアに聞いてみようと念話を

 使っているんだが何故か返事が聞こえぬのだ。」

どうやら念話が使えないらしい。


困った俺は一応レンに聞いてみる。

この鳥どうしたらいいのか分からんが

力を得ようとしたらどうしたらいいんだろうな。

と俺が聞いてみると、


「食べればいいんじゃないかな」

思わず口に出してレンが答えていた。


おいコラお前!と俺は思ったが、それを聞いた鳥が

思わず体をバタバタさせて逃れようとしていた。


まぁ喰われると思ったら暴れるよな。

それにしてもコイツ俺たちの言葉が分かるのか…


そしてレンが不用意発言を口にした瞬間、

つまり表に出た瞬間、俺の中に声が響いた。

手元では鳥が『キュイキュイ』叫んでいた。


『あちしは食べても美味しくないよ』

『いやだ、食べないで』

とか…

マジか…俺この鳥の言葉わかんのか…


『おい、レンこの鳥に色々聞いてみてくれるか』

とレンに伝えるも、

『聞いてみるって、鳥にどうやって聞くの?』

との返答。

『いや、お前もこの鳥が何言ってるか聞こえただろう』

との問い掛けに、

『聞こえるも何もキュイキュイ言ってるだけだけど』

マジか…俺にしか分からんのか…


仕方が無い、なんでか分からんが止むをえまい。

再び俺はレンに体を俺に渡させて、

「おい、お前はここに封じられていた力の一部なのか?」

俺は鳥に問い掛けた。


鳥はそれを聞いてキュイキュイ言っている。

すると頭の中に、言葉としてではなくイメージ的に

声が流れ込んできた。

さっきみたいに明確に聞こえる訳でなく、

何となくこう言ってるな的な…

『逆らわない』

『殺さないで』


おい、レン聞こえてるか?再度頭の中でレンに

聞いたが相変わらずレンには『キュイキュイ』

言ってるようにしか聞こえないらしい。


またかよ…なんで俺にしか聞こえないのか

分からないが今は手掛かりがあるだけマシか。


その後、いくつか鳥に話してみて分かった事は、

その鳥曰く、

『自分はあなたの力になりたい』

『自分は逆らわない』

『お願いだから一緒にいさせて』

との事。


まぁその他、

お前は鳥なのか、どうして鳥なんだとかも

聞いてみたがその辺はコイツにも分からないらしい。

因みに途中でレンにも聞きたいことは無いか

確認した所、

『君、なんて名前?』

『どっから来たの?』

とまるで迷子の子供に聞くような質問をした所、

『あちしの名前はご主人が決めて』とか

『あちしも今目覚めたばっかりで分からない』と

意外とハッキリ聞こえてしまった…

なるほど…俺にしか聞こえない訳は何となく分かった。


つまり俺と鳥は念話しているのだろう。

そして直感だが俺の魔力で目覚めたコイツは俺とだけ

念話が出来るのではないかと…

一応俺の魔力はレンの魔力でもあるはずなんだがと

思ったが、理屈はそれに近いはずだ。


ここまで俺と鳥の会話?を

黙って聞いていたロックベルだが、

「君はそれが何を言っているのか分かるのかね?」

恐る恐るといった感じで聞いてきた。


「僕はよく分からないんですけど

 グレンには分かるみたいです。」

思わず聞かれてそうレンが答えた。

答えてしまっていた。


「グレン?」

むぅと言う感じでロックベルは見ている。

まぁ当然そうなるわな…レンの馬鹿…

俺はやれやれといった感じでレンと交代し、


「そんな事より、とりあえずコイツに害はないらしい。

 一応俺についてきたいみたいだから連れていく。」


強引に話を戻した。


当然ロックベルには反対された。それはもう強く。

何があるか分からないし、

本当に害が無いとは限らないと。

当たり前の反応だし、俺もすんなり認めるわけは

ないよなと思いつつも、

『じゃあどうするんだ』と言った所で、


ドーンという爆発音にも似た音が上の方から聞こえてきた。


衝撃はそれほど大きくはなかったが

若干天井が揺れ、埃が舞っていた。


俺たちはすぐに扉を抜け階段を駆け上がった。

俺たちというのは俺とレンの事だ。

加えて、いつの間にか肩に止まっていた鳥と共に。


ロックベルは大慌てで、

「待ちなさい!」と制止していたが

俺に止まるつもりはないし、聞いている暇も無かった。


階段を駆け上がり、祭壇の間から飛び出た俺はそのまま

扉を抜け、部屋の外に出ようとした所でミスティを見つけた。


部屋を出て神殿入口に向かおうとした俺の前に

慌ててこちらに駆け寄ってきたミスティだ。


しかも先程の巫女服姿ではなく、

うすっらとした上着を羽織っただけのミスティが…

向こうもこちらに気付いたらしく、

「レン!」

と言って近づいて来たのだが…


そんな場合ではない事は分かっていたが、

俺は思わずミスティの姿を凝視していた。


主に胸の部分を…

年の割にというかスレンダーな割にやっぱあるよな。

とか胸の先端のポッチが気になって…

だって男の子だもんと…

いいおっさんだけどね!仕方ないよね‼

不可抗力だよね…


イカンイカンと思い、若干目を泳がせながら

「ミスティ何があった?」


「それがわたしにも分からないけど、

 身を清めてる最中に音がして…」

そこまで言ってから、

ミスティは『あっ』といった感じで気付いたのだろう、

自分の今の恰好を考えて

顔を完熟トマトの様に真っ赤にさせてしまった。


俺はなるべく下に意識を向けないようにしながら

自分の上着をミスティにかけた。


フッ俺ってば紳士だな。

変○紳士ならこうはいかなかっただろう…


上着を掛けられたミスティはちょっと俯きながら、

「ありがとう」

と呟いた。


とりあえずどこから音がしたのか確認するために

ミスティに聞いてみた。

どうやら神殿の外から音が聞こえたみたいなので

俺とミスティはそのまま神殿の外まで走った。


神殿の入口を出たところで、

俺たちはその光景を目の当たりにした。


空に浮かぶ魔物の群れとその先頭に浮かぶ黒い竜と

その背にいる男の姿。


その下でマリアさんが両手を空に向け障壁を張っている。


まいったな、またかよ…



昨日の今日で襲って来るとは…

海外ドラマじゃねぇんだぞ!

こう毎日事件ばっかり起こりやがって

流石はファンタジー世界だぜ。


俺は内心で舌打ちしながら状況を考察した。

おそらくまたこの神殿の力を狙って、

今度は直接神殿を狙ってきたんだろうが…

早い、早いよ…もうちょい時間くれよな。


仕方が無い、やるしかないか。

俺は自分にそう言い聞かせるように呟いた。


思ったのも束の間、

後ろの魔物の群れは空中に浮かびつつも、

先頭の竜は翼を羽ばたかせながらその背に男を乗せて

地上に降りてきた。


問答無用で攻撃してくるかとも思ったが、

神殿前の広場に降り立った竜の背にいる男は、


「お前はこの神殿の力を守りし者か?」

マリアに向かってそう聞いていた。


マリアは軽く肩で息をしながらも毅然として、

「だとしたら何だというのですか。

 あなたたちは何をしにここへ来たのですか。

 先ほどの攻撃といい、ここに害を成す者ならば

 早々に立ち去りなさい。」


「ふははははは、このガーゴイルの群れを見て、

 その様な不遜な態度がとれるとは面白い。

 単刀直入に言おう。

 俺にこの神殿の力を黙って渡せ。

 おとなしく従うなら良し、

 抵抗するというならば殺すがどうする?」

ニヤリといった感じで不敵な笑みを浮かべた。


男の顔は人間に近いが、目は切れ長で口から

二本の八重歯が見えており、肌の色は赤黒く、

人間ではないモノの雰囲気を醸し出している。

マントを羽織り、いかにも将軍です。みたいな格好だ。


「あなたたちをこの神殿に立ち入らせるわけにはいきません

 どうかお引き取りを」

額に汗を滴らせながらマリアは答えた。


明らかに虚勢であり、とてもではないが言う事を聞くとは

思えないのだが…

マリアは障壁を維持したままそう答えたが明らかに分が悪い。

とりあえずミスティとマリアを避難させないと、


俺はミスティに小声で

「俺が相手をするからミスティはマリアの所に行ってくれ」

そう告げて俺は先制攻撃を仕掛ける事にした。


色々とヤツから情報を引き出す事も考えたが、

戦いの必勝は先制攻撃だと俺の中の誰かが言っている。


『俺魔法発動』

俺は心の中でそう念じた。


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