必ず
鉄の壁に囲まれた町バルビュータ。
町の中心部でカーライルは物資の調達に行く準備をしていた。
「カーライル!
もう行くのか!?」
40代後半くらいの白髪が混じった黒髪のスーツを着た強面の男がカーライルを呼び止めた。
「あぁ!
外はチョコレートもあるし、生きた人間がいるかもしれない!」
カーライルはそう言って男に笑いかけた。
男は申し訳なさそうな顔をした。
「すまんな、いつもお前達ばかりに苦労をかける・・・」
「別に!
俺達は好きで行くんだ!
嫌々行ってるわけじゃねぇ!
謝らないでくれよローガン!!」
「車は用意してある。
今回は南の方に行くんだな?」
「あぁ!
なんとなく南の方に行きたい気分でさ!
あっ!!
そういえばアランはどこだ!?
さっきっから探してるんだが居ないんだけど・・・」
「アランはついさっきパンツを汚してしまったから洗濯中だ」
カーライルはローガンの話を聞いて理解した。
理解したら笑いが止まらない。
ローガンも一緒に笑った。
「なるほど・・・
最近暑かったからな~・・・
またメアリーがノーブラタンクトップ&ショーパンで町を歩いてたんだろ!?」
「そうだ!
それを見たアランはメアリーに『やぁ!!』と言いながら前屈みになって・・・
というわけだ!」
ローガンとカーライルは手を叩いて爆笑した。
「困ったもんだ!
25にもなって童貞とは・・・
メアリーも1発ヤらせてやればいいのにな!
そうすればちょっとは水の節約になるのに!!」
「あの巨体じゃあメアリーは圧死するだろうよ!!
奴は一生童貞だ!
肉童貞だ!!」
再びカーライルとローガンは大爆笑した。
会話をしているうちに巨大な門の前に着いた。
8人乗りのキャンピングカーが用意してある。
「カーライル!
人間は無理に探さなくてもいい
この世界で生きている人間はもう法律や秩序、社会という鎖から解放されて人間の本来の姿を取り戻している。
良い人間ばかりじゃあない・・・
くれぐれも気をつけてくれ!!」
カーライルはキャンピングカーの運転席に乗り込んだ。
中にはグレイソンとウィル、ソフィアがすでに乗り込んでいた。
「ローガン!
確かに人間は本来の凶暴性を取り戻した。
俺も危険な人間を外でかなり殺している・・・
俺も危険人物だ
けど、そんな人間ばかりじゃあないって俺は信じてる!」
カーライルはローガンにそう言ってエンジンをかけた。
「カーライル!
頼んだぞ!!」
「任せとけ!」
ローガンが巨大なドアの横についているボタンを押すと、ドアがゆっくりと開いた。
開いたと同時に車は外へと出て行った。
エディ達は出発の準備のために荷物をまとめていた。
ふとカーライルの方を見ると、どこか悲しそうな表情をしている。
「カーライル!
大丈夫?」
「あ~・・・あぁ!
平気だ!」
カーライルは作り笑いのような笑顔をエディに向けた。
「なんかさ、人間ってバカらしいって思わない?
イーターっていう人類の共通の敵がいるのに、そいつらを無視して、生きている人間同士争ってる・・・
本当に怖いのはイーターじゃあなくて人間だね・・・」
「まったくその通りさ!
人間ってのはこんな危ない状況にもかかわらず自己を優先し、他人は蹴落とす。
そんな人間ばかりだ・・・
そんで俺はそういう人間を何人も殺めてきた・・・」
カーライルはうつむいた。
「俺とアグエリアスはあんた達に救われた。
躊躇して大事な仲間が殺されるくらいなら俺も仲間を殺される前に殺せる!
あんたのしたことは間違いじゃない!
だから、カーライル!
自分のしたことを悔やまないでくれ!」
「あぁ・・・
ありがとう。
俺・・・」
カーライルは何かを言おうとしたが、それより先に偵察に向かったグレイソンの大声がそれを打ち消した。
「イーターの大軍だ!!
ここはもうヤバイ!!!
車は捨てて早くここから離れるんだ!!!」
ードン!!
ードン!!
グレイソンは200メートル以上離れた場所でイーターと戦っていた。
イーターは1000体以上の大軍勢でまるで津波のように押し寄せようとしていた。
グレイソンはたった一人で迫り来るイーターの大軍と戦っていた。
カーライルは鞄とライフルをかつぎ、ナイフとククリ刀のような形の刀をズボンのポケットにしまいグレイソンの援護に向かった。
エディも鞄をかつぎ、散弾銃を背負い、ナイフをズボンのポケットにしまい、鉄パイプを握りしめ、カーライルと一緒にグレイソンの援護に向かった。
「アグエリアス!!
ソフィアとウィルと一緒に先にバルビュータに向かってくれ!!」
エディは大声でアグエリアスに先に進むように言った。
「俺達もグレイソンを連れて必ずバルビュータに戻る!!
絶対に死ぬなよ!!」
カーライルも大声で叫んだ。
「わかった!!
お前らも無理はするなよ!!」
アグエリアスはそう言って、急いでソフィアとウィルを呼び、出発の準備を始めた。




