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伝説では6人しかいないはずの勇者なのになぜか俺は7人目の勇者  作者: 銀颯
クラス対抗戦《聖騎士祭》編

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第二十一話 聖騎士祭3日目 閉会式&後夜祭

聖騎士祭3日目、競技の後は閉会式が行われる。


「クラス代表の皆さんお疲れさまでした。これより聖騎士祭閉会式を行います。まずは順位の確認からいたしましょう。」


司会の先生がそう言うと映像魔法で競技場の上に映し出される。


S・Sシール・シューティング

1位 《紫》

2位 《紅》

3位 《翠》

4位 《青》

5位 《黃》


【S・Lスピード・ランドスケープ】

1位 《紅》

2位 《青》

3位 《翠》

4位 《紫》

5位 《黄》


【D・Bデュエル・ブレイク】

1位 《紅》

2位 《紫》

3位 《青》

4位 《黃》

5位 《翠》


「こちらが各競技の結果となります。【S・Lスピード・ランドスケープ】は途中で無効試合となってしまいましたが、途中までの結果を考慮しての順位になります。そして全ての競技の合計はこちら!」


【聖騎士祭 総合順位】

1位 《紅》

2位 《紫》

3位 《青》

4位 《翠》

5位 《黃》


「第一回聖騎士祭!優勝は、、、《紅》クラスです!!!」

「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」


こうして俺たち《紅》クラスは優勝することができた。これでスカーレット家の件も問題ない、とりあえずは安心だ。


「やったね!エレナさん!」

「はい!お二人のおかげです!本当に、本当にありがとうございます!」

「俺達だけじゃないよ、エレナが自分の力で掴んだ優勝さ。」


エレナは少し涙ぐんでいる。これで家の心配をしなくていいので本当によかったと思う。だが少し気になる点がある…。まあそれは後々考えるとして今はこの勝利を噛みしめることにしよう。


「それでは最後に学園長の挨拶です。」

「諸君、非常に素晴らしい戦いであった。途中魔族の襲撃もあったが騎士団長、そして生徒の勇敢な戦いにより勝利することができた。代表に選ばれた者も選ばれなかった者も、これまで以上に騎士を目指して精進してくれ!以上!!!」

「これにて閉会式は終了いたします。このあとは学園講堂にて後夜祭が行われるので移動をお願いします。」


やっと一息つけると思ったが、後夜祭?そんなイベントあったのか。俺が不思議そうな顔をしているとエレナが疑問に答えてくれた。


「後夜祭は今まで交流のなかった他クラスとの交流の場を作るのが目的だそうですよ。」

「そうだったんだ。全然知らなかった。」

「それと豪華な料理が出るんだって!」


たしかに他クラスとの交流ができるのはいい機会だ。色々な能力や魔法を知ることができるしな。隣を見るとアリアはすでに料理のことで頭がいっぱいなようだ。早く俺達も会場に移動しよう。会場に入るとすでにたくさんの生徒で埋まっていた。俺達が会場に入るやいなや、エレナとアリアの周りに他クラスの生徒がたくさん集まってきた。


「スカーレットさんですよね?試合凄かったです!」

「スカーレットさん僕とお話しませんか?」

「そうやってあれだけの魔法を覚えられたんですか?」

「ええっと、順番にお話しましょう。」


「2位惜しかったね!」

「『魔法弾(マジック・ショット)』でもあんなに違うとは…」

「リーズベルトさん、お話しませんこと?」

「あはは、ありがとう。」


エレナとアリアはたくさんの生徒に囲まれて話をしている…いや、いいよ。俺は別に一人でもね。寂しくなんてないんだから!でもちょっと悲しい。そう俺がふてくされている姿を見かねてか声をかけてくれる人達がいた。


「いやーアリアもエレナもすごい人気だね!」

「君も活躍していたと思うんだけどな。」

「もうせっかく僕のこと倒したんだからもっと人気出してよね。」

「ちょっとデリラ、ユーリに悪いだろ!」

「いやこの僕を倒したのだからもっとちやほやされてもいいね!」

「たしか全敗でしたよね…」


俺に声をかけてきたのは魔族討伐組フルー、ウール、マークと【D・B(デュエル・ブレイク)】で俺と戦ったメンバーであるディラン、デリラ、コータの6人だった。


「本当、君達が話しかけてくれなきゃ寂しくて泣きそうだったよ。」

「天下の“英雄”様がユーリなのにこれじゃあね。」

「フルー、その“英雄”って何?」

「知らないの?最初に会場に魔族が来たでしょ?騎士も逃げ出してたのに立ち向かった生徒が一人いたって話。アリアちゃんから聞いたけどあれユーリなんでしょ?」

「あぁーたしかに俺だけど…」


“英雄”って呼ばれるのは恥ずかしい。結局あれはセシリアさん達騎士団長が討伐したわけだし、俺なんて大したことはしていない。でも素直に評価されるのは嬉しい。


「俺は結局何もできなかったから。」

「いや実際勇気のいることだったと俺は思うよ。」

「う…うん。僕には真似できないよ…。」

「ありがとうみんな。そうだみんなにも聞きたいことがあったんだ食事しながらでも話そう。」

「「「もちろん(さ)(だよ)!!!」」」


俺達はそれぞれが話を始めた。得意な魔法や魔族との戦闘のこと、【D・B(デュエル・ブレイク)】での戦いなど皆盛り上がっている、ちょうどエレナとアリアも話が一段落したのかこちらに合流してきた。


「二人共お疲れ様。」

「やっと開放してもらえました。」

「たくさん喋りかけられて驚いちゃったよ。」

「二人があんまり人気なもんだからユーリ拗ねちゃってたよ〜」

「そんなことないから!」

「「「あはははははははは!!!」」」


そんな楽しい時間も過ぎそろそろ終盤に差し掛かったとき、【S・Sシール・シューティング】でアリアを負かして一位になったカルロス・クライフと【D・B(デュエル・ブレイク)】で俺と戦った《紫》クラスのフードを被った少女が近づいてきた。


「えっと君はたしか《紫》クラスの…」

「はい。カルロス・クライフです。《紅》クラス代表の皆さん、申し訳ないが私達と一緒に来ていただきたいのですが。詳しいことは後でお話いたします、大事にはしたくないので。」

「…?。はい、別に構いませんけど…」

「私も。」

「私も大丈夫です。」

「それでは着いてきてください。」


俺達は皆と別れ学園の外に出た。門を出ると、そこには場所が用意されていた。商人が使うような馬車ではなく、豪華な装飾が施された馬車である。


「こちらへお乗りください。」

「は、はい。」


俺とアリアは初めて乗る豪華な馬車に緊張していたが、エレナは慣れているようだった。流石にスカーレット家は貴族だし乗る機会も多かったのだろう。


「ユーリ、私達どこに向かっているのかな?」

「うーん、詳しいことは後でってことだからなぁ。」

「それにフードの彼女一体何者でしょうか?」

「戦った身からすると悪い人ではないと思う…多分。」


詳細は目的地についてから話すとのことなのでわからないが、学園の生徒であるし何より敵意や悪意といったものをまったく感じなかったので素直に言うことを聞くことにした。それに俺達であれば多少のことは対処できるだろう。皆も俺達が《紫》クラスの生徒に着いていったということはわかっているしな。


「着きました。足音にお気をつけて。」

「ありがとう。それでここは…」


俺達が馬車を降りて顔を上げるとそこには王都の中心部でありこの国の王がいる、つまり王城の目の前であった。


「お、お城だよここ!」

「そ、そうだよ。落ち着いて。」

「お二人ともそんなに動揺されなくても…。」


エレナさんはそりゃ貴族ですし、豪華な馬車にも乗って城にも入り慣れているかもしれませんが、俺やアリアみたいな一般人からすれば縁遠い場所なんですよ?騎士団員だってそう安々と入れないって聞くけど…。


「さあ皆さん着いてきてください。」

「はい。」


カルロス・クライフとフードの少女の後についていく。門番が魔法を解除し、俺達は城に入る。中庭には噴水や花が咲いている。よく見てみると城壁や道、噴水に至るまでなんらかの魔法が掛けられている。おそらく侵入者の排除目的や、学園の様に壊れてもすぐに元に戻るようになっているのだろう。建物の中に入ると、大きめの部屋に通される。そこにはいくつかの椅子とテーブルが並べられており、会談などに使われる場所であることがわかった。


「皆様、ここで少しお待ち下さい。」


そういってカルロス・クライフとフードの少女は部屋を出ていく。


「いや、お城ってすごいね。たくさん魔法が掛けられているみたいだし。」

「そうですね。侵入者が入らないように至る所にあると聞いています。」

「そんなお城に私達どうして呼ばれたんだろう。」

「考えられるのは…」


やはり魔族関連だろうか、だがそれなら俺達だけでフルー達を呼ばないわけはないだろう。彼女たちも充分評価に値する成績を上げている。共通していることであれば《紅》クラスが優勝したからだろうか?だがそれならわざわざ呼びつけるというのも考えにくいんだが…。


「お待たせいたしました。」


声の聞こえた方に顔を向けると、カルロス・クライフとその横にピンクのドレスに身を包んだ、淡紫色の髪の毛の美少女がいた。年齢は俺達とそう変わらないように見える。それにどこかで見たような…。


「えっと君は…?」

「私はこのセルベスタ王国第一王女、シャーロット・セルベスタです。」

「………はい?」


俺は連日の疲れからか、目の前の少女が何を言っているのかを処理をするまでに時間がかかっていた。

少しでも面白いなと思っていただけたら幸いです!

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