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無能な俺を異世界へ。  作者: 岸浦駿
異世界生活~王都編~
22/22

予感。

 圭太は無言を貫いていた。無論、先ほどの魔王化の件だ。

 圭太は未央に魔王化を見られてしまった、いや、自分から堂々と見せたようなものだ。しかし、それもいずれ話すことになるであろうことだったから、と圭太は自分の心にそう言いつけた。


 さて話を戻そう。何故圭太は無言を貫いたか、答えは至って単純。未央の質問攻めにあっているからだ。あっていた、ではない。現在進行形だ。あれから数分歩き深森は抜けることができた。その道中でも圭太は質問された。『あれはなんだったの』と。続いてそこからの王都までの道中で、そして今、王都内の喫茶店にて。


 「圭太君教えて、あれは何だったの?」


 正直誤魔化すのはもう辛い。それに面倒だからもう話してもいいや、と思い大変仕方なく圭太はその口を開けることにした。


 「面倒だから手短に話そう。・・・・俺は魔王だ」


 「圭太君が魔王ってどういうこと?」


 「簡単だ、俺自身が魔王そのものなんだよ、イーズとはまた別の・・・」


 「ほえぇ。そういえば最近イーズちゃんみないね」


 「あぁ、あいつは自分の砦に戻ったぞ。・・・俺が魔王になったから」


 そう、イーズ、圭太たちが前に出会っていた魔王を名乗る少女。いやまぁ実際魔王なのだが。

 そのイーズは圭太が魔王化を果たしたとき、何も言わずに忽然とその姿を消してしまったのだ。ところが、圭太は魔王になったため多少なりともほかの魔王たちの気配を感じ取ることができるようになった。だからイーズの場所も分かったのだ。


 「それで?圭太君はこの王都に来たからには目的っていう目的があるわけなんだよね?」


 「あ、あぁ・・・もちろんあるぞ、うん」


 言葉に詰まった圭太を、怪しいと言わんばかりに圭太の瞳を覗き込んでくる未央。

 圭太に目的はしっかりとある、しかしそれはまだ未央に話せる段階のものではないのだ。だからこうして圭太は言葉に詰まっているのであって、圭太のすべてがそれを話すまいと拒絶してくるのだ。


 「具体的にはまだ言えないから、あとあと話すよ・・・な?」


 何とかそれらしい対応をしてこの場を乗り切ろうとした。

 しかし目の前にいる少女は訝し気に、今一度圭太の瞳を覗き込んでくる。

 流石に動揺を隠せない圭太の眼はめちゃめちゃ泳いでいた。それが怪しいと思ったのか、再度圭太の瞳を覗き込んできたが、しかしそれが嘘ではないことが分かったのかどうかは圭太にも理解できないが、未央は疑うのをやめた。


 「わかったわ、後で話してくれるならそれでいいわ・・・まぁ多少腑に落ちないところがあるけれど」


 「理解してくれたなら助かるよ」


 額が脂汗でびっしょりな圭太は、更に未央の気を逸らすためにこんな提案を出した。


 「汗もかいたことだし温泉でも行くか?」


 ダメもとで話題を大きく逸らす作戦に出たのだ。


 「行く!行きたいです!」


 ちょろい、と圭太は素直に思った。


「じゃあ行くとするか。あっちの山の方に温泉宿があるらしいんだ、そこに行こう」


 ***********************************


 三十分程前に、圭太は話の趣旨を逸らすために未央に温泉に行かないか?と誘った。そしてもうすぐ目的地に着くころで、ふと圭太は王都で見た不可解な現象を思い出していた。


 ***********************************


 先刻、不気味な暗殺者に襲撃され、未央は死の恐怖を覚えた。が、それも束の間だった、魔王化した圭太が五秒にも満たない時間で暗殺者を掃討し、未央を救った。

 現在未央は、圭太がどのようにして暗殺者を掃討したのかが謎で一人考え込んでいた。


 「うーん・・・」


 横で唸る未央を一瞥してすぐに顔を前方に向けた圭太は何げなくこんな提案を出してみた。


 「何か気になることでもあるならここから一時間くらい別行動にしないか?」


 唸りながら未央はその提案に肯定の意を示した。


 「そうだね・・・。私もちょっと一人になりたい、かな」


 輝きのない未央の顔を見るのはこんなにも辛いことなのか、と圭太はひどく痛感した。


 「じゃあここのカフェっぽいところに一時間後に待ち合せな。何かあったら連絡くれ」


 わかった、と未央が返事をしたのを合図に圭太は”行動に入った”。



 「しばらく歩いたがここの王城ってどこにあるんだ?」


 圭太は歩いて、歩き続けて三十分を費やしたところだった。そろそろ精神的に萎えてきたので街人に聞き出す作戦に出ることにした。

 周囲をきょろきょろしていると、ちょうど貴族みたいな恰好をした人間がいたので話しかけてみた。


 「あのー、王城ってどうやって行けばいいですかね」


 そう聞いてみたものの、返答はなく貴族は通り過ぎていった。


 ・・・まて、おかしくないか・・・?


 流石にあの反応はあり得ない。だって、あの貴族はまるで”人形の様に瞳から光が消えていた”のだから。


 「まさか・・・いやそんな筈は」


 圭太はなかなか感の鋭い人間だ。しかし鋭いと言うだけで、すべて当たるわけではない。

 しかしそれでも、圭太は脳裏に思い浮かべてしまった。



        あのゲームの存在を。

 どうも見ていただいてありがとうございました!

 岸浦駿です。

 最近はよく指が動きますわ(笑)

 妄想しすぎて頭おかしくなる。

 まぁここらでお暇しましょうか。

 次回も見てくださいね!

 見てくれないと・・・☚ヤンデレ風

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