約束(13)
「レックス様」
血の匂いが広がる中、レックスは口元に笑みを浮かべて立って居た。
メリアーナ王国王子レックスは冷酷な王子として名を知られて居た。
「つまんねぇなぁ」
レックスは赤く染まる地面をゆっくりと歩いた。
だんだんと広がる戦場、ミーナの表情は悲しみに染まった。
「ミーナさん」
「レイア様」
「セイラを村に帰そうと思うの」
「そうですね」
ミーナは悲しそうな表情でレイアに言うとレイアはミーナの手を握った。
「レイア様」
「・・・・ミーナさん」
レイアは不安そうにミーナの顔を見た、ミーナは出来るだけレイアに微笑んだ。
「ミーナ」
「セイラ、気をつけてね」
「うん・・・・ミーナどうすの?」
「私は城に残るわ」
セイラは涙を流してミーナに抱きついた。
「大好き」
「私も・・・・ありがとうセイラ」
セイラは城から出た。
「ミーナさん、陛下がお呼びよ」
「・・・・はい」
ミーナはセイラが見えなくなるまで見つめて城内へと戻った。
「レン、こっちを頼む」
「今行きます」
村は混乱して居た、村には逃げて来た者たちが溢れ治療などが追いつかなくなって居た。
「レン・・・・レン」
「セイラ」
セイラは久しぶりに会えたレンに駆け寄った。
「セイラ」
レンはセイラを抱きしめるとその温もりを感じた。
「レン・・・無事で良かった・・・・レン」
セイラはレンの頬に触れながら涙を流してレンの名前を呼んだ。
「レイア様は城から」
「そうじゃ、もうこの城は安全とは言えん・・・・レイアだけでも」
ロビンは悪化して行く戦場に不安を感じて居た。
「陛下」
ミーナはロビンの気持ちも理解が出来たが、レイアの気持ちもわかった。
人が少なくなった城内、ミーナの仕事も増えて居た。
「ミーナ」
「ロックス様」
「明日、戦場に出る」
ミーナは突き刺さる様な胸の痛みを感じた。
「今夜話したい」
「かしこまりました」
荒れて行く戦場、それは決してセンチュウリア王国に有利なモノでは無かった。
「望んではいけない・・・・何を望むの」
ミーナは空を見上げた。