表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能な俺を異世界へ。  作者: 岸浦駿
異世界生活〜始まりの街編〜
13/22

誰?このロリっ子。

懐かしむかのようにその少年は言った。

圭太は気づいた。コイツが夢に出てきたあの人だと。

その中性的な声音が圭太の記憶を呼び覚ました。

圭太が少年を見つめていると、少年はいきなり倒れた。

「う、うぅ・・・・」

少年がいきなり発光し始め、その姿が変わった。ただ変わった訳では無い。すべてが逆転した。

目の前に倒れているのはさっきまでの少年とは全く別人の・・・・美しい少女だった。

「なぁ未央よ。コイツは助けた方がいいだろうか?」

「まぁ私は助けた方がいいと思うよ?」

「そうか・・・・・・んじゃ置いてく」

圭太が踵を返し、そのまま王国の方向へ歩き出した時、

「まっ、まって!行かないでください、置いてかないでください、ご主人さまっ」

少女が必死に言ったら、圭太の運んでいた足がピタリと止まった。

圭太は疑った。コイツは今俺のことをなんて呼んだ?と。ありえない。いや、でも確かにこの少女は俺のことを―いや、ありえない。しかし・・・・・・なかなか悪くないなこれ!

圭太の顔が段々とキモくなってきた所で、しばらく存在を忘れられていた未央が口を開いた。

「圭太くん。私はこの子助けた方がいいと思うな。だって飢え死になんてしたら圭太くんだって嫌でしょ?」

「まぁそうだな・・・だが断わる」

一瞬考えたフリをした圭太は即答した。

「そいつは、前に俺の夢に現れて、自分だけ俺を知ったように言って、自分は名乗らなかったんだぞ?」

「そんなこと気にしてたの?!」

あまりの心の狭さにガッカリした未央は思った。

まだ年端もいかない少女を置いてくだなんて私には出来ないよ・・圭太くん。

「圭太くん。今日の遠征は後日にしよ?今回はこの子の面倒を見るのが先だわ」

「むぅ、まぁわかったよ。んじゃとりあえず宿に戻るぞ〜」

圭太自身、初めての遠征はかなりワクワクしていたのだ。まぁそこはやはり男の子なのだと思わせる。


数時間後、圭太はベッドで横になって寝ようと思っていた。

数時間前に圭太が少女を負ぶさって宿まで歩いた。圭太はてっきり、助けたいの!とか言ってたやつが自分で運ぶものだと思っていたのだが。

「しかしあいつが起きたら質問することが沢山あるな・・・」

そう呟いて圭太は静かに瞼を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ