こんにちは異世界。
もうそれはそれは絶景だった。
なにしろ高度一万メートルからのスカイダイビングをしていたからだ。
「は?」
素っ頓狂な声を上げた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「行ってらっしゃーい!」
アハハと笑っている心。
「時期に俺もすぐ行くから。忘れないでくれ。俺はお前の心だ」
意図は掴めなかったが、今はそんな事を気にしている場合では無い。
眼前に迫り来る地面をどう回避するか。
「はは、転生そうそう死亡フラグ立ったわ」
そんな乾いた笑いと共に圭太は無残な死に方で終わる筈だったのだが。
「あ、生きてる。生きてるぅぅぅぅ!そうだよな!?フラグは折れるもんだもんな!」
バンザーイと一人で喜んでいる少年。
傍から見れば変人だろう。
「これが神の加護って奴か!」
こちらの世界に来る前自身の心に貰った神の指輪。そのおかげで助かった圭太は納得がいった。
『そう、それがお前の為の神護【シリアス】だよ』
「へぇー・・・っててめぇ何でいんだよ!いきなり何してくれてんじゃぁ!」
『言ったじゃないか。俺はお前の心だって』
「あれはそういう意味だったのか・・・」
『そうそう、そういう意味だよ』
さてと言った心が、
『このままじゃ話難いかな?何ならもっとクリアな声にしようか?まぁ耳元で囁かれるような変な気分にはなるらしいけど』
「要らんわ!てか自分に囁かれるとか寒気がするわ!」
こいつマジで何なんだよ・・・
『それより街に向かおう。ここから一キロも歩けば着くよ』
「何でそんなこと分かるんだ?」
『そう計算して落としたからだよ。だって街に落としたらヤバイでしょ。空の彼方から降ってきた人間が落下衝撃で死ななかった、なんてことになったらなおさら』
「あぁ確かにそうだな。転生の仕方には不満があるが・・・・」
そう言って睨みつけてやりたい気分だったが、実体がいないので我慢した。
「そーいや、さっきからモンスター出なくね?どういうことだ?」
『あぁ、きっと初級冒険者が近場のモンスターを狩り尽くしてしまったんだろうねぇ』
「どういうことだ?」
『この世界はモンスターを倒すと経験値を入手でき、それによって階級が上がる。まぁ要はRPGだねぇ』
「ふぅん。まぁどうせここら辺はザコモブしか湧かないんだろ?」
『まぁそうだね。基本は初級冒険者三人で敵一体を相手するのが安全らしいけど、まぁ戦いに慣れれば大丈夫そうだけどね』
そうこういっている内に街が見えてきた。
「なかなかデカそうな街だな」
『そうだね。あぁ言い忘れてたけど。街に入ったら俺はまた空間に戻ることになるから。まぁ俺はお前の心だからいつでも会える。そう寂しがるなよ?』
「別に寂しがってねぇよ」
そして街の入口まで来たわけなのだが、
「んじゃこれで」
『あぁ!最後にちょ―』
最後に何を言おうとしたかなんてどうでもいい。
圭太は今から異世界生活を始めることにとてもワクワクしていた。
そしてお決まりのセリフを、
「さらばひきこもり生活。こんにちは異世界!」
そうして圭太は入口過ぎスキップで大通りを走り、周りから痛いほどの視線が来ているのを気づかないまま、新しい人生を歩み始めた。
どうも、岸浦 駿です。
無能な俺を異世界へ。第四話どうでしたでしょうか。
ファンタジー作品を書くのが初めてであれこれアイデアは浮かぶのですが、なかなか上手くいかないです。
小説を書くのもあまり上手では無いのですが、面白さが伝わってくれたらいいなと思っております。
まぁ当分の目標は沢山の人に呼んで貰う事ですけど・・・。
そんな訳で、無能な俺を異世界へ。第四話でした。
次回にも乞うご期待。