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 正直どちらも選びたくない。だが例のごとく、痛みは迫ってくる。

 あの女神、絶対に許さない――

 パンツじゃ足りない。いつか絶対にそれ以上に辱めてやる。

 そう俺は決意を新たにする。


 ならば今回も①だ。パンツを被って、これは自分の物だと言い放つ。

 仕方ない、仕方ない。これは仕方ないことだ。


「あの、聞こえてますか」

 

 ああ聞こえているとも。だからこう色々考えているんだ。気持ちは固まったがいざ行動に移すとなると勇気がいる。段々と痛みが強くなってきている。

 

 頭が絞られる、普通の頭痛とは違う、激痛。

 生き残らなければ復讐する事も出来ない。


 『よし、選択する①だ』

 

 すると前回と同じように痛みはひき、身体が動き始める。

 俺は掲げていたパンツを自らの頭へと誘導する。

 ああ何をしているんだ。心の中で嘆き、父と母に懺悔したいような気持ちになる。

 ああこれが終わったら手紙を書こう。

 内容は……


 拝啓


 お父様、お母様。お元気でしょうか?

 私は元気です。私は変態の道へ、また一歩また一歩と着日に進んでいます。

 また会うことがないようにこちらは気を付けます。

 ですので、そちらも私に合わないように気を付けてください!


敬具


一生の別れ、そうであって欲しい。

そんなことを考えている間にパンツはもう俺の頭の上にある。

 あとは降ろすだけ。


 あっ。

 ああ。心の中で出てくる溜息。被ってしまった。


「これは俺のものだ」


 そう話す。すると同時に身動きが出来るようになる。


「女性ものの下着を被る習慣が貴方の国にはあるのですか?」


 ええと、これは自分で考えて乗り切れということだろうか。

 何だよ、やっぱり鬼畜だよ。この設定は。誰が考えたんだ? 女神か女神なのか?

 こんなものを選択させておいて後の始末は自分でしなくてはならないかよ。

 恥辱に恥辱を重ねる嫌がらせ、質の悪い虐めより心に堪えるな。


「これは俺の国の文化なのです。物事を真剣に考える時はパンツを頭から被るのです」


 まるでさも当然の事のように語る俺。その姿は変態紳士こそが相応しい。別に思われたいわけではないが……


「女性のものを?」


「もちろんです。異性のものを被る背徳感こそ、思考を加速させると考えられているんです」


 本当にこんなことをしていれば余計なことを考えて頭の中がピンク色になる奴ばかりだろうけどな。まあ俺は現実の女にそこまでの興味があるわけではないので大丈夫だがな。


「はあ、そういうものなのでしょうか」


 これは納得してくれたと俺は安心するが、横から野次が飛んでくる。


「あんた、どう見ても日本人だろうが! 嘘ついてんじゃねーぞ」


 嘘はつくことは悪いこと。きっと小学校でそのように習ったのだろう。小さな男の子の発言が正しいのだろう。

 だが今の俺に正論なんて必要ない。

おいおいそこの少年、ここは周りに合わせるという大人の対応をしてくれよ。

 ここは、おいらもパンツを被らないといけねー。だが持ち合わせのパンツがねぇべ。だからサテラ様、パンツを恵んでください。といって合わせてくれるのが常識だろ!

 

 一体何処の常識なのだろうか? 俺の思考回路はその時、恥辱の連続で暴走していた。

 仕方ないことだ。人間と言うのは常に冷静では生きられない。これは当然のことだ。


「馬鹿を言うんではないよ。俺は日本人ではないさ。アジアの中のある少数民族だ」


 追い詰められた俺はもう適当に言葉を返す。


「聞いたことがあるわ。アジアの風習にはそんな文化があるということを」

 

 俺の後ろにいたブロンドの髪の女性がそんなこと言い出す。

 流暢な日本語? いや異世界人とも話せるところから考えるに自分達が異世界の言語を認知し、話していると判断したほうがいいか。

 しかしナイスだぞ。金髪のお姉さん。

 これでパンツを被ることが自然である空気を作ることを成功した。

 まあ何処にあるのか知らないが……まあいいか。

 

「はあ、異世界には奇怪な文化があるのですね」


 サテラが呆れるように口調で言った。

 よしこれで乗り切った。

 パンツを被ったままだが、それでも乗り切ったことには変わらない。

 俺はほっと安堵した。

 サテラはまあいいいでしょうと頷き、彼女は要約本題に入る。


わたくしはサテラ・リースという者です。誠に勝手ではございますが、皆様を異世界から召喚しました。お願いいたします。この国を救うのに協力してください」


 サテラは悲しげに満ちた表情はこの国の状況を連想させた。

頼まれた召喚者の反応はというと……男性陣はやる気に満ちあふれていた。まあよからぬことを妄想し、鼻の下を伸ばしていた人間が大半だったのだ。それが面白くない様に、召喚された女性の一人が眉を顰めながら質問する。


「あの私は学校で授業を受けていたんです。召喚? 意味が分りません。そんな非科学的なこと信用出来ないです。私を学校に帰してくれなければ訴えますよ」


「皆様を元の世界に帰すことは出来ません。これから貴方様方にはこの国を守って頂かないとならないんです」


 サテラはそう答える。帰るというより俺は前世で死んでるんだよな。

 つまり他の召喚者は別の過程で召喚されているのか。


「俺でよろければ力を貸しますよ。何をすれば良いんですか」


 そんなことを夢空が考える矢先に一人の男性が声を上げる。

 如何にも女性にモテそうな顔立ち、爽やかなイケメンだった。


「私も協力しましょう」

「おいらもするぞ~」

 それに釣られる様に何人もの男性が我こそ先にと名乗りを上げる。

 ちょっと待てよ、お前達。明らかに危険だろう。

 現実だとしても、国の問題を一市民が解決出来るわけない。

 これがアニメなら召喚者達は厄介な問題に巻き込まれていくんだぞ。


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