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滅亡世界を独りの少女とウサギ型ロボットだけで生きていく  作者: うみのうさぎ
外への旅立ち

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11/12

友人

 ユウナと美咲はどちかに人格統合するのでは無く友人になることを選択した


 ユウナは目を開け、

 即座に周囲状況を確認する。


 施設機能、正常。

 核融合炉、安定。

 外部反応――生命反応なし。


シロ「……通常通り」


ユウナ「はいはい、おはようございます」


 ユウナは、端末を起動した。


 朝の定時処理。

 内部ログ受信。


ログ受信:友人・美咲

記録ID:B-01 ~ B-04



 ユウナは、一件ずつ開く。


記録ID:B-01

友人・美咲


夢を見た。

友達と遊ぶ夢。


記録ID:B-02

友人・美咲


ユウナが友達になっくれた。

嬉しい

もう独りじゃない。


記録ID:B-03

友人・美咲


最近のユウナは明るくなったってシロが言ってる

私もユウナと話したい


記録ID:B-04

友人・美咲


外のことを考えた。

街が滅んでも森や川はまだあるのかな。



 ユウナは、すべて読み終えてから

 端末を閉じた。


 返信はしない。

 評価もしない。


 だが、思考は動く。


ゆうな「……シロ」


シロ「なに?」


ユウナ「この施設、

 外部観測は可能か」


シロ「可能だけど?」


 シロは首を傾げる。


シロ「今さら?

 外はずっと崩壊済みだよ」


ユウナ「把握している」


 ユウナは淡々と答える。


ユウナ「ただし、

 滞在を続ける合理性は

 低下し続けている」


シロ「それ、

 “生き延びる”話じゃないよね」


ユウナ「違う」


 即答。


ユウナ「“生きる”話だ」


 シロは、一瞬黙った。


シロ「……それ言うようになったの、

 最近だよ」


 ユウナは答えない。


 代わりに、操作を入力する。


ユウナ「外部観測シャッター、開放」


シロ「はいはい、止めても無駄っと」


 重い音とともに、

 施設のシャッターが開く。


 光。

 埃。

 崩れた瓦礫の地平線。


 世界は、壊れていた。


 だが――空は広い。


 ユウナの内部で、

 言語化できない揺らぎが生じる。


 危険でも、エラーでもない。


 ただの、変化。


ユウナ「……データより、広く感じる


シロ「でしょ?」


 シロが少し得意げに言う。


シロ「記録と実物は違うんだよ」


 ユウナは返さない。


 代わりに、

 新しい計画を立て始める。


ユウナ「外部探索を検討する」


シロ「え?」


ユウナ「短期ではなく、

 継続的な移動を含む」


シロ「それって……」


ユウナ「旅だ」


 シロは耳を大きく振った。


シロ「急展開すぎ!」


ユウナ「昨日から考えていた」


シロ「昨日は“検討”って言ってた!」


ユウナ「今日は“決定”だ」


 準備は簡素だった。


 物資。

 地図。

 予備電源。


 目的地は設定しない。


 理由も、明文化しない。


 ただ一つ、

 朝のログが残っている。


 ー街が滅んでも森や川はまだあるのかな。ー


 ユウナは端末を開き、

 新しい記録欄を表示する。


 書かない。

 送らない。


 その代わり、

 行動で答える。


ユウナ「……行く」


シロ「はいはい、出発ですね」


 シロが先頭に跳ねる。


 聡明で、合理性を基準に生きてきたユウナ。

 記憶と感受性を内に抱える友人美咲。

 それを全部観測する白ウサギ。


 彼らの目的地は

 朝の美咲のログで、

 進む方向が決まる


 こうして――

 世界を旅する物語が、静かに始まる。

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