長男サイド
7人家族の解説
クインス視点
セラスス城で騎士団の仕事を終えて
弟達と住んでいる
王都の自宅へ帰る。
家の明かりがついてる。
弟のスノウかハルスが帰っているようだ。
弟のスノウは、セラスス城の魔導師だ。
数少ない上級魔導師で今は、
部下たちを育てている。
ハルスと俺はセラスス騎士団だ。
残念ながら俺達は魔導師の素質はなかった。
だが、俺は獣人だから
人間とは比べものにならない身体能力がある。
速く走れ、高く飛べ、腕力も強い。
ハルスは人間だが、セラスス騎士団
偵察隊に所属しているだけあって
人間の中でも強いほうだ。
今は、兄弟三人で城下で暮らしている。
俺たちには三人の父親がいる。
ロータス父さんは、元セラスス騎士団長。
人間で騎士団長になれるのは滅多にない。
俺とハルスはそんな父さんに鍛えられた。
マグオート父さんは獣人だ。
父さんも元セラスス騎士団で特攻隊だった。
ロータス父さんと
一緒によく俺たちをボコボコに鍛えてくれた。
ツンベルク父さんは、博識だ。
勉強は全部父さんに教えてもらった。
この世界のこともすべて。
父さんは、常に母さんのそばにいて守っていた。
今はみんな隠居して、母さんのそばにいる。
ロータス父さんとマグオート父さんは
今でもたまに夜、森に入り
魔物を狩ったりしているけど。
母さんはとにかく天真爛漫な性格だ。
いつも明るく危機感が少ない。
おかげで父さんたちは昔、苦労したようだ。
しばらく実家に帰っていない。
前回帰ったのは、一年前か?
あの時は、ツンベルク父さんが病気になって
大変だから帰ってきて!という手紙だったか。
王都から実家までは馬で二時間くらい。
急いで帰ったが、ツンベルク父さんは
全然元気だった。母さんがニコニコ笑いながら
「おかえりなさい」とか言ってたか。
そろそろ帰らないとな…なんて思いながら
玄関を開ける。
ガチャ
「ただいま」
「兄さんおかえりなさい」
「おかえり~」
「これ、
母さんからさっき手紙が届きました」
「ん」
カサっ
「クインス、スノウ、ハルス
ロータス父さんが大怪我をして命が危ないです。明日、朝一番で帰ってきなさい?」
「「「・・・」」」
「父さんが大怪我って、あり得るか?」
「ないでしょ!」
「あり得ませんね」
「まあ、そろそろ帰ってこいってことでしょ?
騙されたふりして帰ってあげよーよ」
「そうだな。一年帰ってないしな。
ちょうど明日は非番だ」
「俺も~」
「私もです」
「タイミングいいな。じゃあ、明日
夜明け頃、出発しよう」
「了解~」
「わかりました。」
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
「おやすみ~」
各々、部屋に戻り明日の準備をして
早々に眠りについた。
翌朝。
「よし、行くぞ」
「「了解」」
みんなで馬にまたがり出発する。
夜が明け朝日が辺りを照らしはじめ
王都を抜け、田舎町を走る。
「そろそろつくな」
「ここは相変わらず誰もいないね~」
「この先は父さん達の土地ですからね。
近くの街からも少し離れてますし、
この先は父さん達の家しかありませんから。」
「おい、外にいるのは
マグオート父さんか?それと子ども?」
「え?子ども?」
「本当ですね。子どもとマグオート父さんです」
「あっ!こっちに気づいて中に入った~!」
「とにかく、行ってみよう」
中に入ると、久しぶりの実家の匂いだ。
「おい!!息子たちがきたぞ!!」
食事室からマグオート父さんの声が聞こえる。
「ママ、お馬さんに乗ったよ!」
「ヒツジふわふわ」
『ふふ、良かったね』
女の声?知りあいでもきてるのか?
バタン!!
「母さん!父さんは?」
「きたか」
「あれ?父さん元気じゃん」
「母さん、ウソつきましたね?」