現実を突きつけられる
若手登場
「おかえりなさい!あなたたち!」
「おかえりなさいじゃないよ、母さん!」
最初に入ってきた金髪に綺麗な碧眼の人。
頭に動物の耳がついてる!ふさふさの尻尾も!
細マッチョだ。
「そうですよ。」
銀髪でメガネ、綺麗な翠の眼の人。
頭が良さそう。
「あははー!また騙されちゃった感じ?」
茶髪で綺麗な紅の眼の人。
人懐っこい感じの人だ。
みんな美形だ。こんなカッコいい人
はじめてみたわー。びっくり。みんな背が高い。
180センチ以上は確実にあるな~。
羨ましい。
「だってあなたたち全然帰ってこないじゃない!これくらい言わないとね!」
「はぁ、で?なんで呼び出したんだ?」
「まあ、まず自己紹介よ!この娘はアキさん、
女の子がユメちゃん、男の子がユヅキくんよ!」
『おはようございます。すみません。
お家にお邪魔してしまって。』
「「「・・・」」」
「黒い眼にその肌の色・・・」
やっぱり珍しいんだ。どうしよう。
すると、
「マグオートおじさん!またお外行こう!」
「行こう~」
「よしっ!行くか!
俺は子ども達と外で遊んでくるぞ!」
子ども達、お兄さん達に見向きもしないな…
バタン!!
「父さん子ども好きだったっけ?すげー楽しそうじゃん」
「もう!まあいいわ。
この金髪がクインス、獣人よ!
銀髪がスノウ
茶髪がハルス。」
「よろしく、クインスだ。
そんなに見てどうした?獣人なんて
どこにでもいるだろう。
君の黒い瞳と肌の色のほうがよっぽど珍しい。」
『ごめんなさい!じろじろとみてしまって。
はじめてみたから。。。わたしの瞳と肌、
やっぱり珍しいんですね。。。』
「はじめて?」
「まあ、それは後ではなすから
自己紹介しなさい。」ツンベルクさんが言う。
「はじめまして、僕はスノウ。
王都セラススで魔導師をしてます。」
「どーも!ハルスです!俺はクインス兄さんと
一緒に王都で騎士をしてる!よろしくね~」
『よろしくお願いします。アキと言います。
ちょっと訳あってダリアおば様達にお世話になってます。』
「夫達はどうした?
女、子どもだけで」
『えーっと』
「わしが話そう。」
ロータスさんが私に起こったことを
息子さんたちに話してくれた。
「「「・・・」」」
「そこでスノウ!
あなたアキさんに魔法が使われたか、
調べられる?」
「はい、昨日のことならまだ
魔法の残像があるはずです。
少し失礼します。」とスノウさんが
私の手を握って何かを調べているみたい。
「うん、魔法使われてるようです。
それもかなり高度な召還魔法です」
「でも召還魔法ってかなりの人間の犠牲を払ってするんじゃなかったー?」
「そうだ。召還出来ても元の世界に返すことは出来ない。」
「はい。召還するだけでもかなりの人間の犠牲と
魔導師の魔力を消費します。成功率も1%あるかないかくらいです。」
『そんな。。。』
もう、帰れない?
子ども達も友達にも祖父や祖母にも
もう二度と会えない?
涙が頬をつたい、絨毯にシミをつくる。
はずだった。
『え?』
絨毯に落ちたのは、綺麗な涙の形の宝石だった。
「「「!?」」」
「これはサファイア?」
『なんで?え?』
わかんない、わかんない。
どうなってるの?
帰らなきゃ!ここ私の世界じゃない!!
バタン!扉を力一杯開けて駆け出す。
動物と遊んでいる、ユヅキを抱きかかえ
ユメの手をひいて走る。
とにかく、昨日の木のところに行かなきゃ!
あそこから帰れるかもしれない!!
「ママー!どこいくの?はやいよー!」
うろ覚えだけど、こっちだったはず!
バタバタと走って木を目指す。
『あ!あった!』
綺麗なピンクの花びらがふわふわ
落ちてくる。
『ここから帰れるかも!』
眼を閉じて祈る。お願い!
帰らせて!!
一時間くらい子ども達を抱きしめて祈ってた。
「ママ~どうしたの?」
「ママ~」
目を開ける。なにも変わらない。
綺麗な花びらが舞うだけ。
『ごめんね。ごめん』
「ママ~泣かないで」
「ママの涙、キレイな石になっちゃった!
すごーい!」
『ごめん、もうお家帰れないかもしれない』
「そうなの?大丈夫だよー!
だってママとユヅキと一緒だもん」
「大丈夫~」
『うん、うん、ありがとう
ママ頑張るからね。』
「そろそろ落ち着いたか?」
木の後ろからクインスさんが出てくる。
『クインスさん』
「お兄ちゃんお耳と尻尾がある~!」
「触ってみるか?」
「うん!!」
クインスさんがしゃがんで
子ども達に尻尾や耳を触らせる。
「ふさふさだー!」
「そろそろ帰ろう。母さんが心配してる。
マグオート父さんもみんなも」
『ごめんなさい。いきなり飛び出したりして』
「いや、あまり思い詰めるな。
母さんも父さんもお前達を気に入ってる。
なんでも力になってくれるさ。」
「もちろん俺たちもね~」
「そうですね」
ハルスさんとスノウさんもきた。
「返すことは残念ながら僕には
出来ませんが、
他に出来ることなら力になります。」
「まあ、腕には自信があるし、
守ってあげるよ~」
『ごめんなさい。
本当にありがとうございます。』
家に戻ると、
「アキさん!良かった無事で!」
『ごめんなさい。心配かけて』
「いいのよ!びっくりしたわよね。
こっちこそ、ごめんなさい。」
『これからどうしよう。
まず仕事と住む場所を探さなくちゃ。』
「何言ってるの!ここにいたらいいわ!」
『でも、そこまで迷惑かけれません。』
「迷惑だなんて!可愛い娘と孫が出来たみたいでとても嬉しいのに!」
「ダリアもこう言ってる。この世界で
君を守ってくれる者が見つかるまで
ここにいればいい。」
『ありがとう、本当にありがとうございます。』
またポロリと涙がこぼれる。
今度はエメラルドだった。
これからどうする。