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約束  作者: 神崎咲夜
14/17

約束(14)

 静かな城内、ミーナとロックスは庭に出た。

頬を撫でる風、ミーナは静かに空を見上げた。

「ご存知ですか、王家の人間は何も望んではいけない事を」

ミーナは悲しそうな表情でロックスを見つめた。

「望んだら争いと悲しみが増えるだけ・・・・だから王家の者は何も望んではいけないのです」

ミーナはゆっくり座り込んで咲く花に触れた。

「でも・・・・人間の欲望は尽きない・・・・人間は求めて望んでしまう」

ミーナは涙を流した、悲しみを感じて自然と涙が溢れた。

「俺は・・・・お前に側に居て欲しい・・・・お前が笑ってだけで幸せに感じる・・・・だから俺は」

ロックスはミーナにそっと触れた。

「ロックス様・・・・必ずご無事にお戻り下さいませ・・・私が望む初めて事」

ミーナはそっとロックスの手に触れるとロックスはミーナの手を握った。

「必ず戻る」

それはミーナが望んだ初めての事、胸に広がる暖かな気持ちミーナはロックスに初めての感情を感じて居たのだ。


 戦場は悪化して居た。

「セイラ」

「レン」

それはセイラが暮らす村へも広がった。

「子供たちを」

セイラとレンは親を戦争で亡くした子供たちと共に逃げた、安全な場所など今この国には無い事を知りながら。

「セイラさん」

「大丈夫、大丈夫」

セイラは子供を抱きしめた、悪化して行く戦場、セイラは一日でも早く終わる様に願った。


 「レイア様・・・・これをお持ち下さい」

レイアは国外から脱出する事になった。

ミーナ城を出るレイアに一枚の封筒を渡した。

「これは?」

「クロエヘム王国に着きましたら城へこれを出せばわかります」

「わかった」

「どうかお気をつけ下さい」

ミーナはレイアを見つめるとレイアは力強く頷いた。

その封筒はミーナの最後の希望だった。

悲しみが溢れるこの国にミーナは悲しみを感じて居た。

「神様・・・・どうか・・・・どうかこの悲しみが消えますように」

ミーナは静かな城内で神に祈りを捧げた。


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