約束(11)
その姿は見違えた、動きやすさを感じさせるデザインのドレス、色は淡い色の青、ミーナの姿にロックスもセイラもレイアも言葉を失った。
「本当、ミーナ、キレイ」
「うん、お兄様が気に入るのもわかる」
ミーナはドレスを着るだけでまるで魔法がかかった様に気品を感じさせた。
「ほら、仕事だろ」
「ロックス様」
またロックスはミーナの腕を掴むと部屋から出たレイアは不思議そうにロックスとミーナの姿を見送った。
「お兄様、ミーナさんの事、本当に気に入ってるのね」
楽しそうなロックス、ミーナはただロックスに連れられるまま歩くしかなかった。
「今日からお前の部屋だ」
そこはロックスの部屋の隣であの物置とは比べ物にならない場所。
「しかし」
フカフカのベットの上にはミーナの荷物、部屋は広く、一人では広いと感じてしまう。
「なんだ、他に必要なモノあるのか?」
「違います、十分です」
「なら、次は俺の部屋だ」
ロックスはミーナの腕をまた掴み隣の自室へと向かった。
扉の前にはユーアが頭を下げて立って居た。
「ここが俺の部屋だ、ユーア」
「はい」
「これからは室内に入れるのはミーナのみ、清掃も全てミーナに任せる」
「・・・・かしこまりました」
ロックスはそのままミーナの腕を掴んだまま室内へと入って行った。
「あぁぁっ」
ミーナはロックスの部屋に入るなり歓喜の声をあげた。
ミーナの目の前にはミーナが目を輝かせる程の書籍が置かれて居た。
「素晴らしい、これは本当に素晴らしいです」
ミーナの瞳を輝かせ本に近づいた。
「気に入ったか」
「はい・・・・こんな素晴らしい書籍は希少本まで・・・・本当に素晴らしい」
ミーナは嬉しそうにロックスを見るとロックスも嬉しそうに笑って居た。
「ここに来て初めて見たぞおまえのそんな顔」
「・・・・申し訳ありません」
「気にするな、俺は無理にお前を城入りさせた、セイラに言われて後悔もした、俺はお前を気に入ってるんだから」
ミーナはロックスの顔を真っ直ぐ見つめた。
何かが変わり始めた瞬間だった。




