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デッドワールド  作者: ヘルシーもやし
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ハリス・リーディナス

エディはスパイドローンセットをもらい、電磁カッターガンはカーライルが使うことになった。


「なぁ、パーシアス!

なんでこれをハリスに渡さなかったんだ?

俺達よりハリスに渡した方が良かったんじゃないのか?」


エディはずっと疑問に思っていた。

単身でピースロジャーに向かうのだからこの武器を渡しておけばイーター対策や危険な人間対策にもなるはずだ。

しかし、パーシアスはハリスに渡さず俺達に渡した。


「渡そうとしたさ、渡そうとしたんだが受け取らなかった・・・

その武器で妹と私を守ってくれとな・・・

ハリスはそう言って愛用しているクロスボウを1つ持って出て行った。

その矢先に君達が来た。

君達とは会ってからまだ間もないが私は軍にいたころいろいろな人間を見てきた。

その私の勘が言っている!

君達は善人だと、信頼できる人間だとな!」


パーシアスはエディに笑顔を向けて肩を優しく叩いた。


「君達もすでに私の家族のようなものだ!

どうか無事に帰ってきてくれ!!」


「うん!

ハリスやご両親を必ず助けてみんなでここに戻ってくるよ!」


エディは力強い眼差しでパーシアスに言った。

パーシアスはエディの瞳を見て頷いた。


「無事を祈ってるぞ!!」


グレイソンがガシッとみんなの手を握った。


「お姉ちゃん!!

無事に帰って来てね」


アシュリーは涙をポロポロ溢しながらティナとハグをした。


「お姉ちゃんを・・・よろしくね

みんなも絶対に無事に帰って来て!!」


アシュリーは探索組のみんなとハグをした。


「それじゃあ出発するぞ!!」


カーライルが扉を開けて先に外に出た。

エディ達も続いて出て行った。



ー2日前


「おやじ・・・おふくろ・・・

待ってろ・・・!!」


クリーム色のサラサラした綺麗な髪に、青い瞳をした長身のモデルのような顔だちの男が1人巨大な豪華客船ピースロジャーに乗船していた。

彼の名はハリス・リーディナス。

豪華客船での旅行中に世界の終焉を迎えてしまった両親にはもう2度と会うことは出来ないと思っていた。

そう・・・

港にピースロジャーが入港してくるまでは。

彼は祖父のパーシアスと妹のティナとアシュリーと山小屋で世界が終焉を迎えてからずっと暮らしていた。

もう両親には会えないとわかっていても毎朝食糧になりそうな獣を狩りに行くときはもしかしたらという思いで小屋から2キロほど離れた海が見える林の西側まで来ていた。

この場所はG・ローメルの港がよく見える。

この道を更に7キロほど進んでいくと道路に出る。

道路に出てずっと西を目指して更に10キロほど進むとG・ローメルの港に着く。

ハリスはその日たまたま普段狩りに行く時間の1時間遅く起きてしまい、慌てて食べれそうな獣を探して林の西側2キロほど行った海が見える場所まで来た。

そこでいつもとは違う景色が見えた。


「おいおい・・・

うそだろ~・・・!!

ありゃ~ピースロジャーか!?」


ハリスは興奮した顔でピースロジャーを眺めていた。


(早くじいさんに報告しなければ・・・)


ハリスは急いで小屋に帰りピースロジャーの件をパーシアスに報告した。


「おやじ達を迎えに行ってくる」


「しかし・・・船の中にもしイーターがいたら危険だ!

私が行く!」


「いや・・・

俺が行く!

イーターの扱いは俺の方がうまいし、じいさんは妹達を守ってもらわないといけない!

それに考えてもみろよ!

年寄りに迎えに行かせて若者が留守番なんかしてたらおやじに殴られちまうよ」


ハリスはそう言って食糧を積めた鞄と矢の入った袋を担ぎ手にクロスボウをもった。

パーシアスの発明品の電磁カッターガンとスパイドローンセットを持って行けと言われたが、断った。

G・ローメルには何回も行っているが、イーターの数もそんなに多くないのでクロスボウだけで充分だった。

念のため愛用しているサバイバルナイフも持ってるので装備はこれ以上いらなかった。


「それは大事に持ってろよ!

妹達に伝えてくれ!

すぐにおやじとおふくろを連れ帰ってくるってな!」




ハリスはピースロジャーのロビーに続く広い廊下をゆっくりと進んでいく。

おかしい・・・

ハリスは乗船してからすぐに疑問を感じた。

人の気配がしない・・・

ハリスはそんな疑問を抱きながらも進んでいくと、ロビーに出た。

高級家具が所々にあり、設置されているソファーや4人がけのテーブルもすべて高級品だ。

そんな高級なソファーやテーブルが何百も設置されている。

それから一番目を引いたのは巨大なエレベーターといくつもの船内に続く通路と階段だ。

このロビーだけでもかなりの広さだ。

さすが豪華客船のロビーだけある。


「なんてこった・・・

どこから探索すりゃ~いいんだ・・・」


ハリスは困った。

豪華客船など生まれてから一度も乗ったことないハリスにとってはどこから探索に向かっていいのかさっぱりわからない。


「しかし・・・どうも変だな

なんで乗客が一人もいないんだ?

みんなダンスフロアにでもいんのか!?」


ハリスはとりあえずエレベーターの横の船内の地図を見て、5階にレストランがあるらしいのでエレベーターで行ってみることにした。









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