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無能な俺を異世界へ。  作者: 岸浦駿
異世界生活〜始まりの街編〜
6/22

初心者ですよ。

遡る事数時間前。門をくぐり抜けた圭太は近くにいた門番にギルドの場所を聞いていた。

「あのー。冒険者になりたいんですけど、どこかで登録とかしたりするんですかね?」

圭太がそう言って声をかけてみた男性は、とても優しそうな人で、鎧より執事服の方が似合いそうな人だった。

「あ、はい。ここの大通りをずっとまっすぐに行くと噴水があります。そこから右方向を見ると、赤い屋根の大きな建物があります。結構大きいんでわかり易いですよ」

そう言って柔和な笑顔で答えた門番。

「あぁ、ありがとうございます」

軽く会釈をして行こうとしたとき圭太は門番に呼び止められた。

「あ、それと冒険者登録、まぁギルド登録というのですが、登録するには料金が発生しまして・・・」

「そうなんですか!?」

「はい。一応五百ニルなんですが見たところお金、持ってないですね?」

図星を突かれた。まだ転生したばかりでそもそもお金の呼び方すらも知らなかった。

「はい・・・」

何故かお金を持っていないという事実に妙な羞恥心を感じた。

「ではこうしましょう。私は貴方に依頼を出します。なに、簡単ですよ。そこら辺にいるノラビットを三体ほど倒して頂ければいいのです。ノラビット三体で登録手数料の半分は稼げますのであとの半分は私が報酬としてあげます。実は今夜の夕食に必要な肉を切らしていましてね」

なんて親切な人なんだ!この笑顔、輝かしくてもう前が見えません!

そんな如何にも眩しいものを見ているような仕草をしてしまった圭太を不思議に思ったのか、

「どうかされましたか?」

「あっ、いえ、なんでも・・・・それより本当にいいんですか?そんな親切にして貰っちゃ悪い気がするんですけど・・・ここの見張りとかはいいんですか?」

「あ、それなら隣にいる者に代わりを頼みますので心配しないで大丈夫ですよ」

そして再びその門番は微笑んできた。

「さぁ行きましょう。っとそれより戦い方とかは分かりますか?」

「まぁなんとなくは・・・」

「ではやってみましょう。まずはあそこにいるノラビットから行きましょう」

「はい」

「あ、武器はこれを使ってくださいね」

そう言って渡された長さ一メートルほどの片手剣。正直使いこなせるかが不安だった。

「はい、ありがとうございます!」

礼を言って圭太はノラビットに向って駆け出した。

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

気迫と共に斜め上段切りを繰り出した圭太。その斬撃は見事に命中し、ノラビットは、まるで硝子を割ったように分散して消えていった。

「まずは一体目ですね。おめでとうございます!それにしてもなかなか筋がいいですね」

「そんなことないですよ」

圭太は照れるように笑い、次の目標に駆け出した。

それからさほど時間はかからなく、無事討伐に成功した。

そして門番がよってきて、

「お疲れ様です。これでギルド登録ができますね」

そう言って渡された報酬をありがたく受け取り、

「ありがとうございました!そういえば名前、聞いてなかったんですけど・・・」

「あ、そうでしたね。私の名前はアインです。以後お見知りおきを」

「アインさん、ですか。俺は圭太です。アインさん、本当にありがとうございました。この恩はいつか必ず返しますから!」

「はい。その時が来るのを楽しみにしています」

そう言ってアインに別れを告げ、圭太はギルドへ向かった。

どーも岸浦駿です。

タイトルの通り初心者です。私も(笑)

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