ポリシェの男
ーオライオ州 ガセドニア 国道46号線
ーオォォォォォォォォォォ
ーアァァァァァァァァァァ
ーザンッ!!
刀が空を斬る音とイーターの首が地面に転げ落ちる音が夜の国道に響き渡る。
黒いニット帽を被った男が柄が青い刀でイーターの群れと戦っている。
迫りくるイーターに臆することなく1体1体の頭を丁寧に刀で飛ばしていく。
イーターの群れは単純に男を正面から食らおうと前進してくるが、男の間合いに入った瞬間に頭が地面に転げ落ちる。
男はたまに拳銃も使った。
FP43、12発の弾丸を込めることができ、何よりも反動が少ない扱いやすい拳銃だ。
男はしばらく戦い続けた後、飽きたのか、欠伸を1つしてイーターとの戦いを止めて愛車のポリシェに乗って夜の国道を猛スピードで走り去っていった。
ーオライオ州 ダンハ
エディはダンハの町の民家で目を覚ました。
マッシュが死んでから今日で1週間が経過する。
エディは物資を求めて民家を一軒一軒探して、めぼしい物を調達した。
「これからどうしようかな・・・」
エディは地図を見ながら悩んだ。
ダンハから北に向かうと大都市ブライハルがある。
おそらくイーターの大群がいるが、十分すぎる程の物資を手にいれることができる。
東に行けば小さな町がいくつかある。
ママドニア、カルキム、アルアリアンだ。
アルアリアンには大きなホームセンターがあり、いろいろとサバイバル生活に役立ちそうな道具をゲットできるかもしれない。
西は港町、G・ローメルがあり、もしかしたら船をゲットできるかもしれない。
まぁ操縦は出来ないが
「まぁ時間はたっぷりあるし、今は車とソーラー電池の充電が先決だな」
エディは車と電池を日光に当て、充電している最中だった。
車は日が暮れるまで充電させておけば30キロは楽々走れるだろう。
「散歩でも行くかな
まだ見てない場所もあるし」
エディはナイフをズボンの後ろポケットに入れ、鉄パイプを手に持ち、町を歩いた。
しばらく歩いていると、ハンバーガーショップ ザ・バーガー
を見つけた。
「へぇ~・・・ハンバーガーね・・・
もうずいぶん食べてないな・・・
また食べれる日が来るといいけどな・・・」
ーバタンッ!!
イーターが4体エディを見つけてザ・バーガーから出てきた。
女のイーターが1体に男性のイーター3体
「びっくりさせるなよ!
俺は客じゃない!!」
エディは女のイーターの額に鉄パイプをフルスイングし絶命させ
、男性のイーターの右目にナイフで脳目掛けて斜めに突き刺して絶命させ、急いでナイフを引き抜き、今度は横からエディの右肩をかじろうとしてくるイーターの右のこめかみにナイフを突き刺すと同時に前から迫りくるイーターの膝をおもいっきり蹴り、膝を折ると、最後は鉄パイプのフルスイングでイーターを殺した。
「ふぅ~・・・
なんか戦うのに最近慣れてきたな・・・」
エディは鞄から水の入ったペットボトルを取り出して少し飲んだ。
ーブーン!!ブーン!!
ーボン!ボン!ボン!ボン!
「車の排気音だ!!
人がいるのか!?」
車はエンジンをきったのか音が止んだ。
「行ってみよう!!」
エディは車の音がした場所に走って向かった。
5分ほど走ってやっと車を見つけた。
どうやら高級ソーラースポーツカーのポリシェだ。
エディは車の中を覗いてみた。
「中に人は・・・
いないみたいだな・・・
この近くにいるはずだな」
エディは近くを見回した。
家が5軒建っている。
もしかしたら物資を調達に来たのかもしれない。
「とりあえず、あの家に隠れて様子をみよう
必ず車に戻ってくるはずだ・・・」
エディは車から離れて向かいの家のドアを開けようとした。
「動くな・・・」
エディが声の方に振り向こうとしたとき、首の横に鋭い刀の刃が突きつけられていた。
「話をしよう」
どうやら、刀の主は男のようだ。
それもまだ若い感じの声だった。
エディは首を斬られないように慎重に声の主の方を振り返った。