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約束  作者: 神崎咲夜
16/17

約束(16)

 兵は去ったが平和で穏やかな国に戻るには時間がかかる。

「ミーナ様、セリーナ様、ありがとうございます」

「陛下、顔をあげて下さい」

ミーナはセンチュウリア王国に戻った。

「ミーナ・・・・国に戻って来てくれますね」

セリーナは横に座るミーナを見た。

「お姉様、私は望んでしまったのです、王家の決まりを忘れ、望んだ・・・・私はこの様な事が起こらなかったら連絡もしませんでした、ただの村娘として生きていくつもりでした」

「ミーナ」

ミーナはゆっくりと立ち上がりセリーナを見た。

「お姉様、私のわがままを許していただけないでしょうか」

セリーナは立ち上がりミーナの頬に触れた。


 「王子の捜索が難航してるみたい」

戦争が終わり復旧の始まった国内、しかし、ロックスは城には戻っては来ていない。

「ミーナ様」

「村へ一度戻ります」

「ミーナ様、私もご一緒してもよろしいですか?」

「えぇ」

ミーナは帰国したレイアと待つ暮らしをして居た。

「ミーナ様」

「レイア様、私は王家から出た人間、様はおやめ下さい」

「でも」

「ミーナそれでいいのです」

ミーナの姉、セリーナは帰国してミーナの代わり王へ就任した。

ミーナはそのままセンチュウリアに残り復旧への指示や被害者への救済に尽力を尽くした。

「ミーナ!レイア様」

「無事で良かった」

村の建物はボロボロだったがセイラもレンも無事だった。

「セイラ、無事で良かった」

「レイア様もご無事で」

「レイア様、セイラは戦時中に行方不明でよろしいですか?」

ミーナの言葉にセイラもレイアも驚いた顔をした。

「王家が無事な場合、仕えてた者はまた仕えるでしたね」

「そうね、セイラは行方不明」

レイアは気づいた様ににっこりと笑った。

「レン・・・・セイラをよろしく」

「ミーナ」

「セイラ、幸せになって」

「はい」

幸せそうに笑うセイラとレンを見てミーナもレイアも幸せそうな顔になった。


 ミーナは静かな時間を過ごした。

復旧される国内、しかし、ミーナは悲しみの中に居た。

「ミーナ様、セリーナ様からお手紙が届いております」

「・・・・ありがとう」

前よりも良い待遇の生活、しかし、ミーナが笑う事は無かった。

「恙無く王位継承式を終えました、ミーナの部屋はそのままにしてます、いつでも祖国に戻って来れる様にお待ちしております」

ミーナはそっと手紙を置いた。

「ロックス様」

ミーナは空を見上げた。


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