電磁カッターガンとスパイドローンセット
一晩経ち、ピースロジャーに行くメンバーが決定した。
探索組のメンバーはエディ、クロエ、ティナ、カーライルに決まった。
「じゃあ行ってくる!」
「ちょっと待ってくれ!!」
パーシアスはそう言って隣の部屋に行き、何かを持ってきた。
「これを持って行ってくれ!!
きっと役に立つ!!」
パーシアスはスマートフォンのような端末機と奇妙な形の銃が1丁収まっているホルスターをエディに渡した。
「おじいちゃん!!
それって・・・!!」
「この人達にあげるの!?」
ティナとアシュリーは困惑した顔でパーシアスのもとに寄った。
「ティナ・・・アシュリー・・・
いいんだ!
この人達ならば上手く使ってくれる!
エディ君!
まずその銃を取り出してみてくれ!」
エディはホルスターから銃を取り出してみた。
「その銃は
電磁カッターガンだ!」
電磁カッターガンは拳銃のサイズの大きさだが、銃口が掃除機の吸い口のような横長の形をしていた。
銃口の幅は7㎝くらいで、中に円形の刃が収まっていた。
「その銃は弾丸を発射しない。
特殊な磁力を帯びた円形の刃を磁力の力で打ち出す。
刃の射程は約200メートルだ。
電磁カッターガンにはトリガーが二つついていて、上のトリガーを引くと刃が発射する。
下のトリガーで刃が帯びている特殊な磁力に反応する強力な磁力を発生させて刃を銃口にブーメランのように引き戻すことができる!」
全員はパーシアスの説明に驚きを隠せなかった。
「あんた・・・
こんな物どこで手にいれたんだ!?
こんな銃俺は見たことがないぞ!?」
カーライルはエディから銃を貸してもらい隅々まで銃を眺めながらパーシアスに言った。
「・・・昔、軍の研究所で磁力を使った武器の研究をしていたんだ。
電磁カッターガンはその時に造った武器の1つだ。
軍人しか持っていない。
私が研究所を去るとき何個か私の発明した武器を持って帰ってきたんだ。
内緒だぞ」
パーシアスは鼻に人指し指を立ててあて、ウインクした。
「何それ~!?
チョ~かっこいいじゃな~い!!」
クロエがカーライルから銃を奪い取って眺めている。
「まだ俺が見てるとこ!!」
カーライルとクロエは取り合いを始めた。
エディはもう1つのスマートフォンのような形の武器を手に取ってみた。
液晶画面が黒く何も映っていなかったが、おそらく電源を入れれば点くのだろう。
端末機の脇に電源ボタンが1つついていた。
「すごいでしょ~!!
おじいちゃんの発明品は半端ないからねっ!!」
「アシュリー!!
この筋肉マンから取り返してくれよ!
俺まだよく見てないん・・・」
ードゴッ!!
「グハ~ッ!!」
カーライルの顎に強烈なアッパーカット。
「誰が筋肉マンだこの野郎~~~~!!!」
エディはボタンをスマートフォンを起動させる要領で長押ししてみた。
ーブォ~ンッ!!
という音をたててスマートフォンのような端末機の電源が入った。
画面を見てみると、スマートフォンのメニュー画面に酷似していた。
「君が今持っている道具はスパイドローンセットだ」
「スパイドローン!?
えっ・・・!?
ドローンが無いけど!?」
エディは端末機の裏を見てみた。
「すみませ~ん!!
すみませ~ん!!
勘弁してくれ~~!!」
カーライルはクロエに首を脇に挟まれながら必死に謝っていた。
「乙女を舐めんなよこの野郎!!!」
クロエがカーライルにチョークスリーパーをかける。
「キャーーー!!
いいぞ~クロちゃ~ん!!
もっとやれ~~!!」
アシュリーはぴょんぴょん跳び跳ねて興奮した様子でクロエを応援していた。
「あっ!!
なんかついてる!!」
エディは端末機の裏に2㎝くらいの窪んだスペースに、超小型の球体状のドローンが収納されているのを発見した。
「グレイソン・・・!!
助けてくれ~~・・・!!」
クロエにチョークスリーパーをかけられて瀕死のカーライルがグレイソンに助けを求めている。
「いや・・・無理だ・・・」
グレイソンはエディのスパイドローンに興味があるようで、瀕死のカーライルを無視してエディの元へと歩いて行った。
「誰か・・・誰か助けてくれ~~~~~~!!」
「エディ君!
端末機の画面を見てくれ!
あっ!
そう言えば端末機に名前を付けて無かったんだった!
端末機じゃ言いにくいから名前をつけるかね?」
「スマホでいいんじゃないかな!?
面倒だし!」
「よし!
スマホだな!!
エディ君!
スマホの画面を見てくれ!
7つのアイコンがあるだろう!」
「起動」「帰投」「録音」「撮影」「再生」「無線」「共有」
という6つのアイコンが標示されている。
「まずは「起動」をタッチしてみてくれ!」
エディは「起動」をタッチしてみた。
すると、ドローンが無音のまま上空へと飛び上がった。
「うぉ~~!!
飛んだ!!」
「そのドローンはエディ君の脳波を読み取り、エディ君の意思で自由自在に操ることが出来る!
「帰投」はその名前の通り、ドローンをスマホに帰投させたい時に押せば戻ってくる。
スマホの画面を見てくれ!
ドローンの見ている景色が映ってるだろ?
ドローンを起動させるとスマホの画面がカメラに切り替わる!
「共有」はその景色を私が持っている連絡用スマホと共有することができる!
何かあれば「無線」を使ってスマホどおし連絡もできる!」
パーシアスはそう言ってもう2台のスマホをエディに渡した。
「それは連絡用のスマホだ。
全部で3台ある。
1つは私が持っておく。
もう2つは君達の誰かが持っておくといい!」
「クロちゃんのネイル超かわいいね!!」
アシュリーはクロエの爪を見て羨ましそうに言った。
「うれし~~い!!!
アシュリーちゃんはネイルしてないみたいね!
よ~~し!!
今度ネイルしてあげるわ~!!」
クロエとアシュリーは女子トークに花を咲かせている。
カーライルは・・・
動かない・・・ただの屍のようだ
「「録音」「撮影」「再生」はドローンで行うことも出来るし、スマホですることもできる!
例えばスマホで音声を録音して、ドローンに再生させれば、ドローンから音を発生させられる!
音量はスマホの電源の上に縦長のボタンがついてるからそれで音量調整できる。
いい忘れてたがそのスパイドローンセットはソーラー電池を使用していてフルに充電してあれば、3時間はドローンを飛ばせっぱなしにしても大丈夫だ!」
「なるほど!
すごいな!!」
エディとグレイソンはスマホとドローンを興味津々に隅々まで見ていた。
このスパイドローンセットと電磁カッターガンはこれからエディ達の命を何度も救うことになるが
今のエディ達にはまだ知らなかった。