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デッドワールド  作者: ヘルシーもやし
7/17

咆哮のアグエリアス

「おとなしくしやがれ!!」


ジャックはアグエリアスに拳銃を突きつけた。

アグエリアスは両手を上げて降伏し、エディも鉄パイプを地面に置いて両手を上げて降伏した。


「銃を持ってないか確かめろ!!」


ジャックは仲間達にエディ達のボディーチェックをさせて、アグエリアスから刀とFP43を奪った。


「こっちはナイフしか持ってない!!」


仲間の1人がジャックに報告した。


「バハハハハハッ!!!

銃も持たないでよく今まで生きて来れたな~!!」


「銃はイーターを引き寄せる・・・

だから使わなかった・・・

けど、次からはちゃんと持つようにするよ・・・

あんた達みたいな奴等に使うために・・・」


エディはジャック達を睨み付けた。


「おもしろい小僧だぜ~!!

まだ明日も生きていられると思ってやがる!!!」


ジャックは大声で笑った。


「ジャック!

もう日が暮れてるから外は危険だ

中でゆっくりこいつらと話をしようぜ」


「そうだな!

おい!!

ガキ共!!

家に入るぞ!!!」


ジャックとスピナーはエディとアグエリアスに銃を突き付けながら、家に入らせた。


ーバタンッ!!


「お前らは床にでも座ってろ!!」


ジャックの仲間の1人がそう言ってアグエリアスとジャックの尻を蹴飛ばした。

二人は床に倒れた。

その様子を意地の悪そうな顔でジャックは見ていた。


「まさかお前らの家が俺達に占領されてるとは夢にも思わなかったろう!?」


「あぁ・・・そうだな

いい教訓になった・・・」


アグエリアスは先程蹴られたズボンの尻の部分が汚れてしまったので、両手ではらい、床にあぐらをかいて座った。


「あんたは、ジャックっていったか?

話をしよう!」


エディもアグエリアスの横に座って、ジャックに話し合いを提案した。


「ふざけんな!!!

お前らは勘違いしてやがるぜ!!!

いいか!!!

これからするのは話し合いじゃね~!

尋問だ!!!

俺達に聞かれたことは素直に正直に答えろ!!

わかったか!?」


ジャックは2人に怒鳴り散らし、エディの提案を却下した。


「お前らに言っておくぜ!

お前らが今までどんだけ温い生活を送ってきていたかは、だいたい想像できるが、今の状況をちっとはその無い頭を必死に働かせて考えろ!

お前らを殺そうと思えばいつでも殺せるんだぜ!

お前らは黙って、俺達に聞かれたことだけを喋ってろ!!

それ以外は喋るんじゃね~よ!!」


髭面でライダースを着ているスピナーが銃を2人に向けて威嚇した。


「外に置いてあるポリシェのキーはどこだ!?

どっちかがもってるんだろう!?

さっさと出せ!!」


ジャックは銃を2人に交互に向けながらポリシェのキーを要求してくる。

アグエリアスはため息をついて、ジャックに自分のリュックを探させた。


「お~!!

あったあった!!

へへへっ!!!

ついに見つけたぜ~!!!」


ジャックはポリシェのキーに頬擦りした。


「・・・くっ!

忌々しい・・・」


アグエリアスは露骨に嫌そうな顔をした。


「そういや~、お前らは物資の調達に出てたんだろ?

なんか収穫はあったか!?

ん~?

どれっ!見せてみろ!!」


ジャックは仲間に顎で合図して、エディとアグエリアスの鞄を物色した。


ダメだ・・・頼む・・・


アグエリアスが呟いている。


「見ろよジャック!!」


ジャックの仲間がアグエリアスの鞄からプリンの缶詰めを3缶取り出してジャックに見せた。


「てめぇ!!!!

この野郎!!!

俺のプリンに触るんじゃねーーーーーーー!!!」


突如アグエリアスがものすごい形相でジャックの仲間を怒鳴りつけた。


「ア・・・アグエリアス!?」


エディはアグエリアスの突然の豹変ぶりに驚いて言葉を失った。


「バハハハハハッ!!

そうか!そうか~!!

そんなにこのプリンが大事か~?」


ジャックとスピナーは意地悪気な笑みを浮かべながら缶詰めにナイフを突き立てた。


「いいか!!!

俺はたとえ愛車のポリシェを薄汚い野党共にやむ無く奪われたとしても!!

たとえゲスな盗賊共に尻を蹴飛ばされて地べたにひれ伏させられようとも、大抵のことは笑って許してやる・・・

だが、そのプリンは・・・

その焼きプリンの缶詰めを俺から奪い、食おうとしているやつを俺は絶対に許さない!!!!」


「バハハハハハッ!!

許さないだと~?

じゃあこのプリンをお前の目の前で3缶全てを食っちまったら・・・

俺はお前に殺されちまうかもしれないな~!!」


「俺も殺されちまうかも!!」


ジャックとスピナーは顔を見合せて大笑いすると、アグエリアスの目の前で、プリンの缶詰めをナイフでゆっくりと開いていった。


「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


アグエリアスの声を枯らすほどに叫んだ悲鳴と、それに負けじとジャック達の笑い声が部屋に響いた。


(なんなんだ・・・この状況は・・・!?)


エディは自分が置かれているこの不思議な状況に頭を抱えたい気分だったが、なんとか我慢した。

そして・・・

ゆっくりとジャックと仲間達がアグエリアスのポリシェよりも大事なプリンを口へと運んでいく・・・


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


アグエリアスの悲鳴が部屋中に響き渡った。


(俺達はいったい何をしているんだろう・・・?)


エディは気を失いそうだった。







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