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1話 女神(見習い)

「今日もやっと仕事がおわったか・・・・」

大樹は疲れた表情でため息をつく。


吉田大樹(ヨシダダイキ)の人生は一言で言えば平凡だった。


父はサラリーマンで、自分も父と同じくサラリーマンとしての人生、父と違う部分と言えば結婚していない位だろう・・・・

「モテない訳じゃない。必要ないだけだ」と本人は言っているが実際はヘタレな性格から女性に声をかけられないだけである。

会社の事務のおば・・・・お姉さまには「もっとアクティブになりなさい!」と会うたびに言われている。


そんな大樹も27歳、仕事と家を往復するだけの毎日、土日は家でゲーム、そんな生活が続いていることに危機感を持ちつつある。

危機感がある癖に行動できないからこそ、いまの人生があるわけだが・・・・・


いつも変わらない毎日を過ごしていた。

そしてこれからも続くと思っていた・・・・

そんな日常が突如崩れる。


目が覚めると辺りは真っ白だった。

「えっとここは・・・・あれ?そもそも何してたんだっけ?」

今日の行動を思い出してみる。


朝7時に起床

7時半に家を出る

8時40分に会社到着

残業のせいで21時に退社

駅に向かう途中で意識が遠くなる

真っ白の空間←いまここ


「なるほど・・・・・わからん」

とりあえず金縛りとかになっているわけでもないしあたりを散策して見ようと思い立ち上がると背後から話しかけられた。


「おはようございます。大樹さん!」

・・・・・えっ誰?

すぐ後ろには金髪でショートヘアーの女の子が立っていた。

見た目は16歳くらい、美人と言うよりは可愛いといった感じの顔立ちで、白のローブの様な服を着ている。あと胸は控え目である。


そんな風に観察していると少女がさらに話しかけてきた。

「私は女神見習いをしている。セラフィナと言います。女神講習の一環として貴方を召還しました!」

元気よく話す少女、てか女神講習ってなに?

女神ってそんな運転免許みたいな感じなの?

そうか、これは俺の妄想による夢だな。

寝ればいつもの日常が「今寝たら苦しんで死にますよ?」

えっ?心読まれた?いやいやそれよりも聞き捨てならない言葉が・・・・・

「・・・・苦しんで死ぬ?」

なんとか振り絞って確認をする。

きっと今俺は、冷や汗でびっしょりだろう。

「はい、大樹さんがお亡くなりになったところでこっちに引っ張って来ました。たぶん戻ったら火葬中とかですよ?」

俺は死んでいたらしい。

死因とか気にな「階段からの転落死です。」

最後まで考えさせて!!

「とりあえず、これからどうなるのかな?」

セラフィナに確認をする。


「よくぞ聞いてくれました!」

セラフィナがないむ・・・・おしとやかな胸を張る。

危ない・・・・心は読まれているのだ。

迂闊なことを考えてはいけない。

「今失礼なことを考えませんでしたか?」

ジト目でセラフィナがこちらを見ている。

「全然」

「・・・・まぁ良いでしょう。貴方には女神講習の訓練として異世界で生活して貰いたいのです。」

貰いたいってことは強制ではないのだろうか?

「断ることもできるのか?」

「はい、断られた場合は別の人を探します。ただ断ったらか火葬中に戻ることになります。」

あれ?これ脅迫じゃね?拒否権なんてないじゃん・・・・いやまぁ死んでるらしいから当然なんだが・・・・・

「わっわかった・・・異世界にいくのはいいけどどんな世界なのかな?」

転移先が地獄とかだったら最悪だ・・・・これだけは聞いておかなければならない。

「剣と魔法の世界ですね。レベルとステータスが有ります。」

おぉ!!!なんかゲームっぽいじゃないか。

チート能力とかもらえるんだろうか?

「なんか加護とかもらえるの?」

「見習いなので大したものは付けれませんが・・・・そうですね。水魔法と鑑定を差上げます。あと年齢は15歳くらいに若返らせましょう。」

チートではないがちょっとは優遇してもらえるらしい。


「わかった。異世界にいくよ。ただその前に一通り向こうの常識とか教えてくれないかな?」

「ありがとうございます!!」

セラフィナは礼を言うと世界の常識をいろいろ教えてくれた。


「いろいろ、教えてくれてありがとう。」

本来なら死んでそれで終わりなのだ。第二の人生をくれるだけでなく、知識もくれた。俺は素直に礼をいう。

「いえいえ、それでは転移します。行ってらっしゃい」

「あぁ行ってき」


その瞬間、俺の視界はまた真っ白になった・・・・

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